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滅んだ地球では銃と魔法と、パワードスーツが活躍する。  作者: ネコ軍団
第2章

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第87話 遠征の終わり

 起き上がろうとするワイバーンの顔の前に、レイが現れ太刀を大きく振りかぶった。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」

「チッ!」


 ワイバーンは前足で地面を強く蹴って飛び上がった。そのまま体をのけぞらせ回転するようにし、後ろ脚でレイを蹴りつけようと伸ばして来た。三つの指から伸びる鋭い爪が、硬い地面をえぐり取り向かってレイへと来る。


「おりゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


 叫び声をあげレイは自分に向かってくる、ワイバーンの後ろ足へと太刀を振り下ろした。


「ふぅ…… さすがに簡単には大人しくなんねえか」


 激しい音が響きパワードスーツを通りこして、レイの両手に衝撃が直接伝わってくる。レイの太刀とワイバーンの爪がぶつかった。爪はレイを太刀ごと押し返した。押されたレイの足に地面は削り取られ、二本の土色の線が二メートルほど伸びていた。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!」


 翼を広げたワイバーンは五メートルほど上昇すると、レイに向かって口を開く。赤い光が集約しレイに向かって火の玉を吐き出した。火の玉はうねりをあげながら猛スピードでレイの元へと飛んでいく。


「グギャ!?」


 火の玉を吐き出したワイバーンが目を大きく見開いて驚いた顔をする。ワイバーンの体が下へと落ち始めたのだ。ワイバーンは翼を上下に激しくまたたかせるが、止めることが地面へと落ちて行った。途中で姿勢をなんとか戻したワイバーンは足で地面へと着地した。

 火の玉を見つめレイは、太刀を地面とほぼ水平にし、両腕を体の右へもっていき太刀を構えた。


「おりゃ!!!!!」


 気合をいれレイは飛び上がり、飛んで来た火の玉を斬りつけた。太刀は横に真っ二つに切り裂かれ爆発した。爆風と上がった黒煙でレイのディスプレイのほとんど視界がなくなる。彼は構わずに前に出る。

 爆風の中を前へと進んだレイは、ワイバーンの前へと飛び出した。ワイバーンの前にたつレイは、パワードスーツの装甲に黒煙を引きずっていた。


「何度撃っても火の玉は俺に効かないぜ」


 右手に太刀を持って腕を伸ばし、切っ先をワイバーンへと向けたのだった。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」


 ワイバーンは大きく右腕を振り上げた。爪を伸ばし横からひっかくようにしてレイを切り裂こうとするワイバーンだった。


「はっ!!!!」

 

 太刀を素早く両手に握って、自分の左上へと持って行くレイ。彼は向かって来たワイバーンの右手を太刀で受け止めた。レイの太刀とワイバーンの爪がぶつかり、大きな音がしてワイバーンの右手は止まり、レイの両足が地面へとわずかにめり込む。


「ギギギギ!!!」


 ワイルドハーツは眉間にシワを寄せるような顔で、必死に右腕を押し込んでいく。レイは全身に力を込め太刀を押し返しながらにやりと笑った。


「ギャオオ!!????」


 レイの体が消えた。遮るの物のなくなったワイバーンの右手は、地面を思いっきり叩く。砂埃と地面の土が舞い上がり茶色の煙が周囲に立ち込める。


「完全に飛べなくしてやるよ!!!」

「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」


 ワイバーンが右腕の翼の前へとレイは姿を現した。太刀を構えた姿勢の彼はワイバーンの翼の膜へと太刀を振り下ろした。レイの太刀が降りぬかれると、ワイバーンの翼は切り裂かれ、破れた紙のように風にパタパタと揺れている。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」


 一段と大きな声で鳴いたワイバーンが地面へとついた右手を軸に体を左へと回転させていく。体に巻き付くようにして、先端が光った尻尾を太刀を振りぬいたレイに向かってぶつけてくる。レイは尻尾の動きに視線を向けて笑う。


「おっと!」


 レイの体が消えた。尻尾を空振りし一回転したワイバーンの顔の前にレイは現れた。レイを見たワイバーンは口を目を大きく見開き顔を赤くして口を大きく開いて噛みつこうとする。太刀を大きく振りかぶり近づいて来るワイバーンの口に向かって勢いよく振り下ろした。


「はああああああああああああ!!!」

「ギャイン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 振り下ろしたレイの太刀と噛みつこうとした、ワイバーンの上あごがぶつかった。ワイバーンは強制的に口を閉じらされた。首を下しワイバーンは地面を下あごを叩きつけられた。目の前で口を閉じて地面に舐めるワイバーンを見てレイは見下ろしている。


「すっすごい……」


 対峙するワイバーンとレイから、十メートルほど離れたところで、感嘆の声をあげる黒田だった。黒田はレインデビルズでも、最強種の一つドラゴンのワイバーンをも圧倒する彼にすえ恐ろしさを感じ背筋が寒くなっている。


「黒田さん! 相原さん! 見とれてないでレイ君を援護してください」

「えっ!? あぁ。そうですね。行きますよ。黒田さん」

「はい!」


 黒田と翔は顔を見合せうなずく。黒田は二丁の拳銃を構え、翔は弓に矢をつがえ甘菜の横を通って飛び出して行った。

 広場の向かいにある首都高速の残骸、崩れた壁の前でスナイパーライフルを構える未結。彼女の目に青い閃光がワイバーンを圧倒する光景が映っていた。青い閃光を見つめる彼女の顔は自然とほころぶ。


「ふふ。何度も見ても綺麗…… でも…… 私だって!!」


 笑顔から真剣な表情へと変えた未結は、ワイバーンをいつでも狙撃できるように集中する。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!」


 両手をついて体を起こしたワイバーンは再度レイに噛みつこうとした。静かにレイは右手に持った太刀を横からワイバーンへ向かって振りぬいた。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーン!!!!!!」


 横から飛んで来た太刀にぶつかり、ワイバーンは殴られたように顔をのけぞらせる。フラフラとなったワイバーンはレイに体を斜めに向け、地面に頭をつける。


「はぁはぁ…… そろそろ終わらせようぜ!!」


 横に太刀を振りぬいた姿勢でレイはワイバーンに向かってつぶやく。ワイバーンはすぐに起き上がろうと両前足を地面について伸ばさそうとする。


「黒田さん!」

 

 後ろを向いて走って来た黒田にレイが叫んだ。


「はい!」


 返事をした黒田は両手を前に突き出し引き金を引く。二発の銃弾は起き上がろうとする、ワイバーンの左肩と脇腹に命中した。しかし、ワイバーンは銃撃に少しひるんだが、構わず起き上がった。


「簡単に起き上がらせませんよ」


 黒田の目が青く強烈に光だした。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」


 ワイバーンの体が強烈に青白く光った。黒田が撃ったのは強エーテル反応弾、彼の特殊能力電気操作により、体内に残った弾薬からワイバーンの体へ強烈な電気が駆け巡った。体から白い湯気をあげ、苦しそう表情をうかべワイバーンは地面へと倒れ込む。


「翔さん! あいつの体を地面にうちつけてください」

「わかった」


 飛び上がりワイバーンの背中の上へと来た翔。彼は矢を素早く四本放つ。矢は左右の脚それぞれの甲の辺りを貫き地面へと突き刺さる。最後に体へ矢を放つために翔が手を矢筒へと伸ばす……


「むっ!? しまった…… もう矢が」

「大丈夫です! 最後はこいつで!!!!!」


 矢を全て放ってしまった翔、レイが瞬間移動で彼の隣へと飛んで来た。彼は持っていた太刀を逆手に持ち替え、地面へ倒れているワイバーンへと勢いよく投げた。レイが投げた達はワイバーンの背中へと突き刺さった。太刀はワイバーンの体を貫通し地面へ突き刺さる。

 

「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 前足と後ろ脚と背中を矢と太刀で打ち付けられたワイバーンが苦しそうに鳴く。


「先輩! いまだ!」


 レイが未結へと指示を送った。倒れたワイバーンを見つめていた未結の目が青く光った。彼女はスナイパーライフルの引き金にかけた指に力を込める。


「そこ!!!」


 引き金が引かれスナイパーライフルから銃弾が飛び出した。発射された銃弾は横たわるワイバーンの左の尻尾の付け根へと命中し、肉をえぐりながらワイバーンの体内へと突き進むのだった。


「よし!」


 左手で拳を握り突き上げるようにして声をあげる未結だった。ワイバーンが倒れたことを確認した未結は、スナイパーライフルを下し足で地面を蹴って飛びあがった。

 彼女は首都高速の残骸から公園の広場まで飛んで来た。倒れてワイバーンの周りにはレイ、甘菜と黒田、翔と左右に別れてそれぞれ腕の近くに立って居た。未結はレイと甘菜の近くへと飛んで来た。


「未結ちゃーん! やったね」


 飛んで来た未結を見た甘菜が彼女に手を振った。未結は甘菜に左手をあげ答えると彼女の横へと着地した。倒れたいたワイバーンが未結の着陸の音に反応しパチッと目を目を覚ます。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」


 両前足をついて体を起こし顔をあげ声をあげるワイバーン。黒田と翔は距離を取ろうと飛びあがり、甘菜はタワーシールドを前に出して構える。


「クソ!?」


 目を覚ましたワイバーンに斬りかかろうとするレイだった。しかし、彼の前に未結が手を出して止める。


「大丈夫ですよ」


 にっこりと微笑みレイの顔を覗き込むような仕草をする未結だった。彼女の綺麗な赤い瞳のおくに小さな青い光が灯る。装甲に覆われており、未結の表情は見えないレイだが、落ち着いた口調で、自信に満ちた彼女の様子に動きが止まり、太刀を握る両手の力がわずかに抜ける。


「ブゥギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 目を覚まし体を起こしたワイバーンが声をあげた。鳴き声は今までの比にならないほど大きく、パワードスーツを着たレイたちが思わず耳を押せるほどだった。ワイバーンの左肩と右肩と脇腹などからて血と肉片が飛び出した。ワイバーンは体を震わせ目をつむりまた倒れたのだった。


「先輩!? これは……」


 破裂した肉片がレイの足元に落ちた。肉片と血の中に血だらけの銃弾が見え地面に転がっている。未結は地面に転がる銃弾を見て小さくうなずいた。


「私が使ったのはエーテル拡張弾頭弾…… 貫通力をあえて下げた銃弾を体内で破裂しダメージを蓄積させるものですよ」


 にっこりと笑って倒れたワイバーンを見上げる未結だった。エーテル拡張弾頭弾未結の言葉どおり、弾頭が変化し標的の体内で破裂しダメージを蓄積させる銃弾だ。標的の内部でいつエーテル反応を起こし、弾頭を拡散させるかでダメージが違う扱いの難しい弾だ。レイはエーテル拡張弾頭弾の威力に驚き呆然と倒れたワイバーンを見つめるのだった。


「うん!?」


 レイの目の前に未結がやってきた。彼女はレイの顔をジッと見つめた。少し間を開けて未結は口を開く。


「わっ私も…… レイさんと一緒にこれからも成長していきます。負けませんよ!」

「えっ!? あぁ。そうだな…… 一緒に頑張ろう。先輩」

「はい。こっこれからも一緒です!!! ずっと!!!」


 未結はずっとと叫ぶと、レイに背中を向け小走りで去って行った。彼女の顔は真っ赤になっていた。レイは急に走り出した未結に少し驚き首をかしげ彼女の背中を見つめていた。


「ずっと一緒にかぁ。ふーん……」

「わっ!?」


 いつの間にか甘菜がレイの横に立ち、不満げに口を尖らせ小さく小刻みにうなずいていた。顔を横に向けた甘菜はジッとレイを見つめる。


「なっなんだよ!?」

「別にぃ。私だって未結ちゃんに負けないから! 私がレイ君の隣にいるんだからね」

「えっ!? あぁ…… 頼むな」

「へへへっ」


 右手で甘菜の肩を軽く叩くレイ、彼女は嬉しそうに笑うのだった。


「これから一緒ですか…… いろいろ大変ですね。黒田さん」

「そうですね…… でも、楽しそうですよ。彼らは」

「えぇ」


 レイ、甘菜の背後で翔と黒田は笑顔で会話をしていた。


「みなさーん! 早く! 大神さん達を追いかけますよ」

「あぁ! 待ってよ。未結ちゃん。ほらレイ君! 行くよ」

「えっ!? おい。引っ張るな! 黒田さん、翔さん! 行きますよ」


 未結に呼ばれ、レイたちは彼女の後を追いかける。

 ワイバーンを退けた特務第十小隊と翔、その後はレインデビルズの襲撃はなく無事に大神と合流するのだった。長く苦しい東京遠征はこれで終わった。

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