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滅んだ地球では銃と魔法と、パワードスーツが活躍する。  作者: ネコ軍団
第2章

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第86話 竜の逆襲

 顔をあげ大きく体中から白い煙を上げているワイバーン。少ししてからわずかに横にフラフラと動いたワイバーンは頭をさげて地面へと倒れ込む。目は開いたまま口をわずかにあげ苦しそうにするワイバーンの体から、まだ湯気のような白い煙がところどころから、沸き上がりわずかに鱗がこげついている。

 黒田はワイバーンのほぼ真横に移動し、立って銃口をワイバーンへと向けている。ワイバーンの目から少しずつ光が小さくなっていく。


「ふぅ…… まさかこんな程度で死なないですよね」


 ワイバーンを見つめ、小さく息を吐いた黒田は両手に持った、拳銃の引き金に指をかけまた構えた。照準を今度はワイバーンの右腕と脇腹へと向けかけた指に力を込めた。

 銃声が轟く。黒田の両手から発射された二発の銃弾はワイバーンへと向かって行く。しかし、ワイバーンの瞳に小さな青い光が宿ると尻尾の先端が青く光りだす。


「はっ!!!???」


 身をひるがえしたワイバーンは、尻を突き出すようにして、尻尾を横に水平に振りいた。ワイバーンの光った尻尾の先端が銃弾を弾き返す。自らがはなった銃弾が黒田へと戻って来る。反応した黒田は戻って来る銃弾に銃口を向けた。


「クッ!!!」


 素早く引き金を引く黒田、二丁の銃弾が発射され弾き返された銃弾に命中した。ぶつかりあった四発の銃弾は地面と空に別れて飛んで消えていった。


「あれは…… シールド!? 尻尾にシールドを貼って僕の銃弾を…… やはり簡単に倒せる相手ではないですね」


 先端が光る尻尾を見つめ笑う黒田だった。直後にワイバーンの背中に向けて翔が飛んだ。高速移動で飛び上がった瞬間にはワイバーンの背中の三メートルほど上空へと移動し翔は弓を構えていた。


「くらえ!!!」


 ワイバーンの背中に向けて矢を放つ翔。目に見えない速さであっという間に四本の矢をワーバーンへと放っていた。矢は背中の上部に背骨を挟むようにして二本、左肩と右肩に突き刺さった。矢によってえぐられたワイバーンの体から血がにじむようにたれ体を伝って地面へと落ちていく。至近距離から放たれた矢の威力はすさまじく、ワイバーンの頑丈な鱗と分厚い肉体を貫き地面に突き刺さった。ワイバーンは矢によってはりつけにされたようになった。翔は小さくうなずいた。しかし……


「なっ!? 私の矢を受けて…… うわぁあ!!!!」

「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」


 前足をついて強引に体を起こしたワイバーン。三メートルはあろうかという長い首を器用に曲げ、背中の後ろに居た翔に噛みついた。真っ赤な歯茎に牙が無数に生えたワイバーンの口が翔を飲み込んでしまった。


「相原さん!!! あっ!? しまった!!!」


 黒田が叫び声をあげた。翔に噛みつくと同時に青く光った尻尾の先端が、彼に向かって鋭く伸びて来たのだ。槍のようにつきだされたワイバーンの尾が黒田を捉えた。


「うわああああああ!!!」


 不意を突かれた黒田は、向かって来る青い光を帯びた尻尾に動けず、声をあげ目をつむるのだった。


「えっ!?」


 ゆっくりと目を開ける黒田。彼の前にはタワーシールドを持った甘菜が立って居た。彼女はタワーシールドで黒田へと突き出されたワイバーンの尻尾を受け止めていた。


「姉ちゃん? 翔さんは無事だ。そっちは?」


 黒田が視線を向けた。ワイバーンが閉じた口の向こう側に、翔の腕を持って一緒に浮かんでいるレイの姿が見えた。レイは翔が飲み込まれる直前に瞬間に移動で彼を救いだしていたのだ。

 甘菜はディスプレイの隅に映る後方のカメラの映像を確認しほほ笑みうなずく。彼女のディスプレイには驚いたままレイへ顔を向けている黒田が映っていた。


「うん。黒田さんも大丈夫だよ」


 レイは甘菜の回答に小さくうなずく。彼は小さく視線を左右に動かした。


「よーし…… あとは…… 先輩! 準備は?」


 未結へ呼びかけるレイ。コロッセオ豊洲の前を横断する首都高の残骸、フェンスが崩れレイたちがいる公園が見渡せる場所に、スナイパーライフルを担いだ未結が静か立っていた。

 小さくうなずいた未結は、スナイパーライフルのマガジンを抜いて真顔で前を向く、彼女の目には朝日に照らされたワイバーンの姿が見える。小さく息を吐いた彼女はエーテル鋼弾が入ったマガジンをセットしスナイパーライフルを構える。


「はっはい。いつでも撃てます」

「あぁ……」


 目を青く光らせた未結、彼女が纏うマジックフレーム2のふくらはぎの装甲から脚が伸び、射撃姿勢を取った。未結の返事を聞いたレイは静かにうなずくのだった。彼は翔を連れて瞬間移動し甘菜の後ろへとやって来た。翔から腕をはなしたレイが口を開く。


「よし! 姉ちゃん! 二人を頼んだぜ!」

「はーい! お姉ちゃんにお任せだよ。はっ!!」


 甘菜が答えると持っていた、ワイバーンの尻尾を受け止めていたタワーシールドを前に構えたまま一歩前に足を踏み出した。タワーシールドを持っていた左手に右手を添え両腕を大きく左へ動かした。タワーシールドは受け止めていたワイバーンの尻尾を大きく横に振り払うようになった。同時にレイは全身を青く光らせ姿を消した。


「ギャオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」


 声をあげたワイバーンは甘菜に顔を向け大きく口を開く。ワイルドハーツの開いた口の前に、赤い光の粒が集約していく。

 ワイバーンの火の玉を吐き出す。直径な五メートルほどの赤い大きな火球がうなりをあげながら甘菜たちへとせまっていく。赤く強烈な光が三人を照らす。翔と黒田は目を見開いているが、甘菜は迫って来る火の玉を見ても余裕の表情を浮かべている。


「おりゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


 火の玉の前にレイが姿を現した。何を持たなかった彼が、両手を背中まで振りかぶった。同時にレイの両手が強く青い光をはなち、太刀が出現し彼は両手で強く握る。向かって来る火の玉に向かい、レイは太刀を振り下ろした。太刀は火の玉を切り裂いていき真っ二つにした。火の玉は左右に別れ回転しながら地面へと飛んでいく。火の玉は甘菜たちの横に十五メートルほどの距離にそれぞれ地面に落ちて爆発した。

 落ちた火の玉を見て唖然とする黒田と翔だった。レイは太刀を下しワイバーンを睨みつける。


「お前の相手は俺だぜ!」

「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!」


 レイを睨み返しワイバーンは威嚇するためか、低くうなるように喉を鳴らした。口を大きくあけたワイバーンは首を伸ばし前に出てレイに食らいつこうとする。


「さぁ行こうか!」


 向かってくる巨大なワイバーンの口を見たレイはニヤリと笑う。彼の体は青く光ったまま再び姿を消した。


「ハッ!!!」


 レイはワイバーン首の横に姿を現した。ガキッという音がしたワイバーンはレイが消えてことに気付かずに噛みつこうと口を閉じたのだ。

 太刀をレイは目の前で伸びていたワイバーンの首へと振り下ろした。レイの太刀はワイバーンの首にぶつかった思いのほか鱗が硬く、レイの太刀はワイバーンの首を叩きつけられた。首をグニャッと曲がりワイバーンがまぶたを閉じて苦痛に顔を歪める。ワイバーンの首を叩かれ、地面へと倒れこんだ。


「ふーん。急所は硬くできてるんだな」


 太刀の柄を顔の前に持って来たレイは、刀身を見つめ傷がないか確認する。太刀を静かに下したレイは、視線を下に向けワイバーンへと向けた。


「まだ終わりじゃないぜ!」


 起き上がろうとするワイバーンを見てニヤリと笑うレイだった。彼の体は青く光りその場からすぐに消えるのだった。

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