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決着


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 星祭りの一件で、シャルルの婚約者がクロエであるということは瞬く間に広まった。

 そのこと自体はシャルルの想定の範囲内であったので特に問題はなかったのだが、冬期休暇で帰った際にはマクシミリアンとデルフィーヌから「勝手に発表して!」とお叱りを受けることになるとは思ってもいなかった。

 彼らは、というよりデルフィーヌはシャルルが卒業すると同時に大々的にロマンチックに発表する計画を立てていたらしい。


 そしてガルデニアの宰相についてだが。


「無事拘束されたようです。現在彼の身辺調査中らしいですが、裏で他にもいろいろとやっていたらしく、シャルル殿下へは今回の事への心からの謝罪と、そのことが明るみに出たことについての感謝をくれぐれも伝えて欲しいと父上が」

「宰相はどうなるの?」

「まだ決まってはないですが、恐らく極刑でしょうとの見方が強いですね」

「そう」


 冬期休暇が明けてすぐに受けた二コラからの報告に、シャルルは息をついた。

 本来のシナリオではこのタイミングでベルナデットとの直接対決、その後ガルデニアのスパイとの対決、黒幕である宰相の存在が判明、宰相の企みを暴いて断罪、という怒涛の展開だった訳だが、現実はシャルルが両親に叱られている間にあっさりと終わってしまったようだ。


 まあベルナデットは悪役令嬢ではないし、スパイとの対決のようなものや黒幕についての話は星祭り前に前倒しで終わらせているから当然と言えば当然なのだが。


「あ、宰相が捕まったんなら」


 ふと思いついてそう尋ねると、二コラは笑顔を浮かべた。


「こっちもまだ決まってはいないんだけどね。たぶんそうなるんじゃないかって言われてるよ」


 二コラの答えにシャルルも笑顔になる。

 宰相が捕まったということは、宰相職が空席になるということ。その場合その後釜に入るのは、他に候補が無ければ彼の下について仕事を学んでいた人物、つまりジョゼットの兄だ。

 彼が悪事に加担していたとなれば話はまた変わってくるだろうが、彼はかなり優秀な人材だったらしく怪しいと思った仕事については宰相の指示であっても上手くかわしていたらしい。

 彼が宰相になったなら二コラの兄とジョゼットの間にある障害はグッと低くなるだろう。


「良かったね」

「まあそうなっても諸手を上げて歓迎されるわけじゃないからね。そもそもの身分が違い過ぎると反対する人も当然いるだろうし。けど頑張るって、2人とも言ってくれたから。それが僕はすごく嬉しい」

「上手くいくといいね」

「兄上はやると言ったら絶対にやる人だからね。婚約の知らせが来るのも時間の問題だと思うよ」

「ならお祝いの準備しとかないとね」


 そう言いながらシャルルがちらりとフィリップに視線を向けると、フィリップは気まずそうな顔をした。フィリップはまだ答えを出していない。


(ゲーム上でもくっつくのは終業式の後だったから、現実もそれまでかかるんだろうなぁ)


 そう思って視線を二コラに戻すと、見えずとも明らかにホッとしたような気配をフィリップから感じた。


 カロリーヌの気持ちを考えてシャルルは内心で深くため息をついた。


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