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「シャルル殿下、ちょっと話があるんだけどこの後時間ってあるかな?」
放課後二コラにそう尋ねられ、シャルルはぎくりとしたがそれを表には出さなかった。
(これはつまりそういうことか? 絶対そういうことだよな??)
断るという選択肢もあったが、断ったからと言ってきっと猶予が伸びるだけだろう。
シャルルは頷いて、「ここじゃちょっと……」と言う二コラにおとなしくついて行った。
(あからさまだなおい)
シャルルはどんどんと人気のない方に歩いて行く二コラについて行きながら内心舌打ちした。
(二コラは性格的にも能力的にも自らが手を下したりはしないと思うんだよね。恐らく暗殺者の類が隠れてる場所まで誘導してるんだろうな)
そう思ったので、シャルルは周りの気配に警戒しながら歩いていた。しかし後ろを歩くフィリップがピリピリと警戒しているのを感じるだけで、他の気配や殺気らしきものは感じられない。
相当上手く隠れているのか、それともシャルルの予想に反して二コラが直接手を下すつもりなのか。
二コラが立ち止まったが、やはりそこにもシャルル達3人以外の気配は無かった。
「わざわざこんなところまで来てもらってごめんね」
「いや……それで?」
「うん、あれからいろいろ考えたんだ。これまで生きてきた中で一番頭を使ったんじゃないかな?」
笑いながら話す二コラの言葉をシャルルはじっと聞いた。
「それで、結論を出した。シャルル殿下、僕は……やっぱり父上と兄上を裏切れない」
そう言って二コラの顔が泣きそうに歪む。
「ごめんね」
言葉と同時にシャルルの心臓が背後から魔力の刃で貫かれた。
背後にはやはりフィリップの気配しか感じることが出来なかった。




