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「フィリップ、カロリーヌの事をどう思う?」
「その質問については何と答えてもシャルル殿下は満足しないでしょうから回答は控えさせていただきます」
シャルルは部屋に帰ってくるなり、椅子に座り口元に手を組み真剣な顔でフィリップに尋ねた。
それに対しフィリップは顔色一つ変えず淡々と答える。
「じゃあカロリーヌをお嫁さんにとかどう?」
変わらず真剣な顔で尋ねるシャルルに対し、今度の質問にはその意図が掴めずフィリップは怪訝そうに眉をひそめた。
「どこかで頭でもぶつけましたか? 今日はもう休まれた方が良いんじゃないですか?」
「じゃあこれなら答えられるよね? カロリーヌのこと好き?」
「はいはい、エリック様に教えるのに疲れたんですね。少し早いですが寝てしまいましょうね」
フィリップは結局またいつものシャルルの『カロリーヌ可愛い』の発作だと判断した。
いつもより少し内容がおかしいが、それもあんまりな理解力のエリックに勉強を教え疲れたためだろうと思ったようだ。
シャルルは至って真剣だったが、あまりにもフィリップが無反応であることから今日のところはこれ以上つつくのは止めておこうと素直にフィリップの言葉に従った。シャルルのせいで上手くいかなくなってしまったなんてことは絶対に避けたい。
シャルルが焦っているのには訳がある。
Xデーがすぐそこまで迫っているのだ。2度目のテストの後、ゲーム上のシャルル王子は殺される。
(判明した学園内のスパイは二コラ以外は捕まえた筈だ。攻略対象たちも二コラ以外はスパイとの繋がりはない。ディアマン家も隣国の手に落ちていない。けれど、イベントは起きている。なら…………怖い、怖い、怖い……けど、その可能性があるのなら、避けられないのなら、せめてカロリーヌの幸せを)
運命の日が近づくにつれて、シャルルはぐるぐると考えてしまいほとんど眠れなくなっていた。心配をかけない為にもいつも通りを心掛けてはいるが、きっとフィリップは気づいているだろう。
ベッドに入ったもののやはり眠ることは出来ず、それでも何とか浅い眠りを繰り返しつつシャルルは夜をやり過ごした。




