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(思わぬところでカロリーヌと旅行という嬉しい予定が出来たわけだがその前に)
ディアマン領へ出発する日の前日、シャルルはカロリーヌと共に医科の研究棟へと来ていた。エルネストのイベントを消化するためだ。
ゲームでエルネストの好感度を上げるためには、彼に認めてもらわなければならない。何故ならエルネストだから。まず『見下されている』状況から脱しなければ話にならないのだ。
夏季休暇のエルネストのイベントは、カロリーヌが医科の研究棟に勉強をしに来たところでエルネストと遭遇するというものだ。
カロリーヌは聖女の力を最大限に発揮するためには医学の知識も必要だと気づき、研究棟へ向かいそこにいた職員に訳を話し、資料室に入る許可をもらい勉強を始める。
優秀なカロリーヌだが、元々医学の知識などない彼女はその内容を理解するのに苦労していた。そこに現れるのがエルネストだ。
彼は何故カロリーヌがこんなところにいるのか聞いて、少し考えた後「どこが分からないんだ?」と分からないところを教えてくれる。そしてその時間を通じてエルネストはカロリーヌが自分が思っていたより優秀だと気づき、これまでの見下していた認識を改めるのだ。
今回もシャルルが一緒にいるわけだが、別にシャルルがカロリーヌに助言した訳では無い。ゲームと同様カロリーヌは医学の知識が必要な事に気づいたし、1人で研究棟へ向かっていた。
ただ、その研究棟へ行く道すがら、本当に偶然シャルルに出会ったのだ。
シャルルにはカロリーヌに出会って素通りするという選択肢はないため、予測はついていたがどこに行くのか尋ねた。
するとカロリーヌの返答はシャルルの予想通りだったわけだが、その後予想外なことに「一緒に行きましょう」と誘われたのだ。
曰く「研究棟にはエルネストがいるかもしれない。シャルルが会いに来たならばエルネストはきっとすごく喜ぶと思う」とのことらしい。
かくしてシャルルはカロリーヌと一緒に研究棟へと足を踏み入れたのだった。
結果として。
相変わらずエルネストはシャルルを崇拝していたし、カロリーヌに勉強を教えたのはシャルルだった(それによりまたエルネストの崇拝レベルが上がっていた)。
それでもシャルルから見てエルネストはカロリーヌを見下していなかったし、勉強をしているカロリーヌに感心したような目を向けていた為、よく分からなかったがとりあえずシャルルの中で今回のイベントは成功ということにした。




