テストイベント
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「順調順調♪」
寮の部屋で机に向かいながらシャルルはご機嫌に呟いた。聖女覚醒イベントをスルーしてしまったので、今回の聖女確定イベントがちゃんと起こるのか少し不安だったのだ。
しかしちゃんとカロリーヌは聖女の素質を備えていた。
(まあカロリーヌは天使だから当然なんだけど)
「調子が良さそうですね」
「まあね」
もうすぐ今年度最初のテストが行われる。シャルルの独り言を勉強の事と勘違いしたフィリップに声をかけられ、シャルルも訂正することなくそれに返す。
実際シャルルは頭がすこぶる良く、授業を聞くだけで全て理解出来る為予習も復習も必要ない。
それでも今机に向かっているのは、可愛い可愛いカロリーヌに一緒に勉強したいと言われたからだ。
万が一にも聞かれたことを答えられないという事態になるわけにはいかない。
「まあカロリーヌ殿下も優秀ですし、本当に並んで勉強するだけになるでしょうけどね」
「それはそれで幸せな時間だな」
ゲーム内でテストはイベントのひとつだった。
攻略対象と一緒に勉強することで好感度を上げることが出来、テストはミニゲームになっていてその成績でカロリーヌの能力を上げることが出来た。
流石に現実ではテストの成績で上がる能力は学力くらいだろうが、一緒に勉強の方は親密度が確実に上がることだろう。
シャルルはシスコンではあるが、カロリーヌが幸せになれるのなら恋人が出来るのは全然構わない。
クロエは問題だが、その他の攻略対象者たちはシャルルが過去に頑張ったおかげで闇堕ちや後ろ暗いことはない筈であるし、攻略対象者なだけあって概ね皆いい奴らだ。誰を選んだとしてもきっとカロリーヌを幸せにしてくれるだろう。
(僕的に一押しはエリックだったんだけど、ベルナデットが好きだって言ってたもんな。エルネストとミカエルは同じクラスだけどほとんど交流がないみたいだし。しかもカロリーヌの話だと勉強会は女子寮でやってるらしいんだよね。そこにいるのはクロエだけどカロリーヌは僕たちのことを相思相愛の婚約者だと思ってるし、クロエにも事ある毎に釘をさしてるからまあそこは大丈夫だろう。けどそれ以外は僕らとの勉強会しかやってないって言ってたし、このままじゃ誰の好感度も上がらなくないか?)
ゲームでは当然好感度が上がらなければバッドエンドまっしぐらだ。
しかし実際は好感度が上がらなかった場合のバッドエンドの条件は粗方潰している為、たとえカロリーヌが彼らと親しくならなくても問題ないように思う。
とはいえカロリーヌの幸せを考えるとそろそろ相手を決めた方がいいのではないか。
(今度さり気なく気になる人がいるか聞いてみよう)
自分のことは棚に上げ、きっと本人にとっては余計なお世話な事を考えながらシャルルはいるかも分からないカロリーヌの想い人に思いを馳せた。




