悪役令嬢ベルナデット2
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
ゲームで最初に起こる事件は、入学して少し経った授業中に教室に隣国のスパイが差し向けた魔物が乱入するというものである。
狙われるのは当然カロリーヌであるが、ここではカロリーヌではなく彼女を庇ったイザベルが怪我を負う。
怪我は軽いものなのだが、自分を庇って怪我をしてしまったイザベルにショックを受け、その怪我を治そうと無我夢中になっているうちにカロリーヌは無意識に聖女の力を覚醒させる。
(の、はずだったんだけど……)
「ごめん、もう一回教えてくれる?」
カロリーヌが入学してからほぼ毎日行われている放課後のお茶会で、シャルルはおかしなことを聞いた気がして思わず聞き返した。
「信じられないでしょうが、本当のことですのよ! 授業中にどこからともなく矢が飛んできて、ベルナデット様がそれを素手で掴み取ったの。直前に窓も開けてくださっていたお陰で矢だけでなくガラスの破片で怪我をする生徒も出ませんでしたし、本当に格好良かったですわ」
「ベルナデット様って、ベルナデット・ディアマン嬢で合ってる?」
「まあお兄様、ベルナデット様をご存じなんですの?」
「彼女は有名だからね」
「確かにとっても凛々しくてらっしゃいますものね!」
「凛々しい????」
おかしい。ゲームでのベルナデットは綺麗とか儚いとか言われていた筈。凛々しいとは。
うっとりと今日の出来事を報告するカロリーヌにシャルルは混乱した。
「ま、まあカロリーヌやクラスメイトのみんなに怪我が無くて良かったよ」
シャルルが辛うじてそう返したところで難しい顔をしたフィリップがシャルルを呼びに来たため、本日のお茶会はそこでお開きになった。




