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転生魔法使い  作者: seigo
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弟子ができた日

母さんが出掛けるのを見送ってから、家に鍵をかけて、図書館に出掛ける。最近では魔術の本が置いてあるのを発見して、その解読に励んでいた。


瞑想によって、魔力は日々向上している。それに伴って魔法大全にも新たな呪文が載るようになってきた。神様によるものなのか、この本は知らないうちにページが更新されるらしい。最近では探知魔法を覚えた。人間や猫などの動物や石などの無機物も探知できる。相当便利な魔法だ。


そして最近僕は森を頻繁に訪れるようになっていた。前世から森は好きだった。今世で魔法を使えるようになって、森での過ごし方はより充実したものになっていた。魔法で火を起こしたり、川の水を不純物を除去して飲めるようにしたり、簡単な小屋を作ったり、小動物の気配を探知したりだ。北海道で見里に会うのとは違って、森に行っている事は母さんに隠さなくて済む。また金もかからない。家から30分ほど歩いたところにある森で訪れる度に探知魔法で狸とか鹿とかを狩って家に持って帰っていた。最初は母さんも腰を抜かす程驚いていたけど、徐々に食料が手に入って喜ぶようになった。


「それにしても、本当に光ちゃんは天才ね。まだ3歳なのに、鹿を獲ってこれるなんて。プロの狩人でもこうはいかないんじゃないかしら」


「大げさだよ」


今日も僕が獲って帰った鹿肉のステーキを食べて、母さんは感激していた。僕は母さんに見つからないよう魔法大全を透明化して読んでいた。僕の成長と共にこの本も新しい情報が載るようになる。それによると魔力が向上してゆくと、新たな魔法も使えるようになってゆくらしい。例えば転移魔法とかだ。一瞬で目的地へ移動出来る魔法。実はテレポートは初期から使えていたのだが、魔力が乏しいと近場にしか移動できなくて、そのまま使わないでいた魔法だった。だけど、日々怠らず、瞑想を繰り返したことにより、この一年で魔力も十倍くらい成長して、今は北海道まで転移できるかどうかというところまで成長していた。

そう言えば、森で狩りをするようになってから、しばらく北海道には行っていない。丁度いいし、テレポートの練習がてら、たまには見里に会いに行ってやるか。


「ねえ、光ちゃん。森に行くのはいいけど、川には気をつけてね。流れが早いところとかもあるからね」

「分かってるよ、母さん」


翌日。母さんがパートへ行くのを見届けてから、僕は深呼吸してテレポートを発動させた。初めて見里と会った公園をイメージしたのだが、無事成功したようだった。魔力は三分の一程消費していたが。やはり魔力はもっとあった方がいいな。魔力を向上させる方法をもっと調べた方がいいのかもしれない。

「あれ?光君?」

「ん?」

振り返ると見里がいた。

「ねえ、今、突然現れなかった?」

「ああ、いや・・・」

まずいな。転移の瞬間を見られてしまったか。もっと人里離れたところに転移するべきだったかと反省した。「ねえ、今のどうやったの?」

見里は興味津々だ。どう答えたものかと頭を悩ませたが、見里なら教えても良いかという気になった。

「魔法で家から一瞬で来たんだよ」

「魔法?」

「うん。」

「光君は魔法が使えるの?」

「まあね」

「すごーい。ねえ、他にも何か出来るの?」

絶対内緒だぞ、と念押しした後で、僕はライトの呪文とかファイアの呪文とかを披露してやった。

「すごーい。前から光君の事、すごい人だと思ってたけど、本物の魔法つかいだなんて」

見里は感激していた。

「ねえ、ねえ。私も魔法使えるようになれる?」

「いや、どうだろう。ちょっと難しいかもな」

「どうやったら魔法使えるようになるの?」

「うーん。僕は最初から使えたからな。才能がないと難しいのかもしれない」

「そっかー。でも光君の秘密教えてくれてありがとうね。見里とっても嬉しい」

「そうか。ところで、今日はどうしたんだ?一人で遊んでいたのか?」

見里はちょっと気まずそうにした。

「最近光君が来てくれないから。だけど、今日は何となく公園に光君が来るような気がしたの」

第六感ってやつか。見里にもそっち方面の才能があるのかもな。

「じゃ、何かして遊ぶか?」

「うん!」

それから僕らは縄跳びやら、鬼ごっこをして過ごした。

見里の前でも魔法を隠さなくてよくなったので、僕はストレージから飲み物とかお菓子とかをだしてやった。

「ねえ、光君。最近は忙しかったの?」

「まあね。家の近くの森に行ったりしてたんだ」

「森?森でなにしてるの?」

「動物を狩ったりしてるんだよ。鹿とかね」

「えー?鹿を捕まえるの?どうやって?」

「魔法で気絶させたりするんだよ。パラライズっていう魔法なんだけどね」

「凄いね。今度見里も連れて行ってよ」

「まあ。機会があったらな」


それからはまったりと日が暮れていくのを二人でベンチから眺めていた。

「ねえ、光君。見里もっと光君と遊びたい。たまにじゃなくて毎日一緒にいたいよ」

「んー、でも僕は僕でやることもあるしな」

「じゃあさ、見里を光君の弟子にしてよ。魔法使いの弟子。そしたら師匠と弟子だから一緒にいられる?」

「弟子?」

「うん。だめかな?」

「だけど、魔法は才能がないと使えないかもしれないよ」

「どうやってつかうの?」

「呪文を唱えたら使えるけど、例えば、ステータスって唱えたら、自分の情報とか見れる。使える人はだけど」

「ステータス。・・・本当だ。何か書いてある」

「え?使えたのか?」

「志方見里。3歳。体力普通。魔力普通。って書いてあるよ」

「まさか、使えるなんて。」

「他には呪文どんなのがある?」

「指先に意識を集中してファイアって唱えてみな」

「ファイア」

ぼっと小さな炎が現れた。

「すごい。私も魔法使いになれたんだね」

どういうことだ?神様もこの世界で魔法が使えるなんて人間はまずいないようなことを言っていたはずだが。僕の近くにいたからかな。

「ね、今度森に連れて行ってよ。そして私も一緒に狩りがやりたい」

「そうだな・・・。もっと上手くなったらな。僕の家まで来れるようになったら一緒に森に行こう。毎日瞑想するんだぞ?そしたらどんどん魔力が増えて、色んな魔法が使えるようになるから」

「わかった!見里頑張るね」


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