寿司を食べる
「ただいまー」
「あら、おかえり。光ちゃん」
母さんは既に帰ってきていた。
「今日はどこに行ってたの?」
「友達と遊んでたんだ」
僕は僕で疲れていたらしい。母さんが夕飯を知らせに来たときは、うとうととしていた。夕飯を食べてすぐに眠ってしまった。
それからも、たびたび北海道を訪れていた。見里は大体家にいた。僕が来るととても嬉しそうにしていた。
「今日はどこ行くの?」
「寿司を食べに行きたいと思ってさ」
「お寿司?光君、食べ物好きだよねえ」
「美味しい店知ってるか?」
「うーん。分かんないや」
「じゃあ、ちょっと調べみるか」
この間母さんに無理を言って持たせてもらった、スマホで調べる。
「凄い。光君、スマホ持ってるんだね」
「うん。場所分かったし、行こうか」
寿司屋にやってきた僕らは店員に少し不思議な顔をされたものの、特に問題なくテーブル席に案内された。
「見里は嫌いなネタとかある?」
「ネタ?見里お寿司好きだよ」
「そうか。じゃ、コースで頼もうか」
本場の寿司はとても美味い。単純に素材が新鮮なのだろう。見里も美味しそうに食べていた。
「私、こんなに美味しいお寿司食べたの初めて」
「そうか。良かった」
帰り道を歩きながら、見里が不思議そうに聞いてきた。
「ねえ、何で光君は、そんなにお金持ちなの?お父さんとお母さんは何してるの?」
「父さんはいないんだ。母さんは、普通のパートをしてるよ」
「じゃあ、光君は誰からお金もらってるの?」
「宝くじっていう、当たるとお金が貰えるものがあるんだ。それを当てたんだよ」
「へえ。凄いね。見里でも宝くじ当てれる?」
「いや。ちょっと難しいかも」
「そっかー。でも、いつもありがとうね、光君。私に美味しいもの食べさせてくれて」
「まあ、気にするなよ。僕ら友達じゃないか」
「そうだねえ。ともだち」
見里はえへへと嬉しそうに笑っていた。その後は、たまには子供らしく遊ぼうと思い、近くの公園で子供らしい遊びをした。前世の僕は女の子と遊んだ事などなかったので、どんな遊びをするのかと思ったが、見里も女の子らしい遊びをほぼ知らなかったので、無難に鬼ごっごとかケイドロをして過ごした。
それにしても、北海道は広いからいい。魔法を使って色んな所へ行ける。見里も一緒だと魔法は使えないけど、たまには来て一緒に遊んでやるか。
家では保有魔力を向上するべく頻繁に魔法を使う訓練をしたり、瞑想したり、図書館で本を読んだり、たまに北海道で見里と美味しいもの食べに行ったり、そんなこんなで毎日を過ごしていた。