003
「ツキシダさん! モンスターです!」
そう言われても……
ペンギンは涙目でツキシダを、ペンペンと、そして、ペシペシと叩く。
かわいい
そんな感情に陥っていると……
「その、モンスターは『ペン将軍』。危険です!」
そ、そうかな……
だが、モンスターなら仕方ない。
ツキシダはペン将軍の頭を「ペチッ」と、叩いた。
気の抜ける音だな……
するとペン将軍は、ツキシダを涙目で見つめてきたかと思うと……
ちゅどーん
と、爆発した。
……後味悪っ‼️
て言うか、モンスター爆発すんの!?
え、じゃあどうやって報酬を貰えばいいの?
「? !!? ? !?」
「落ち着いてください」
混乱しているツキシダの肩を ポン とシェーナさんに叩かれる。
だが、そう簡単には混乱という渦からは抜け出せない。
「あの……今の……」
「あのモンスターは冒険者に駆け寄って来ては、自爆する……というモンスターです。まだうじゃうじゃ居ますよ」
「えー」
シェーナさんに説明されて、尚更嫌な気分になった。
あの、ペンギンを、倒すのか……
「あー、いえ、今日はたまたまペン将軍の出現確率が、高かっただけですから……その、あのー、…………」
「無理して慰めて貰わなくてもいいです」
シェーナさんは必死に慰める言葉を探している。
いい人だ……
そして、冷静になる。
なるほど、爆発するから皆、ジャージ姿だったのか……
……ん?
待てよ……?
今、ツキシダの足にしがみついて爆発したよな……?
そして、ツキシダは、ジャージではなく……
ツキシダは自分の体を見る。
素っ裸のその、裸体を
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
誰の悲鳴だったのか、それは言わなくても分かるだろう……
そして、この日は『怪物の口』から、男の悲鳴が聞こえた……という噂が町中に、広がることになってしまった。
ごめんなさい!
続く