002
ビルの中には5つの洞窟。
そして、階段があった。
「何ですか? これは?」
「これは、ダンジョンです。」
うん。さっきも聞いた。
「そうじゃなくて、どういう場所何ですか?」
再び質問しようとした時、シェーナさんの口元に指が当てられる。
しーっ
おかげで変な言葉を出してしまった。
何ですか(質問)?
うん、変な言葉だ。いや、分かりづらいな……
「どうしました?」
小声で訪ねるとシェーナさんは、
「他の冒険者の方が、やって来ます」
「?」
だから、何なんだろう?
すると、シェーナさんは、一番近くの洞窟に押し込んだ。
シェーナさんは、冒険者の中でも凄腕らしいので(見た感じ、後、雰囲気)ナンパでも、されるのだろうか。
それとも、パーティーの加入要請?
とにかく、押し込まれた洞窟……『化け物の口』に入る。
……ちなみに、何故、洞窟の名前が分かるかと言うと、洞窟の壁に、『化け物の口』→ と書かれた看板がライトに照らされながら立て掛けられているからだった。
観光名所か、ここは……
「ど、どうしました?」
と、ツキシダがシェーナさんに訪ねると、
「見つかったら、手柄を、横取りされてしまうんですよ……」
と、小声で答えてくれた。
「まあ、私が居れば大丈夫でしょうが、面倒事は避けたいですし……」との事だ。
ゴブリンやモンスターと戦う事に密かに憧れていたツキシダである。
ところで、モンスター達は?
そう聞こうとした矢先に、前から小さな影が、突撃してきた。
(まさか! ゴブリン!?)
そう思って、シェーナさんから、あらかじめ渡されていた、木刀を構えると……
コスプレしたペンギン(子ども)が、ツキシダに向かって突撃してきた。
そして、持っていた刀……の形をした発泡スチロールでペンペンとツキシダに叩きつける。
痛くも痒くもない。
強いて言うなら、くすぐったい。
「ツキシダさん! モンスターです!」
………………え?
続く