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墓標

作者: 文咲 鉱


病気で亡くなる前、母は言った。


「私が死んだら、墓標は立てないでね」


私はただ感じたままに、

「なんで?」

と母に問いかけた。


母は、

「その時がきたらわかるわよ」

と言って、その数ヵ月後に永遠の旅に出かけてしまった。


私は母の言いつけを守らず墓標を立てた。

土中に埋もれた母の亡骸の上に立てられた墓標。

細長い穴に横たわり、埋められて、少しこんもりとした墓を見た時には感じなかった〈永遠の別れ〉が、そこにはあった。


墓標が立つ前、どこかで私は母がまた起き上がって

「今日はどうだった?」

と声をかけてくれる気がしていた。


しかし母がどれだけ私に声をかけようとして叫んでも、その声は母を覆う土に、私を取り囲むものによって吸い込まれて消える。


墓標は、私に孤独を教えた。


私は母がこの世から去ったという証明を立てたのだ。












「……私が死んだら、墓標を立てるのはしばらく経ってからでいいわよ」


「なんで?」


「……あなたともっと話がしたいから」


ふと思いついて、あまり考えずに書いたので矛盾点などおかしなところがあれば指摘してください。

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