厨二病ユウイェルの日常
ユウイェルの日常
俺はユウイェル。15歳。
ごく普通の中学3年生だ。
平和で平凡な日常を淡々とすごしている────────
「ふう。やっと学校終わったー」
帰宅部のユウイェルは今日も放課後、そそくさとゲオに向かった。
そう、その日は何の変哲もない、7月上旬、
初夏のよく晴れた日だった。
「お。ビニコンでぎりおにでも買うかw」
夕方だというのに、まだ暑い。
うぃぃぃぃん
自動ドアをくぐると、そこは意外にも涼しかった。
店内に客は自分を除くとたった1人しかいないようだ。
店員『いらっしゃいませ』
「……」
これは自論だが、男は黙っていた方が、格好がいいと思うのだ。
店員『おにぎり一つで114円です』
「ほらよ」
今日はいつもの数倍格好をつけて店員にお金を支払った。
ん?
店員の顔が少し曇った気がした。
店員『ありがとうございましたーまたお越しくださいませー(2度と来んじゃねぇぞ糞ガキ)』
腹が空いていたので、コンビニでツナマヨおにぎりを買った。
その時────────!!
???「あれー。ユウヤくんじゃないですかぁw」
身長は170ぐらいだろうか。夕日の逆光で姿がよく見えない。
ん?!
ユウイェル(あれは確かタロウ!)
タロウ「無視しないでくださいよぉwユウヤくん」
ユウイェル「その名は捨てた!今はユウイェルだ!」
タロウ「その右手に持ってる紙きれ、なんですか?」
ユウイェル「ゴミ、だ…(コイツ…レシートに何のようだ…?)」
タロウ「それにしてもツナマヨのいい匂いがしますねェ…」
ユウイェル「なッ?!(ツナマヨの袋…まだ開けてないんだぞ…?なんて嗅覚だ…)」
タロウ「我々が通う中学では確か…下校時のコンビニ、他飲食店の立ち入りは禁じられていた筈ですよ?」
ユウイェル「だから何だ…?」
キーンコーンカーンコーン
その時、全く空気を読んでいないかのようなチャイムが街全体に響き渡った。
恐らく5時を告げるチャイムだろう…
タロウ「さて。君に選択肢を与えましょう。」
ユウイェル「は?」
タロウ「簡単です。おにぎりをくれれば見逃しましょう。そうでなければ私がチクる…選択肢はズバリ、2つですねw」
ユウイェル「…」
タロウ「さぁ。どうしました?ふたつに一つでしょう??さぁはやくおにぎりを出しなさい。」
ユウイェル「いや、選択肢は3つある…」
タロウ「ファーーーーwww厨二病もいいところですよw」
ユウイェル「おにぎりを食べ、お前をぶっ倒して喋れないようにする。」
タロウ「いいね。相手してやるよw」
ユウイェル「あ………………?(怒)」
俺の中の何かが「プツン」と切れた。
ザッ................
『え?そんな怖い顔してどうしたの....?』
と奴は聞いてくる。
ザッ.........................
だが今の俺にそんな声は聞こえてこなかった。
そして
ジャリッ!
ダンッ!
俺は勢いよく地を蹴る。
『あれ?』
俺は完全に戦闘体勢に切り替わった。
ズドオォォン!
『ヘヴンッ!』
タロウはもろに怒りの鉄拳を喰らい、
地面に刺さるように打ち込まれた。
────辺りに覇気と煙が飛び交う。
そんなことも、ものともせず俺は続ける。
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ!
俺の激しい鉄拳はアスファルトに埋まったタロウを更に奥へと押し込んでゆく。
『イダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!』
タロウは続けて
『僕の負けです許してください!』
と言おうとしたのだが..............、
「うらぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!
そんな言葉も続けさせない攻撃が連続する。
「ドオッセーイッ!」
と更にタロウの横顔に鋭いキックが入れられる。
更に更に................
「ホアァァーッチャーッ!」
踵落とし..................
「アッッチョーッ!」
ローリングソバット等..............
その戦闘は余りにも一方的にも関わらず、
二時間以上にも及んだという............。
そして遂に戦いは終わり................、
タロウはズタボロになっていた。
『......................。』
タロウだった肉の塊はピクリとも動かない。
どうしたのかな?
生きてるのかな?
死んでるのかな?
......................、
返事は無い。只の屍の様だ。
「さっ、もう7時…先に急ぐか!」
完