平面に佇むアルミ缶の話
深夜に思ったことをそのまま書きました
平面に佇むアルミ缶の話
*話の前に、
それはもう、本来はまぶたが重くなるはずの遅い時間のこと。
オレンジ色の照明に照らされるリビングルーム、その中にズンとして佇む真っ白いテーブルが光を反射した。
よく見るとそこにひっそりと輝くのは白銀の栄養ドリンク。名を’らい人’というらしい。
彼の中身はもうなく、それは深淵の黒を体から覗かせていた。
しかし彼の身体はとても繊細な様子で、それは僕の言葉を溢れ出させ、こうして僕にキーボードを叩くように急かしたのだ。
だから僕は彼のその美しい体について、僕なりの言葉で述べたいと思うのだ。
それは’’アルミ缶’だとか、’栄養ドリンクの缶’だとか、そういう一般的な言葉ではなく、もっと彼に深い尊敬を込めたものである。
*始まりの母
彼の足はとても太く、一本足で立っているのに僕にはしっかりと安定した印象を与えた。しかしその実は、形状に込められた思いはとても繊細で、そのバランス感覚が素晴らしかった。
*赤子
そこから始まり、彼の足はそこから深く内側にきゅうっと円を描いた後で、一度その力を溜め、すぐに猛烈な勢いで天井に向かってその線を走らせる。
*子供
そして、それなりの距離を走った後で、その勢いそのままに見事なカーブを描いた彼は、踊りくねり、その後に一間をおいて一斉に顔を出すのだ。
顔は元気、快活、勇気、それらポジティブで言い尽くせないほどの魅力的な笑顔を持って、オレンジ色の光に浮かび上がっていた。
*大人になる前
ほどなくして、さぁ、と、彼らの表情はこれを気にして途端に大人びていく。
なだらかな丘りゅうからまっ逆さまの急な坂へ、一目散に飛び出していくのだ。
それは周りからの光に照らされることよりも、その中で如何にして自分らしさを追い求めることを考える、一人前の大人を目指す、しかし青くて懐かしい、青年の顔をしていた。
彼らが辿り着く先は落ち着いた色に光る盆地で、それは舞踏会へと続く楽屋、大人になる前の最後の、青春と呼ぶべきものであった。
*若い大人
そこは