Extra-卒業旅行-
これは2度目の夏休みが終わった後の話。ジュンは久々に会った友人との会話が弾むか中で「卒業旅行」の話を聞く・・・こうしてジュンはある計画を立て始めた。
-登場人物-
・真田純
・坂本連
・井上理子
・百合咲友里
・三浦実成
・菅野考輝
・政角博樹
・畑瀬洵
・山下隆志
・加野舞子
・佐藤大樹
2011年8月18日 木曜日
-山野高校・2年1組-
今日は夏休み明け1日目だ。久々にみんなと会ったりして、掃除中に夏休み中の話で盛り上がった。
実成:へぇ~積丹行ってきたんだ!
ジュン:まったく・・・あんなきれいな海見たの初めてだぜ・・・。
実成:また旅行とか行ってみたいな・・・去年は沖縄行ったけれど。
考輝:卒業旅行とか行ってみたいな!
実成:その話はまだ早いんじゃね!?
博樹:定山渓の方に行ってみたいな。もし卒業旅行行くとしたらだけど。
ジュン:(ほう・・・卒業旅行か・・・。)
3時間後
-アメリカン・ロック部・部室-
ジュン:さて、今日はこのくらいで終わりにすっか!
レン:そうだな。
サトコ:今日も疲れたで~・・・。
ユリ:やっぱり暑いわね・・・。
ユウ:いい汗かきましたよ!
この時、俺の頭に突然「卒業旅行」という言葉が浮かんだ。俺は半分冗談でこんなことを切り出した。
ジュン:なぁ!だいぶ早いけれど、秋休み中に卒業旅行やんね~か!?
レン&ユリ&ユウ:早っ!!!
レン:俺達まだ修学旅行にも行ってないぞ・・・。
サトコ:っていうか、この前合宿に行ったばっかやんか・・・別に来年で・・・
ガシッ!
サトコ:イタイイタイ!ちょっと何するんや!
俺はサトコを部室の片隅まで引きずって行った。
コソコソ
レン:何話してるんだ・・・?
ユリ:何だろうね?
サトコ:うん!なんだか私も行きたくなってきたで!
レン:いきなりどうした!?
ユウ:何を吹き込まれたんですかサトコ先輩!?
サトコ:ちょっとこっちに来てや・・・。
サトコはそのまま俺のいる教室の片隅まで2人を連れてきた。
コソコソ
レン:ア・・・アア、オレモナンダカイキタクナッタナ~・・・。
ユウ:エエ!キグウデスネ!ボクモデスヨ・・・。
ユリ:なんで2人とも棒読みなの!?
ジュン&レン&サトコ&ユウ:(ユリのことも考えなければ・・・。)
ユウ:というか僕もついて行っていいんですか?まだ1年生なんですけど・・・。
ジュン:別に気にすんな!一緒に行こうぜ!
ユリは今年の6月にあと1年しか生きられないだろうという余命宣告を受けてしまっていたのだ。このまま俺達4人が卒業後にユウも含む5人で卒業旅行というわけにはいかないのだ。例え来年に行おうとしてもユリの容体がいつ急変するかわからないので行うことはできないのだ。だから9月後半の秋休みこそが一番いいタイミングなのだ。
その夜
-真田家・リビング-
ジュン:ねえ母さん、卒業旅行の話なんだけれどさぁ・・・。
ジュンの母:あら、ずいぶん早い話ね!でもいいんじゃない・・・私たちも卒業式が終わったあとすぐに函館の方に行ったし。
ジュン:その卒業旅行なんだけれどさ・・・秋休みにやりたいんだ!
ジュンの母:え・・・よく聞こえなかったわ・・・もい一回言って。
ジュン:卒業旅行を秋休みにやりたいんだ。
ジュンの母:はい!?この前合宿行ったばかりじゃない!!!
そして俺はなぜこんな早くに卒業旅行をやらなくてはならない理由を母さんに説明した。
ジュンの母:あぁ・・・なるほどね。それなら仕方がないわね!
ジュン:ありがとう母さん!で・・・どこに行けばいいかな?
ジュンの母:ジュンは温泉が好きなんだから・・・じゃあ登別なんかはどう?
ジュン:おぉ!いいね!
登別と言えば登別温泉がある!温泉マニアの俺には持って来いだ!近くにはクマ牧場だったり、地獄谷があったりと、観光にも困らない。まさに卒業旅行にはうってつけの場所である!
ジュン:明日このことをみんなに相談してみるよ!
2011年8月19日 金曜日
-アメリカン・ロック部・部室-
ジュン:いや~今日のマラソン練習疲れたなぁ~!
レン:そうだな。
サトコ:で、結局卒業旅行はどこに行くんや?
ジュン:おぉ!そうだそうだ!
俺は卒業旅行が登別でいいかを聞いた。
レン:なるほど登別か。
サトコ:登別って小学校の修学旅行に行ったところかいな?
ユリ:なんだか懐かしいね。水族館とか行ったね。
ユウ:地獄谷ですか!僕も話には聞いたことがあるんですが、実際に入ったことがなかったんですよね!
ジュン:じゃあ行き先は登別でいいな?
レン&サトコ&ユリ&ユウ:OK!
その夜
-真田家・リビング-
ジュン:じゃあ登別で決まったんだけれど。旅館はどこがいいかな?
ジュンの母:そうねぇ~・・・あの辺にはいろんな旅館があるけれど、「まほろば」がいいんじゃない?
ジュン:あぁ!あのテレビCMでよくやってるところじゃん!
という訳で宿泊する旅館は「まほろば」に決定した。翌日になって4人にもこのことを知らせた。夜に予約も済ませた。宿泊する日は9月26日~27日の1泊2日だ。
2011年9月20日 火曜日
-山野高校・3年1組-
卒業旅行まであと1週間を切った。今は昼休みだが今日は特別な日だ!なぜかというと新たなる生徒会が決まる生徒会役員選挙があるからだ!授業が終わって午後の2時間はその時間に割り当てられていた。果たして・・・前生徒会長の佐藤大樹に代わって、新しく生徒会長になるのは誰なのだろうか!?
ジュン:誰だ!?今度の生徒会長になるのは!!!
レン:声でかいっつ~の・・・まあ大体見当はつくがな。
ジュン:まあ俺もなんだけれどな!
レン:じゃあさっきのは何だよ・・・。
-山野高校・体育館-
昼休みが終わって全校生徒は体育館に集結した!生徒会役員選挙が始まり、間もなく立候補者の演説が始まろうとしていた・・・!
生徒会:それでは53期生徒会長に立候補した畑瀬洵さんの演説を聞いてください。
生徒会長には俺たちが予想した通り洵が出てきた。彼は高校1年のころから「いや~マジで生徒会長目指すうわぁ~~~。いやマジでぇ~えええ!」てふざけた感じに言っていたが遂にこの日が来たのだ。
洵:こんちには。2年2組の畑瀬洵です。今日は生徒会役員選挙ということで第53期生徒会長に立候補させていただきました。僕は前生徒会長のような風にはいかないことがあるかもしれません。ですが、必ずしもこの山野高校をいい方向に引っ張っていきますので、皆さんの清く、熱い1票をよろしくを願いたします!
パチパチパチパチ!
こうして生徒会長の演説が終わり、副会長に立候補した山下隆志と加野舞子の演説も終わった。全ての演説が終わって全校生徒は一旦自分のクラスに戻った後に投票が行われた。投票は各学年の決められた投票会場の入り口で配られる紙に、生徒会長と副会長の名前の下に○を付けて投票箱に入れるという簡単なものだ。翌日になって結果が発表になったが、もちろん3人ともが無事に当選した。まあ本当によほどのことがない限り落選はしないだろうし、票を入れてくれないこともないからだ。そのまま金曜日の終業式が終わっていよいよ卒業旅行の日がやってきた!
2011年9月26日 月曜日
-登別・まほろば前-
朝早くに家を出て登別温泉にやってきた。なんだかほんの少しだけ硫黄のにおいがする。
ジュン:うお~~~でかい!
レン:少し硫黄のにおいがしてくるな。
サトコ:まさに温泉天国やで!
レン&サトコ&ユリ&ユウ:今日は送ってくれてありがとうございました。
ジュンの母:いえいえ、別に気にしなくていいわよ!じゃあ明日の午後にに迎えに来るからね。じゃあみんなで卒業旅行を楽しんでらっしゃい!
ARJ:はい!
こうして俺たちはまほろば内へと入って行った。チェックインを済ませて各部屋のキーを受け取った。男子3人は649号室で、女子2人は647号室だ。ちなみに部屋は隣どうしだ。館内のMAPを見るとなんと!大浴場が2か所あるそうだ!大浴場はB1とB2階にあるらしい!これは今日の夜と明日の朝風呂が楽しみで仕方がない!!!自分の部屋に荷物を置いた後、ARJはまほろば前へと集合していた!
ジュン:と い う わ け で だ な!
レン:どういうわけだ・・・?
ジュン:これから皆さんお待ちかねのクマ牧場へ向かってきたいと思います!
サトコ:待ってました~!
ユリ:ロープウェイに乗ってくのよね!
ジュン:そうだ!今から前方に見える標高550メートルの「クマ山」(四方嶺)を登っていくからな!
ユウ:先輩詳しいですね!
ジュン:あぁ!今日のためにいろいろと調べてきたからな!
こうして俺たちはまほろば前からロープウェイ乗り場へと向かっていった。途中にお土産屋やコンビニなんかもあった。まあそこによるのはクマ牧場に帰ってきた後のお楽しみだ!
-登別・温泉駅-
ジュン:おお!入口に売店があるのか!
レン:帰りに何か買ってくか?
サトコ:いいで!
ユリ:下にもお土産屋さん沢山あるから寄って行こうね!
ジュン:おう!俺もそのつもりだったぜ!
俺たちはクマ牧場の入園券を購入し、パンフレットをもらった。ちなみにこの券にはロープウェイの料金も含まれている!ロープウェイは6人乗りなのでちょうど全員が乗ることができた!
-登別・ロープウェイ-
ロープウェイに乗ってから2分くらいが経った。すでに温泉街が一望出来て、海も少し見える高さまで来ていた。
ジュン:おお!だんだん高くなっていくな!
ユリ:うわあ・・・高いね。
ジュン:あぁ・・・ユリって高いところ苦手なんだったけか?
ユリ:でもまだ大丈夫よ!
5分後
ユリ:う・・・わ・・・あ・・・。
ジュン:おいおい大丈夫か!?
レン:しかしロープウェイで頂上まで7分くらいかかる程のすごく高い山なんだな。
サトコ:ユリには悪いけれど・・・上からの景色が楽しみやで!
ユウ:あ!もうすぐで到着みたいですよ!
-登別・クマ山駅-
ジュン:うお、耳がボワ~ン。
レン:気圧の変化がすごいな。
サトコ:早速クマのエサ買ってきたで!
ジュン&レン&ユリ&ユウ:早い!!!
ジュン:お前・・・ちょっと姿がなくなったと思ったら!
サトコ:ちゃんと全員分買ってきたで!
こうして俺たちは登別クマ牧場へと入って行った。
-登別・クマ牧場-
ジュン:ここがオスのクマがいる第1牧場か。
レン:よっ。
レンがエサを投げた。するとすかさず近くにいたクマがエサを食べた。エサを投げられたことに気が付いて立ち上がったり、手を上げたりしてアピールを始めた!
そのころメスのクマがいる第2牧場では・・・。
ユリ:うわ!クマさんいっぱいいるね!
サトコ:おっ!1匹だけ白っぽいのがいるで!
ユウ:あれ・・・レアですよ絶対!
10分後
サトコたちが俺とレンがいる第1牧場にやってきた。
ジュン:おお、見終わったのか!
サトコ:いや~、ごっつ可愛かったで!
ジュン:じゃあ次はいよいよここの名物の「人のオリ」に行くぞ!
サトコ:なんやそれ?
レン:下の方に窓の付いたところが見えるだろ。あそこみたいだぞ。
ジュン:「人のオリ」はだな!逆に人がオリに入っていてクマに見られているような感覚が味わえる場所だ!
ユリ:えっ、面白そうね!
ユウ:じゃあ早速行きましょう!
ユウが先に歩き始めた!なんだかすごく楽しそうだ!
ジュン:おいおい待て待て。
-登別・クマ牧場・人のオリ-
ジュン:熊近けぇ!!!
レン:大迫力だな。ん?なんだこの装置?
サトコ:エサを発射する装置やで!たぶん。
ユリ:あっ、本当ね!エサを入れるところがあるわ。
ユウ:じゃあ早速・・・。
シュボン!
ユウが入れたエサがクマに向かって発射された。クマはすかさずエサを食べ始めた。
ユウ:楽しいですねこれ!
ジュン:おっしゃ!じゃあ俺もやるぜ!
シュボン!
こうして俺たちはすべてのエサをやり終えた。
-登別・クッタラ湖展望台-
ここは熊山駅のすぐ隣にある展望台だ。ここからは森の中にある「クッタラ湖」が見渡せる。
ジュン:さて、次はどこに行く?
レン:おい、この下にメダル販売機があるっぽ・・・
ジュン:よし!行こう!
レン&サトコ&ユリ&ユウ:早っ!
下の階にあるクマの博物館内でクマの描かれたメダルを購入して。外に出てきた。
レン:あっちの方にリスがいるらしいな。
ジュン:おお!じゃあ見に行くか!
サトコ:なんかアイヌのもあるみたいやで!
ユリ:「ユーカラの里」っていうみたいね。
ユウ:そこも見ていきましょうよ!
ジュン:了解だ!
俺たちはその後「ユーカラの里」とリスを見に行った。リスの隣にはタヌキも展示されていたが・・・どっちも寝ていた!
-登別・お土産や-
俺たちはロープウェイで下まで降りてきた後、入口にあった売店で家族への土産を買って温泉街へと降りてきて、少し歩いたところにあったお土産やに来ていた。
ジュン:おお、たくさん物があるな。
レン:入浴剤とか。
サトコ:キーホルダーとか。
ユリ:あっ、この「ゴロ寝枕」可愛い!
ユウ:やっぱり鬼のお土産が多いですね。
10分後
ジュン:おいサトコ面白いもん見つけたぞ。
サトコ:なんや?
俺が見つけた物は炭で作られた木彫りのクマの「エコ熊」と呼ばれるもので、クマが逆に鮭に噛まれている。クマがすごく困った表情が何とも面白いものだ。ちなみに作品名は「食われ熊」だ。
サトコ:えらいシュールやな・・・。
ジュン:俺これ買うから!
サトコ:買うんかい!
こうして俺たちはそれぞれの買物を終えて自分に部屋へと帰ってきていた。
-登別・まほろば・649号室-
ジュン:いやぁ~楽しかったな!
レン:それよりもこの後夕食だぞ。
ユウ:バイキングですよね!楽しみです。
ジュン:あぁ・・・。
レン:どうした?
ジュン:風呂楽しみぃーーー!!!
レン:はいはい・・・。
30分ほどしてから2階にあるレストランに俺達は夕食を食べに行った。
30分後
-登別・まほろば・廊下-
ジュン:いや~美味かったな!!!
レン:カニが食べ放題だったのは驚いたな・・・。
サトコ:ほかの料理もおいしかったで!
ユリ:デザートもおいしかったね!
ユウ:本当はもっと食べていたかったですね。まあお腹がいっぱいになってもう食べれないんですけれど。
夕食のバイキングはまさに天国のような感じだった!様々なジャンルの料理がたくさんあって、どれもこれも大変美味で、中でもタラバ、ズワイ、毛ガニの食べ放題なんかはとても驚いた!なんて贅沢なんだろう・・・。
-登別・まほろば・649号室-
ジュン:さてと!この後はいよいよ待ちに待った風呂だな!
レン:本場の温泉だからな・・・どんな風呂があるのだろうな。
ユウ:やっぱり硫黄温泉は期待しますね。登別ですし。
ジュン:こんな大きなところの風呂だったらウォータースライダーあったりしてな!
レン:おいおい風呂だぞ・・・プールじゃあるまいし・・・。
30分ほど部屋で休憩した後、俺たち5人は大浴場へと向かった。今日は男湯はB1階で、女子はB2階らしい。明日の朝風呂はB2階への風呂へ行けるらしい。それぞれの風呂にはどんな違いがあるのかが楽しみであるが、話によればそこまで違いがないらしい!
-登別・まほろば・大浴場B1-
ジュン:おぉ・・・お見事です・・・殿・・・。
レン:なんだそのキャラ・・・。
ユウ:それにしても広いですね。浴槽の数もたくさんありますね。
ジュン:これじゃあまるで風呂のバーゲンセールだな・・・。
レン:おい、なんかで聞いたことがあるぞ、その言葉・・・。
俺達はまず体を洗ってきた。
ジュン:まずは温度の低めの風呂から入っていこう!
ユウ:じゃあ、名前からして「低温風呂」からですね。
ザパーン
最初に入った「低温風呂」は名前の通り温度の低めな風呂であった。ここからだんだん高温な風呂へと移っていくのが俺的な風呂の楽しみ方。どうやら風呂の水は普通の水らしい。
3分後
ジャン:次は隣だな!
レン:「酸性鉄泉」か。要するにミョウバンだな。
ユウ:ミョウバンって聞くと、どこか懐かしい気持ちになりますね。
ジュン:小学校と中学校で出てきたもんな!
次に入った「酸性鉄泉」は通称「美肌の湯」とも呼ばれているらしい。「まほろば」の風呂は女性に優しいものが多いので、下の階の2人は多分テンションが上がっているに違いない!
3分後
ジュン:じゃあ次は隣!
レン:また隣か・・・。
次に入った風呂は「食塩泉」だ。ここは保温効果が高いらしい。地味に冷え性の俺にはうれしい風呂だ!
3分後
ジュン:じゃあ次は、いよいよ中ボス的な「高温風呂」だ!
ユウ:中ボスってそんな大げさな・・・。
レン:これはなかなかの強敵になりそうだな・・・。
ユウ:(レン先輩が珍しくボケに回ったーーー!!!)
ザパーン
ジュン:おお。熱い熱い。
レン:ぐはっ・・・。
室内の風呂もいよいよ中盤に差し掛かった。この「高温風呂」は最初に入った「低温風呂」の温度を高くした風呂だ。温度以外は「低温風呂」と全く同じ風呂だ。
3分後
ジュン:よし、いよいよ後半戦スタートだな。
レン:ふぅ~。
ユウ:レン先輩大丈夫ですか・・・。
ジュン:じゃあ次は「サウナ」だ!
レン:えっ!ちょ・・・。
俺はそのままレンを「サウナ」まで引っ張って行った。
5分後
ジュン:ふぅ~熱かった熱かった!
レン:ぁぁ・・・。(なんでサウナだけ5分なんだよ・・・。)
ユウ:大丈夫ですか先輩!?フラフラじゃないですか!!!
ジュン:まあ、安心しろ!次は「水風呂」だから。
ユウ:散々上げておいて下げるんですか!
ジュン:そうだ!上げて下げる作戦だ!
ザパーン
ジュン:ギャア!さみぃ!
レン:ふぅ~回復した~。
ユウ:早いぃ!!!
1分後
ジュン:さて次だ!
レン:おいおい・・・まだ入ったばかりだろ。
ユウ:よく平気ですよね先輩・・・。
レン:何言ってるんだ。ちょうどいいじゃん。
ジュン:(お前は病院行ってこい!)
次に入った風呂は「泡風呂」だ。ここは比較的温度が低いので、水風呂の次には丁度いい風呂だ。どうやらここの水も低温風呂や高温風呂と同じく普通の水が使われている。
3分後
ジュン:さてだな・・・次はいよいよこの登別のメインに当たる風呂だぞ!
レン:硫黄の風呂か。
ジュン:そうだ!「硫黄泉」だ!なんたって登別と言えば硫黄だ!
ユウ:僕も楽しみにしてましたよ!
ザパーン
「硫黄泉」は乳白色の濁り湯だが、硫黄のニオイはそこまでしない。どうやら「美人の湯」としてよく知られているらしい。下の2人は風呂に入りまくっているに違いない!
3分後
ジュン:さてさて、次は長い湯めぐりの疲れを癒す「寝湯」だ!
レン:いや、風呂入って疲れね~だろ。
ジュン:まあまあ細かいことは気にするな!
いよいよ室内の風呂めぐりは「寝湯」を入れて2つになった。「寝湯」は名前の通り寝る時の体制で風呂にはいれる風呂だ。大きな温泉にはよくある温泉だ。
3分後
ジュン:よし!次はいよいよ室内にある風呂では最後の風呂だ!
レン:おっ、「檜風呂」か。これは豪華だな。
檜風呂の上には瓦が付いた屋的なものがあり、とても豪華な印象を受ける!
ユウ:僕・・・檜のお風呂に一度入ってみたかったんですよ!
ジュン:そうか!じゃあ存分に楽しむんだ!
ザパーン
ジュン:おっ、なかなか温度が高いな。
レン:うおぉ・・・。
ユウ:大丈夫ですか先輩・・・でもさっきの高温風呂以上に熱いかもしれませんね。
ジュン:次からは露天風呂に行くことになるから。しっかり体を温めておかないとな!
5分後
ジュン:ふぅ~たっぷり入ったな。
レン:無駄に体を温めたな・・・。
ユウ:体がぽかぽかです。
ジュン:じゃあそこの扉を開けて露天風呂に行くぞ!
こうして室内の風呂を完全制覇した俺達3人は何かと広いと噂の露天風呂に来た。確かに噂通り「これ・・・露天風呂!?」って言ってしまうくらい広いものであった。入り口付近は高い位置にあるので、露天風呂伝体が見渡せるのだが・・・俺たち3人は目の前にある看板を読んで驚愕した!
「 ファミリー露天風呂 ウォータースライダーは順番をきちんと守って、安全に滑りましょう。」
ジュン&レン&ユウ:(本当にウォータースライダーあったーーーーー!!!!!)
ジュン:ほっ・・・ほらよ!俺の言った通りウォータースライダーあっただろ!いや~さすがだわ俺!なんか知らないけれどさすがだわ~・・・!
レン:声震えてるぞ。
ユウ:やっぱり大きい風呂は格が違いますね・・・。
そして俺たちの露天風呂めぐりが始まった。まず最初はウォータースライダーのある「ファミリー露天風呂」だ。温度が低めの風呂なのでここから入ることにした。さすがにウォータースライダーは滑らなかった。
6分後
次に入った風呂は先ほど室内で入った「硫黄泉」だ。どうやら露天風呂には硫黄関係の風呂が3つもある!これは登別をたっぷりと堪能することができる!俺たちは1つ目の「硫黄泉」に入って次の風呂に向かおうとしていた。
ジュン:さて、次は修行だ!
レン:あぁ、「打たれ湯」か。
ユウ:「山の温泉」にもありましたね。
ジュン:ここのはすごいぞ!
俺の目の前には、おびただしいほどの打たれ湯があった。なんだかすごい光景だ!
レン:すごいな・・・なんか出る水の量がそれぞれ違うみたいだな。
ジュン:じゃあ俺一番水量多いところ行く!・・・イテテテテ!!!
ユウ:大丈夫ですか!?
レン:ほっとけ。
6分後
「打たれ湯」に入った後、俺たちは露天風呂にもう一つある「硫黄泉」に入った。
ジュン:次は今日の湯めぐりの締めをくくる最後の風呂だ!
レン:奥側にある風呂か。
ジュン:そうだ!やっぱり登別の最後は硫黄風呂じゃないとな!
ユウ:でも、もう3回「硫黄泉」に入ってきましたよね。
ジュン:最後はただの「硫黄泉」じゃないぞ!「単純硫黄泉」だ!
ザパーン
レン:単純?何が単純なんだ?
ジュン:知らん!
ユウ:看板見てきましたけれど、鉄成分が多めらしいですね。
ジュン&レン&ユウ:(何が単純なんだろう・・・。)
こうしてすべての温泉に入り終わった俺たちは自分たちの部屋に戻り就寝した。後で女子2人にも話を聞いたが相当テンションが上がってたらしい。そしてあっち側もウォータースライダーで驚いたらしい。
2011年9月27日 火曜日
-登別・まほろば・入口-
卒業旅行もいよいよ帰宅する日になった。俺たちは朝風呂に行ってきた後、各自自分の部屋に戻ってきていた。B2階の大浴場は、風呂の種類は同じであったが、露天風呂がB1階以上の壮大さであった!ついでにウォータースライダーも長かった。風呂から上がって朝飯を食ってきた後、俺たちはとある場所に行くために入口へと来ていた。
ジュン:よし!全員集まったな!
サトコ:いや~楽しみにしてたで!「地獄谷」!
ユリ:昔は「地獄谷」に行ったら本当に地獄に行っちゃうのかと思ってたわ。
ユウ:ユリ先輩、奇遇ですね!僕もでしたよ!
ジュン:てっきり閻魔大王に会えるのかと思ってたぜ!
レン:地獄ってつくくらいだからな・・・じゃあそろそろ行くか。
-登別・温泉街-
まほろばを出て地獄谷に向かう間にも見るところはたくさんあった。まほろばから少し歩いたところに湯気がもくもく上がっているところがあった。ここら辺から一気に硫黄のにおいが強くなった。
ドコドコドコドコドコ!
ジュン:おっ!?なんだ煙突っぽいところから湯気がもくもくと出てるぞ!
レン:さっきから太鼓をたたいてるような音がするが、何の音だ?
ジュン:誰か太鼓の達人してんじゃね?ダイナミック☆太鼓の達人。
サトコ:ダイナミックにもほどがあるやろ!
ユリ:あそこから音が聞こえてくるみたいね。
俺たちは階段を下りて、その音のする場所に向かった。
-登別・泉源公園-
ドコドコドコドコドコ!!!
ジュン:誰だよ!この下で太鼓の達人やってるやつ!!!
レン:はいはい・・・看板があるな。
♨泉源公園
泉源公園の間欠泉
この間欠泉は約3時間毎に轟音とともに噴出します。
活動時間は約50分、噴出する高さは約8m、温度は約80度、噴出する湯量は約2000ℓです。
サトコ:はっひゃ~・・・2000ℓってすごい量やな。
ユリ:まさに地球の神秘ね!
10分後
-登別・温泉街-
ジュン:でっ・・・でたーーー!!!
レン:鬼か。
そこには立派で大きな鬼のモニュメントがあった。
サトコ:これは写メ撮らんと!
カシャ
-登別・地獄谷-
そこから坂をしばらく上ると「地獄谷」が見えてきた。駐車場の先にある入口から地獄谷に入っていった。まずは入ってすぐのところにあった階段を下りて行った。するとそこにはあるものがあった。
ジュン:ん、塩?
レン:まあ、そういう場所だからな「地獄谷」は・・・。
サトコ:どういうことや?
レン:まあ、あっちの方に行ったらわかると思う。
ユウ:?
ユリ:・・・・・。
この時、私はここがどういう場所なのかが、なんとなく分かってしまったような気がした・・・。
ニャ~ン
ユリ:あれ?猫!カワイイ・・・。
ジュン:おっ、こんなところにも猫っているんだな。
レン:たぶん捨てられた猫なんだろうな。
ジュン:まあそうなるよなぁ~・・・可哀想にな。
サトコ:でも、ここら辺は冬は暖かそうだからウチらの町の野良猫よりはよさそうやで!
ユウ:そうですけれどねぇ~・・・でもやっぱり家にいた方がいいですよね。
ジュン:よし!俺の家で飼ってやる!
レン&サトコ&ユリ&ユウ:えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!
ビューン!
ジュン:あっ・・・お前らが大声出しちまったから逃げちまったじゃね~か!
でも、これでよかったんだ・・・だって母は軽く猫アレルギーなのだったのだから!俺たちは今降りてきた階段を上って再び奥に向かって歩き始めた。所々モクモクと湯気のような噴煙が上がっている。そして「地獄谷」の中心部に近づける遊歩道が作られていたので、そこを歩いて行った。
ポコポコポコ
ジュン:どうやらここからお湯が沸きあがってくるらしいな!
レン:すでに少しだけ湧き上がってきてるな。
ボコボコボコ!
サトコ:おっ!きたで!
ユリ:わあ!すごい勢いね!
ユウ:先ほどの「泉源温泉」といい・・・本当に地球ってすごいですね!
しばらくして俺たちは来た道を帰ってきていた。レンとサトコとユウはなんだか早足で歩いている
。
ユリ:!
ジュン:ユリも気が付いたか?
ユリ:うん・・・。
ユリの視線の先には墓石があった。それも複数・・・。
ジュン:さっきレンから聞いたんだ。ここの「地獄谷」で昔、自殺した人がいたってな・・・。
ユリ:そうだったんだ・・・。
ジュン:まさか・・・ここがそんな場所だったなんて詳しく知らなくてな・・・なんかゴメン。
ユリ:ううん、全然気にしなくていいよ!
ジュン:でもな・・・1つ約束してくれ・・・これからどんな辛いことがあっても・・・ユリ一人で行かないでくれよ・・・。
ユリ:私はあの時みんなと約束したよ。この残り1年を一生懸命生きて、今までの人生の中で1番内容の濃い1年にするって。だから大丈夫よ!
ジュン:それでも何か辛いことがあったら・・・俺に相談しろよ・・・その時は俺が全力でお前を守るからよ・・・。
ユリ:今何か言った?
ジュン:何でもない・・・。
スタスタスタ
ユリ:(フフッ・・・ありがとうねジュン。)
こうして「まほろば」まで戻ってきた俺たちはそのまま部屋で休憩をして午後になり、母が迎えに来た。なんだかいろいろなことがあった卒業旅行であったが、みんなは楽しんでくれたと思う。卒業旅行と言っても俺達はまだ修学旅行にさえ行っていないし、来月には2度目のマラソン大会だって待っているのだ。だから俺たちの高校生活・・・そしてARJとしての活動はまだまだ続いていく!
The end of a graduation journey
番外編!最後まで読んでいただき誠にありがとうございます!今回の話を見てわかる通り、番外編は全25話あった本編では描かれなかった部分などが描かれていきます。要するに読んでも読まなくてもいい完全なおまけみたいなものです。(笑)
ちなみに今回の話で行った登別は事前にロケ?に行っています。なので変にリアルに描かれている場所があったりします!ですが、ロケに行ったのが2012年の9月下旬なので、本来とは異なる部分も出てくるかと思いますがご了承ください。