プロローグ「得意」
初めての創作から、ほんとに成長したなと思う。まだまだだけど。
今日はお父さんが一緒に遊んでくれる日。
いつもはお仕事で忙しいお父さんが
らむのためにお休みしてくれたんだって。
それで今日はお祭りに連れて行ってくれたんだ。
いろんなお店がいっぱいあって、
空は真っ黒なのに、周りは明るくて綺麗。それと人もいっぱい。
お父さんの手を握る。
このままじゃ、らむは迷子になっちゃう。
お父さんの手はらむよりずっと大きくて、握りづらい。
でもらむだけじゃなくて、お父さんも
らむの手を握ってくれる。
だから心配要らない。
「お、射的屋さんがあるぞー来夢」
「射的屋さん!」
お父さんは射的がすっごい上手。
世界一って笑ってたっけ。
「よーし。見とけよ?」
お父さんはおじさんにお金を渡して、銃を受け取る。
らむは銃を構えるお父さんが
かっこよくて、大好きだった。
ぱんっ
一番上のお菓子の箱が勢いよくはじけ飛ぶ。
「お」
「あたった!すごい!」
「だーろー?」
やっぱりお父さんはかっこいい。
「らむにもできるかな!!?」
「やってみるか?」
「わ……!」
らむが持つとすごく大きく見える。
お父さんは全然平気そうに持ってたのに
めちゃめちゃ重い。
腕がちぎれちゃいそう。
「大丈夫か?ほら」
あの大きな手が、らむの手を支えてくれる。
お父さんが一緒なら大丈夫。
だって、お父さんは世界一だもん
らむも、お父さんみたいに
「残りの俺の分、娘が撃っちゃっていいですかね」
「おう別にいいぞ。嬢ちゃん狙って狙って〜」
「んんん……」
あんなふうに、かっこよく。
「えいっ!」
らむの銃からお父さんのときと同じ音がした。
でもらむの体が揺れちゃったのは
同じじゃない。
これが はんどう ?
銃ってこんなに強いんだ。
お父さんはやっぱり、世界一。
……カタ
「あれ?」
「おー!嬢ちゃんやったな!」
「ら、来夢!!」
真ん中のお菓子の箱が倒れてた。
「わーーーー!!」
射的が大好きになったのは、あの時がきっかけだっけ。
たかいたかいされたり、無数にハイタッチしたり。
盛大に喜ばれたなぁ。
射的のおじさんも、一緒に喜んでくれてた。
あのおじさん、面白いし、優しいんだよね。
残りの弾も、お父さんと一緒に撃って
全弾当たった。
そしておじさんが、
景品 おまけでもう一つ選んでいいよって言ってくれた。
何選んだっけなぁ……
あ、あれか。おもちゃの銃と、
あと、なんだっけ。
当時の自分が、
本命 銃すぎてあんま憶えてないや。
家でもさ
ペットボトル立てて、あの貰ったおもちゃで射的してさ
本当、大好きだったよね
しかもどんどん上達してったっていう
そりゃあんだけやってりゃね。
最近は、もうやってないよ
友達と夏祭りとか行くった時に
射的やるぐらいかな。
まぁ、今でも楽しいよ。
10歳の誕生日には
ずっと行きたい行きたい言ってた
サバゲーに連れてってくれたよね。
お父さんめちゃくちゃ本気出してさ。
あれは大人気なかったなぁ
でも、かっこよかった。
私がどんなところにいようと
どんなところから顔を出そうと
一発でぱーんって
すごかったなぁ。
ちっちゃい頃マジでお父さんっ子だからさ
フィルターかかりまくりで。
お父さん一人で育ててくれたっていうのもあるかもね
ねぇ、お母さんってどんな人だった?
優しかった?
お母さんの話、全然しなかったよね。
物心つき始めた頃にも、お母さんの記憶がない。
幼稚園行ってから気づいたもん。
普通はお父さんと、お母さん。
親が二人いるって。
お父さんに問い詰めた時
すごい困ってたなぁ
お母さんは?お母さんは?って
聞くたびに、お父さん泣きそうで。
幼い頭でも、少しだけ理解したんだと思う。
私も泣いちゃって。
……ねぇお父さん。
そろそろ起きてよ。
思い出だけ残して、置いてかないでよ。
私まだ中学だよ?
ご飯は野菜炒めしか作れないし。
一人じゃまだ、何にもできないよ。
困るよ。
ねぇ、
どうして……?
急ぎで書きました。てか旧版のプロローグにもっと寄せるつもりだったのに。なんだか。
あとプロローグ長くなりすぎた?大丈夫?




