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母の日と父の日

作者: 西園良

 俺の名は法月浩介(のりづきこうすけ)。26歳の会社員である。今は会社の帰りにスーパーへ寄って、夕食を食べるつもりである。さて、今日の夕食は何を食べようか。そう考えながら、俺はスーパーの自動ドアを潜る。軽く見渡すと、牛肉が何故か安かった。どうしてだろうと考えていると、肉の近くに紙が貼られていた。そこには、こう書かれていた。

 今日は29日。肉の日。大安売り。

 そういえば、今日は肉の日だったな。よし、まずは牛肉を買って、おかずにしよう。そして、俺はカゴに牛肉を入れた。そして、次は野菜も摂らなくてはな。しかし、キャベツ丸ごとや白菜を買ってはならない。一人暮らしの俺には多すぎるからな。やはり、カット野菜が1番だ。それで俺はカット野菜のキャベツをカゴに入れた。さて、白米はパックのやつが家にあったはずだから、米は買わなくて良いか。

 後はお茶だな。俺は飲み物コーナーへ行き、2リットルのお茶を手に持つ。緑茶である。そして、それをカゴに入れる。さて、後は会計をして、家に帰るだけだ。まてよ、イワシの缶詰めって家にあったっけ。んー、念のため今日買っておこう。俺は缶詰めのコーナーへ歩いた。そして、イワシの缶詰めをカゴに入れる。よし、今度こそ会計して帰ろう。俺はレジに向かった。

 レジで会計した後、俺は袋詰めをする。まずお茶のペットボトルだろ。それからイワシの缶詰めだろ。そして、牛肉だろ。最後にカット野菜だ。うん、袋詰めも終わったし、帰るか。俺はスーパーを出た。

 家に帰ったら、さっそく冷蔵庫にいれる。牛肉、お茶、カット野菜。イワシの缶詰めはテーブルに置いておいても良いだろう。さて、先に風呂に入ろうか。俺は服を脱いで、風呂に入った。

 風呂から上がり、俺は夕食を食べて、寝ることにするのだった。



 ある日の平日。俺は同僚Aと喋っていた。

「法月、お前母の日どうする」

 同僚Aの言葉に、そういえばもう少しで母の日になるんだよな。忘れていた。

「無難に感謝のプレゼントを送るが」

 俺は答える。忘れていたとはいえ、感謝のプレゼントを送るのは嘘じゃない。

「マジかー」

「お前は送らないのか」

 乗り気ではない同僚Aの言葉に俺は尋ねる。

「送る予定はないな」

「そうか」

 同僚Aの送らないという返答に俺は素っ気なく言った。


 俺は花屋に来ていた。もちろん母の日のプレゼントを買いに来たのだ。俺は花屋の店員に母の日にプレゼントをする旨を伝える。すると、店員はニッコリと笑った。

「では、カーネーションの花束はいかがでしょうか」

 店員の言葉に俺は少し考える。確か母の日のプレゼントとして、一般的だったような気がする。ならば、それで申し分ないだろう。

「じゃあ、カーネーションの花束で頼みます」

「かしこまりました」

 そうして、俺は会計を終え、花屋を去るのだった。



 5月の第2日曜日。母の日当日。俺はお袋の家の前にいた。予め訪問することは伝えている。俺は玄関のブザーを押した。すぐに、お袋が出てきた。

「浩介、久しぶりね。その花束は何」

 お袋が微笑みながら言う。

「いや、今日は母の日だろ。だから、このカーネーションをあげようと思って」

 俺はカーネーションの花束を彼女に手渡す。

「まあ。親孝行な息子を持って、私は幸せだわ」

 お袋が嬉しそうに受け取る。

「あ、せっかくだから、上がって行きなさいよ」

「そうか。じゃあ、遠慮なく」

 お袋の提案を受けて、俺は実家に入った。


「今お茶出すからね」

 そう言って、お袋は冷蔵庫の中から麦茶を出して、座っている俺の前にコップと麦茶のペットボトルを置いた。麦茶のペットボトルを開けて、コップに注いた。

「ありがとう」

 そう言って、俺は麦茶を飲んだ。この喉こしが爽やかになるのは良いな。

「そういえば、あんた、仕事の方はどうなの」

「ぼちぼちだな」

 お袋の質問に俺は普通に答えた。

 そうして、帰るまで俺はお袋と一緒にいた。



 ある日の平日のことだ。俺は会社で同僚Aと会話をしていた。

「お前父の日に何か送る」

 同僚Aがそう尋ねて来た。そういえば、もうすぐ父の日だな。

「送るけど、お前はどうなんだよ」

「送らねえよ」

「母の日の時も送らないって言ってたよな。まあ、別に構わんが」

 俺はため息を吐いた。


 ある日のスーパーでビールを買いに来た。10本くらいは買っておくか。俺はビールをカゴに入れまくり、会計を済ませた。そして、俺は帰った。



 6月の第3日曜日。父の日当日。俺は実家の前のインターホンを鳴らした。そして、出てきたのはお袋だった。

「あら、浩介、どうしたの」

「親父はいるか」

「いるわよ」

「なら、あがらせて貰うけど、構わないか」

「もちろんよ」

 そう言ってお袋は家に入っていった。俺はお袋の後に続くように入った。

 親父の部屋の前にいた。

「親父いるか」

「ああ、いるぞ」

「入って良いか」

「いいぞ」

 親父の許可も得たので、入らせて貰った。

「久しぶりだな、浩介」

「ああ、久しぶり、親父」

 応えながら、俺は持ってきたビールを10本出す。

「これ、父の日のプレゼントだ」

「ありがとう、親孝行だな。感心」

 そう言って、親父は缶ビールを手に持つ。

「さっそく飲みたいが、まだ昼だから、夜にしよう。お前も一緒に飲むだろう」

「俺明日仕事があるんだが」

 俺の説明に親父がガッカリした。

「そうか、それなら仕方ないな」

 そうして、お袋が作ってくれた夕ご飯を食べた俺はそのまま自宅へと帰って行った。

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