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 そして教室。



 授業そっちのけで待ち伏せていた彼らに、あの話を受けたと、その事を告げると教室が一気に静まり帰ったのだ。

 教師ですら驚いている、休戦するというお触れが一気に回り、そして後はひたすら……。



ねぇねぇ……、壮太くんはこの街に帰って来て、それで一番最初はどこに行ったぁ? あぁやっぱり待って、あてて見せる――

了解

あっ、でも絶対あの神社行ったでしょ~っ、あの綺麗なお神社さんっ。桜もまだ見れるし最高だよねぇ~って、ふふふ♥ 実はねぇ、あそこウチの吹奏楽部がお祭りに出てたりするんだよ、スッゴイのねぇ~っ。あっあっ、だけど1番はモールはっ?モールぅっ! 楽しいよ~~っ!


はははっ。でも不正解だよ輪廻。俺が行ったのはね……、あのよく分からない橋だったなぁ。子供の頃も分からなかったけど、今なら分かるかなぁ……って。でも名前が書いてないんだ、なんか独特の――。


あぁうんっ、でも誰に聞いても分からなかった……―、そうだよねぇっ? アレでしょう、私も知ってるぅ~♥ 実はあの橋、名前もないのに有名なんだよねぇ、それできっときっとホラーなはずなのに……。



 授業中も色々と話してしまう。それはもう転校初日とは思えない感じだったらしいと、ずっとずっと会話してて……。


あぁそうなんだっ、輪廻もしたんだ、へぇ~~……♥

 ジュースを買うけど、あっ、多分10円を落とした。まぁ……。

「あぁでも聞きたいんだけどさ……、輪廻ってでも女優さんなんだよねぇ。東京にまで行っちゃう感じの、もう全国区なんだねぇって?」

「アッ!? 見たな……見たねっ――。なんだろう、エッチなのかなぁ……。それはいただけませんねぇ――」


 その言葉と共に 専属マネージャーさん専用だよ♥と。スリーサイズがしっかり書かれた画像と、ヨダレを垂らして耳と片目がちぎられた輪廻の顔が――。


 驚かざるを得ない、どうやらゾンビに食べられても生きてしまい、未だ苦しみ悶える生贄役をしたらしい。

 ジュースこぼした、上から88、59、87と絶品の、生きてちぎれた女優さんを頂いた。


「はい、のっけからサービスショットぉぉーっ♥ どうかな? 絶対に絶対にぜーったいに、私の事好きって返してね、壮太……♥」

「いや………―。いやぁ~~ー………これホントえげつないね。ただでも……、この衝撃の感じ見たぞ、確かCMで何度も見た気がするっ、まさかあの子が輪廻だったんだっ……!?」


 ソイツは生きている……、生きているぞ、ゾンビが苦しむホラーだッ。その声と惨劇が君を沼にハメるっ、誰も痛みからは逃れられないっ!


 ギャぁアアアあああああ!?



「そそっ……、そうなのぉ~っ、監督さんが気に入ってくれて、CMにもちょこっと出してくれたんだぁ。それが君の輪廻だよ、今度同じ格好してセリフもしてあげよっか、フフフ♥」

仲良く2人っきりでね。あ゛ぁ……あ゛ぁ……――痛いぃいぃっ、痛いよ、痛覚殺してぇぇえぇええ……―――。

 ボイス付きだ、どんどんと送られてくるあえぎのお言葉♥


 とりあえず掃除が終わった、らしい、箒を置いて。かなり積極的で会話を楽しんでいる輪廻に、なんか安心する。


(あぁ……、趣味の悪いイタズラじゃないんだ、こんな子が俺に本気で……。義臣輪廻、本当に本当に可愛いんだぞって……。)

「ねぇねぇそれじゃ壮太くん壮太くんっ、次は一緒に登校しないかなぁっ……? 帰りはね、部活で遅くなるけど、朝はね~~っ、私駅で待ってれるよ。それで隠れちゃうもん、見つけれなかったらお仕置きダっ」


 春の終わり、知らない駅、電車から降りて必死に輪廻を探した。


 結構本気らしくて全然余裕の、隠れ身ポスター持参っ! ひとしきり激しい攻防して、その見つかった原因のくせ毛を撫で、2人で一緒に登校して。

 ポスターをどうするか2人で考えたりとか。


「さ~てさてぇ~? 私は自炊はしませんよぉっ……。こんな女の子を受け入れてくれる旦那さんしか求めてません、良いですねぇっ!」

じゃあハイ――。ぱかっ!


「あぁ……これは、なんて大草原の小さな家だ」

もう大草原過ぎるだろう――フフフ♥

 欧米かよ! それでお弁当も一緒。食堂でも食べるし部室でも2人で食べる。


 輪廻は体形を維持する為にほとんど夜以外食べないらしい、草が生えて止まらない。いくら掘っても掘っても肉に辿りつかないお弁当、行き過ぎたダイエットにも思える程。

 たった1切れを食べる為にアマゾンを行かないといけない苦行、しかも部活もそのくせ結構ハードで……。


「ねぇ、ハァ……ハァ……、ごめんねぇ。結局付き合ってもらっちゃってぇ……」

 そこは3人の女の子が必死にトレーニング。

 ボイストレーニングに、筋肉トレーニング、鍛錬としてのストレッチに……。


「フゥ……、フゥ……、あぁ……、でもやっぱりマルっと体硬いよねぇ~、リンちゃんってぇ。これは女優として駄目だよ~、ほりほり、ほりぃ……っ」ここもっと頑張ってぇっ!

「ヤダ……あっ、アァ……っ。マイチ先輩、激しい……ウッ、うぅ――。痛いよ。もう限界ぃぃ……」


 見ていると本当になんというか、絶賛女の園って感じだ。しかもこの輪廻の姿よ……。ピンクのレオタードでぴっちり、その体が引き締まっているという。

 汗ばんだ素肌は艶めき美しくて、胸もやっぱり大きいのだ。その地面が教えてくれる柔らかさと抜群の汁気、ふくよかさ。そして確かこの限度は無かったハズで、ムレたその……。


「まさか……でも。本当ならソレもありなんだよな……はぁ……はぁ……。だって俺……もう友達だし、アレは……、あの揺れとへばりつき方は――」

「ぁ……はっ、フゥ……フゥ……、アナタもやりますー? ふふ♥ 下心丸出しで見てないで……なんかやりなさいよ……。エッチしか頭にないんだ、エッチ男子なんですねぇ」

そんな汚物は雑用で死んでくれた方が良いです、もう雑に死んで――、ぐぅぅ……っ!


「い、いやっ……、違うよっ! 俺はただ……えとっ……。でも演技はさすがにって、それだけで……っ」

「じゃあ、ほらほら……、そこ片付けて欲しいんですよねって……。輪廻のマネージャーさん。お尻見る間によ、その程度で良いんですけど、どうですか~……って」つぅ……――。


 その睨み眼鏡っ子の言葉にすぐに片付け始める壮太に、笑ってる輪廻とこーはい先輩は。

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