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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第三章 Sランクへの道のり 中編

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098 王都最強冒険者

 翌朝、目を覚ますなり、身支度を整える。

 昨夜は早めに休んだこともあり、依頼続きの毎日で疲労困憊だった体も、しっかりと疲れがとれたようだ。


「久しぶりにゆっくり寝れたな……。さて、ギルドに向かうか」


 ミナトはそう呟くと、足取りも軽くギルドに向かうのであった。


 朝日が差し込み、石畳に反射する光はどこか幻想的で、行商人や、行き交う人々の活気が、今日の一日の始まりを告げているかのようだ。


 取れ立ての野菜や果物を売り込む声、肉を焼く香ばしい匂い、甘味を片手にこぼれる笑顔。

 どれも新鮮で、何度みてもここが異世界だと認識させてくれる。


(この、朝の忙しなくも、活気ある雰囲気は久しぶりだな)


 王都に留まっている時間よりも、依頼で外に出ている方が多いので、ここで朝を向かえるというのは実はあまりない。

 それだけにミナトの冒険者としての生活が充実し、なおかつ順調であることを告げている。


 ミナトもまた、その喧騒の中に溶け込みながらも、ギルドへと到着した。

 扉を開き、中にはいると、いつものカウンターにはリビアがいる。


「おはようございますミナトさん!今日も依頼受けていきますか?」


 笑顔で挨拶をしてくれるリビアに、ミナトもまた笑顔で返す。


「おはようございますリビアさん。今日は依頼はお休みします。シスカとクレイグと城の方に行ってきますので」


「そうなんですね!では、また依頼を受ける時はお声がけ下さい!」


 ミナトはリビアの言葉に頷くと、辺りを見渡す。


(二人は……まだ来てないか)


 ミナトは近くのテーブルに腰をかけ、しばらく待つことにする。

 すると、入り口の方がなにやらざわつき始めた。

 ミナトは気になり振り向くと、ギルドの入り口から冒険者パーティーと思われる六人組が現れる。


 そのうちのリーダーと思われる、先頭を歩く男性は、透き通るように綺麗な肌と、銀色の髪に、整った顔立ち、白を基調とした耽美な服装をし、その背中には豪華な装飾が込められた、大きな杖が携えられていた。


 その姿をみた冒険者達は、息を飲んで道を空け、ギルド全体が一瞬で静まり返る。

喧騒が耳鳴りのような、絶対的な静寂へと変わった。

 その緊張感は、まるで高ランクの魔物に遭遇したかのようだった。


 ミナトは周りの反応が理解できず、咄嗟に隣にいた冒険者に尋ねた。


「なあ、これは何が起こっているんだ?」


 すると、隣の男はミナトの声に反応し、恐る恐る口を開く。


「あんた知らないのか!?あれは王都最強の……」


 男が名前を言おうとしたその瞬間、リーダーらしき人物の視線がこちらへと向けられた。

 その視線に萎縮した冒険者は、言葉の続きを話すことなく、立ち去ってしまう。


 そして、圧倒的な威圧感を放ちながらも、星屑のように煌めく、凛とした瞳を宿した男は、静かにこちらへと近づいてくる。


(……なぜこちらに来るんだ?)


 ミナトは疑問に思いつつも、視線は逸らさずに警戒心を高める。

 男がミナトの前で立ち止まると、世界から音と時間が完全に消え失せたかのような、一瞬の静寂が訪れる。


 まるで世界がこの男のために、時を止めたかのようだった。

 だがその静寂を破るかのように、ミナトは言葉を発する。


「俺に何か用でも?」


 すると、男は不適な笑みを浮かべながらも、軽く会釈をし、静かに口を開く。


「すまない、私の妹が世話になっているようでね。少し挨拶を、と思って」


(妹……?まさか!)


 髪や肌の色、凛とした佇まいや雰囲気、それとなくシスカに似ている。

 ミナトはその人物がシスカの兄であり、王都最強の冒険者、ルナ=ノクトだと確信した。


「シスカの……お兄さん?」


 その人物はミナトの言葉に反応し、穏やかに頷く。


「自己紹介がまだだったね。私はアストラ・エンブレムのリーダー、ルナ=ノクト。君の言うとおりシスカの兄にあたるね」


 ルナの自己紹介に返すように、ミナトもまた口を開く。


「やっぱりシスカのお兄さんでしたか。どことなく雰囲気が似てますね。自分は零閃の狼煙リーダー、ミナト=イチノセと言います」


 ミナトは軽く会釈をすると、ルナは前から知っていたような口ぶりをする。


「君は少しばかり有名人だからね。長期の遠征から帰ってきたばかりだけれど、君のこと、そしてシスカと共にパーティーを結成したことは、前々から噂できいていたよ。ところで今日シスカは?」


「今待ち合わせをしているところなので、もうすぐ来ると思いますよ」


「そうか。ありがとう。よければ、待っている間私と少し、話でもしないか?」


 ミナトはシスカの兄が、想像していたよりも友好的で、口調が穏やかなことに少し驚いていた。

 特に断る理由もなく、王都最強の冒険者と対話出きることに、微かな高揚感を覚えていた。

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