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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第三章 Sランクへの道のり 中編

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097 Bランク昇格

 ミナトは二人の元へと合流をすると、改めてランクアップの労いの言葉をもらう。疲労からくる重い体をテーブル席に預け、ようやく一息ついた。


「ひとまずランクアップおめでとう。これで私たちは、Aランクパーティーとして認定されるわ!」


「ありがとう。ああ、また一歩進むことが出来たな」


 ミナトはシスカの言葉に大きく頷き、喜びを露にする。

 その声には、達成感とは別の、わずかな高揚が混じっていた。


「ミナトさんBランク昇格、おめでとうございます!」


「クレイグこそおめでとう!キラースパイダーはどうだった?」


 互いにランクアップした喜びを分かち合うと、ミナトはクレイグが対峙した、魔物に興味をよせる。


「視界が悪いなか、粘着性の糸を回避しながらの戦闘な上、キラースパイダーはとても素早かったので、少々苦戦しました」


 クレイグは記憶を辿るように、目線を少し上に向けながら話を続ける。


「でも、火属性に弱い、というのは顕著で、魔法を当てさえすれば……という感じでしたね。なので、いくつものトラップのような魔法を展開して、追い詰めたという感じです」


「なるほど。やはり相性というのはかなり重要だな……」


 ミナトはクレイグの戦闘を聞き、腕を組みながら少し考え込む。


(いずれ、物理を完全に無効にしてくるような魔物も現れるだろう。そのときに相性が悪かったで済まさないよう、対策を考えておかないとな……)


 ミナトは、魔法無効の特性を持つ魔物がいる以上、物理に関してもそのような特性を持った魔物が存在する可能性を考慮していた。


「ミナトさんはどうだったんですか?」


 ミナトはクレイグの問いかけに、少し口元を緩め、苦笑いをうかべながら答える。


「実は一発もらったんだ。油断……も少しあったのかな。武器を扱うと聞いていたが、尻尾を鞭のように使うとは思いもしなかったよ」


 クレイグは少し息をのみ、驚いた表情をする。


「攻撃をもらうなんて、珍しいですね。怪我はありませんでしたか?」


「ああ、魔力で防御はしたし、相手もやっつけ場な感じの攻撃だったから、威力もなく大したことは無かったんだ」


 クレイグは安堵したかのように、にこっと笑う。


「ところで、セイラとメリアがAランクの試験に出掛けたのは聞いたかしら?」


 シスカの問いにミナトは頷く。


「さっき、リビアさんから聞いたよ。俺たちがいない間に、簡単な依頼を受けるとか言ってたけど、それでギルドポイントが貯まったんだな」


「ええ、ランクは低いけれど、近場の討伐依頼を三つほど完了したら……って感じね。彼女たちもつい昨日出発したばかりだから、多分一週間くらいは戻らないわよ」


 シスカの言葉にミナトは考え込む。


「なら、また明日城に行ってきてもいいか?少し時間があるみたいだし、コウキの話でもまた聞いてくるよ」


 ミナトがそう伝えると、シスカはにやっと笑いながら口を開く。


「そう言うだろうと思って、今朝、マキナさんに話を付けておいたわよ。一応明日行くって伝えてあるわ」


「やけに用意周到だな」


 ミナトはシスカの先走った行動力に呆れながら、言葉を返す。


「実は、騎士団の訓練を見学させてもらうことになってるのよ!たのしみだわ!」


「そっちが本命じゃないか」


 ミナトはいかにもシスカが考えそうな発言を聞き、つい顔が緩んでしまう。


「ええ、もちろん。クレイグも着いてくるわよね?」


 クレイグは即座に頷き、返事をする。


「はい、せっかくの機会なので同行させてもらいます。騎士団の訓練は、わたしも気になります!」


 クレイグは意外にも、シスカ同様、王国騎士団の訓練が気になるようだ。


「じゃあ明日の朝、またギルドに集まってから向かうか」


 ミナトの言葉に二人は頷き、了承する。


「じゃあ俺はもう宿に戻るよ。武器の手入れをしたら早めに休もうかな」


「その方がいいと思うわ。一人旅って、全部を自分一人でやらないといけないから、結構疲れるわよね」


 シスカは疲れた顔をするミナトを労る。


「わたしは昨日しっかり休めたので、少し鍛練でもしてきます。ミナトさんはゆっくり休んでくださいね」


 ミナトは頷くと、クレイグは立ち上がり、訓練場へと向かっていった。


「じゃあ俺もいくよ。また明日」


 ミナトもまた、宿へと足を運ぶのであった。

 宿に戻ると、腰に下げているアダマンタイトの剣を取り出す。

 その剣の輝きは、幾多の戦闘を経ても失われることはない。


 刃こぼれ、欠け、汚れの付着、どれも欠陥が見当たらない。手入れ、と言うよりは確認作業だ。


「抜刀時は常に魔力を流しているせいか、刃の消耗があまりないのだろうな」


 ミナトは静かに息を吐き、その白く研ぎ澄まされた刃を眺め、感慨に浸る。

 暗闇の中でも、その切っ先は微かに光を帯びているかのようだ。


 この世界で、魔力そのものを使い戦闘を行う、異端な魔力をもつミナトには、唯一無二の相棒とでも呼べる武器は、ミナトの成長を大きく促す要因の一つとなっている。


 ミナトは刃を眺め、満足すると、丁重に鞘へと戻す。


(さて、そろそろ休むか……)


 明日の予定を再確認し、眠りにつくのであった。

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