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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第三章 Sランクへの道のり 中編

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091 カースドナイト討伐依頼2

「水汲んできてぞ」


「ありがとうございます!あとはやっておきますので、あちらで皆さんと休んでいてください」


 クレイグはそう言うと、一人で黙々と料理の続きをする。

 ミナトとシスカはクレイグの言葉に甘え、体を休めることにした。

 しばらくたつと、スパイスの効いた香ばしい匂いが漂ってくる。


「クレイグさん!もしかしてカレーですか!?」


 セイラは嬉しそうにクレイグのもとへ駆け寄った。


「はい、以前好評だったので、味付けを少し変えて、また作ってみました」


 クレイグはセイラの期待に満ちた瞳に笑みを返した。どうやらセイラはカレーが大好物なようだ。


「はい、完成です!」


 クレイグの言葉にセイラは目を輝かせると、てきぱきと配膳を済ませていく。

 間もなく、食事の準備が出来たので、皆でクレイグのカレーを堪能する。


「クレイグさんのカレー、いつ食べても美味しいです!毎日カレーがいいです!」


「いくら美味しくても、毎日同じ食事だと、栄養が偏ってしまいますよ」


 クレイグはセイラの言葉ににこっと笑いながら返す。

 談笑しながらの食事の時間は終わり、その後は夕刻まで、先ほどのシスカの情報を元に作戦を練ることにした。


「まず、カースドナイトの出現しそうなポイントは三箇所あったわ」


 シスカは地図と照らし合わせながら先ほどの情報を共有する。


「それと今回はリリィの魔法の有用性を確かめたいから、私達はなるべく援護にまわる感じで行きましょう。ミナトはリリィと一緒に行動して守ってあげてね」


「ああ、もちろんだ。それと、俺自身の魔力の特性も試したいことがあるから、少し接近して呪術の範囲に踏み込もうとおもう」


「わかったわ。危険だと判断したらすぐに範囲外に逃げるのよ」


 シスカはミナトの要望を聞き入れつつ、注意を促す。一行は準備を整え、日が暮れるまで待機した。

 辺りは徐々に薄暗くなり、昼間とは違い、霧のようなものもかかりはじめ、見通しが悪くなる。


「夜に霧……?カースドナイトの出現の予兆か?」


 ミナトはこの不自然な霧の出方に、魔物の出現を危惧する。


「予兆……というより、もう出現しているみたいね」


 シスカは一際霧の濃くなっている場所を指で指すと、そこには鋼鉄の鎧を纏った騎士の姿をした魔物と、複数のスケルトンやグールが姿を現す。

 その騎士を中心に空気が淀み、離れた場所からでも、威圧感のような、気味の悪い気配が漂うのがわかる。


「あれがカースドナイト……」


「あの体からでている、霧そのものが、呪いの類いかもしれないわね」


 シスカの推測通り、霧の範囲だけ、地面の草木が朽ちている。


「なら、あの範囲に入れば呪いをうける、ということだな」


 ミナトはそう言うと、リリィと共に霧に向かって走り出す。


「私達は周りのスケルトンを相手にしてるから、カースドナイトは任せたわよ」


 シスカの言葉にミナトは手を上げ了承の意を示す。


「リリィ、試しにあのスケルトンに向かって何か魔法を放ってみてくれないか?」


 ミナトは近くのスケルトンを指差すと、リリィの額の宝石が、輝き始める。

 詠唱などはないが、魔力を一点に集め、額の宝石から魔法として発現するようだ。

 その輝きが最高潮に達すると、目の前のスケルトンは活動を止め、その場に倒れ付した。


 知覚することが難しいが、狙いを定めたスケルトンのみを行動不能にした辺り、しっかりと魔法のコントロールが出来ているみたいだ。


「よくやったリリィ!」


「キュー!」


 リリィの魔法の確証を得たところで、ミナトは霧の境界に迫っていた。


「もし、異変を感じたら、無理はしないで、一度仲間と合流しよう」


「キュウ!」


 ミナトは意を決し、霧の中へと足を踏み入れる。

 一瞬、吐き気のような不快感が体を襲うが、徐々に引いていくのがわかる。


 ミナトの予想は当たったようだ。

 彼に対するあらゆる魔力的干渉は、この異端な魔力によって、すべてが跳ね返されるみたいだ。この結果は今後の戦闘、ましてや魔族との戦争においては大いに役立つであろう。


「やはり……か。リリィは大丈夫か?」


 ミナトの言葉にきょとんとしながら、普段と変わらぬ様子をする辺り、特に異変を感じていないのだろう。


「よし、呪いが効かないのならば、存分にリリィの魔法を試せるな」


 ミナトはそう言うと、近くのグールやスケルトンに、手当たり次第、魔法を放つよう促した。

 聖属性魔法の他にも光属性魔法を放つなどし、リリィのポテンシャルを見極める。


 発動にはまだ時間がかかるが、どの魔法もスケルトンとグール程度ならば、一撃で屠れるほどだ。


(一撃の威力は申し分ないな。あとは範囲攻撃がどうか……)


「リリィ、広範囲に魔法を放つことはできるか?」


「キューイ!」


 ミナトの言葉の意味を理解しているのか、次なる魔法を放とうとする。

 額の宝石はさらに輝きを増し、リリィを中心に、辺りを聖なる光が照らし出す。


 半径十メートルといったところだろうか、その範囲に居たアンデッド複数体と、霧が消滅した。

 どうやら光と聖の複合魔法を発動したようだ。聖属性の浄化魔法を光魔法によって範囲を広げた、というところだ。


「凄いなリリィ!」


 ミナトの言葉に喜びを示すが、魔力の使いすぎにより、浮力が無くなり、ミナトの肩に張り付く。


「お疲れさん。あとは俺に任せて休んでな」


 ミナトはそう言うと、周囲のアンデッドもリリィのお陰で居なくなったこともあり、目的のカースドナイトへと迫る。


 やつの呪術はとても厄介だが、それが効かないとなれば、単に戦闘能力だけで言えば、ミナトにとってはデュラハンと同等、もしくはそれ以下の可能性もある。それならば、カースドナイトが攻撃に転ずる隙もなく、圧倒されるのは必然であった。


 スパァーン!


 剣による、一閃。 その一撃でカースドナイトの首は宙を舞う。


「せめてもの情けだ。安らかに眠れ」


 カースドナイトは地面に倒れ、霧が晴れていく。

 それと共に、周囲のスケルトン達も、魂が抜けたかのように、塵へと還る。


(呪術によって動いていたのか?ならば、手応えは無かったが、やつ一体の出現でBランクの依頼になるのは納得だな)


 ミナトは魔石を回収し、シスカ達の元へと合流する。

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