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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第三章 Sランクへの道のり 中編

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090 カースドナイト討伐依頼

 翌朝一行は王都を出発し、王都北側の丘陵地帯、旧戦場跡に向かっていた。シスカが依頼書を見ながら目的地の情報を確認する。


「旧戦場跡、普段は穏やかで見通しもよく魔物の目撃情報も少ない所だけれど、カースドナイトの出現で夜間、魔物の動きが活発になってしまっているみたいね」


 カースドナイトの出現による呪術の効果は、周りの魔物にも影響を与えてしまうみたいだ。


「呪術というのは私たちにとっては負の症状を引き起こす要因になりますけど、魔物達にとっては逆の効果……バフのようなものになりますからね。活発になるのも頷けます」


 メリアは呪術についての補足説明をした。


「空間にいるだけで呪術の対象になるってのも厄介だよな。聖属性の魔力で相殺できると言っていたが、リリィは呪術の効果を無効化できるという認識でいいのか?」


 きょとんとするリリィを見ながらミナトは首をかしげる。それに対してセイラが答える。


「おそらくそうゆうことだと思います!私は聖属性は使えませんが、光属性というのもそれに近しい存在なので、私も多少は緩和されるとおもいます」


「なるほどな……。魔力でいえば俺はどうなるんだろうな?」


 ミナトはアルフレッドに言われたことを思い出す。


(たしか俺の魔力は周囲の魔力と反発を起こしている、とか言われたな。もし呪術が魔力に起因するものならば……)


 ミナトは、自身の魔力が『異物排除』の特性を持つことに薄々確信を持っていた。

 だが実戦にて呪術の範囲に踏み込まない限りは確証がとれない。

 今回の依頼でミナトの魔力の特性がまた一つわかることになるだろう。


 だが今回はあくまでもリリィの戦闘能力の確認が第一である。

 魔族というのは聖属性や光属性に耐性がないものが多く、もし今回のカースドナイトにリリィの魔法が有用であるとわかれば、今後の大きな戦力として作戦に加えることが可能になる。


 それだけに聖属性というのは貴重な魔法なのだ。

 書物を読み、鍛錬をしているセイラもまたいつの日か聖属性の使い手になるだろう。


 馬車での往路は順調に進み、数日の時を経て目的地の旧戦場跡に到着する。


 そこはまるでなにもなく、ただただ野原が広がり、ところどころに凹凸がある、というくらいで、かつての戦場の面影もない。

 また、時刻は昼過ぎといったところなので、カースドナイトどころか、魔物一匹の気配すら感じられない。


「ずいぶんと長閑なところだな。魔物もいないし、一先ずは夜まで待機か」


「そうね。少しはなれたところで様子を見ましょう」


 ミナトとシスカの提案でカースドナイトの出現ポイントから少し離れたところで昼食を兼ねて待機することにした。


「では私は料理の準備をしますね」


「クレイグいつもありがとうな。なにか手伝うことはあるか?」


「いえ、好きでやってることなので大丈夫ですよ。そしたら水を汲んできてもらってもよろしいですか?」


「ああ、任せとけ!リリィ、いくぞ!」


「キューイ!」


 ミナトはクレイグに頼まれ、リリィと共に水場へと向かう。


「リリィちゃんはミナトさんの言葉を理解しているかのようですね!」


「カーバンクルは賢い種族って言われてますし、ミナトさんとの親子愛みたいなのがあるのかもしれませんね」


 セイラとメリアはくすっと笑いあいながら、ミナトとリリィの背中を見送る。


 その頃シスカは辺りを探索していた。

 カースドナイトの痕跡を探し、出現ポイントを絞ろうとしている。

 依頼された場所はこの辺りだが、広大で目印もなく、夜間での捜索になるため、ある程度のポイントを絞れればその後がスムーズになる考える。


「出現時間は夜だとしても、なにか痕跡があってもいいはずだわ」


 足跡、腐敗した草木、周囲に異変のあるところは地図に書き込んでいく。

 戦闘はもちろん、下準備や探索を率先して行う彼女の姿は、若輩ながらも既にベテランの風格を漂わせていた。


「よし、こんなところね。皆のところに戻ろうかしら」


 シスカはある程度の地形を把握し、皆のもとへ戻ろうとする。

 その時ふと北側の山脈を眺める。まだ遠く霞んで見える程度だが、その巨大な山脈はまるで世界を二つに分けているかのようだった。


「あの山を越えれば魔族領……」


 シスカは息を飲む。いずれ踏み入れることになる禁断の領域。


「気になるか?」


 後ろから水汲みを終えたミナトとリリィがやってくる。

 シスカはその言葉に静かに頷く。


「あの山を一つ隔てただけで、世界を滅ぼしかけた魔族領があるなんて信じられないよな……」


 ミナトはそう言いながら拳を握りしめる。シスカも遠くを見据え、静かに続ける。


「ええ、魔族は命を奪っても根源を消しきれなければ、何度でも復活する。700年前の戦争で勇者がどれだけが奮闘しても、魔王はおろか、多数の魔族の根源を消しきれなかった。そしてその厄災が目覚め、今私たちにふりかかろうとしている」


 ミナトは一度深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる。


「ふぅ……。今はまだなにも出来ない。さあ、皆のところへ戻ろう」

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