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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第三章 Sランクへの道のり 中編

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078 休暇の終わり

「……といった感じで、現在はテラヴェルド連邦に向かっている道中となります」


 ミナトとシスカは来賓室でアルフレッドの説明に聞き入っていた。


「コウキ……うまくやってるみたいだな」


 ミナトの言葉にシスカも頷く。


「ミナトの親友、勇者コウキには私も会ってみたいわ。ぜひ手合わせをお願いしないとね」


 にこっと笑うシスカの表情は、本気で手合わせをしてみたいと訴えかけていた。


「まあ、あいつなら断らないと思うから帰ってきたときにでも話しておくよ」


 その言葉にシスカの表情はさらに輝きを増す。

 そのやり取りを見てアルフレッドは孫をみるかのような優しい瞳で笑いかける。


「ほっほっほ。本当にいい仲間を持ちましたな。今度、他のお仲間も一緒に連れてきなさい。審査官にはわたしから話をつけておこう」


 その言葉にミナトは笑顔で返す。


「はい!ぜひ俺の仲間を紹介させてください!」


「うむ、ともあれコウキ殿の話はこれくらいになるが、他に何か聞きたいことはありますかな?」


 するとシスカが質問する。


「あの、今度騎士団の訓練見学させてもらってもいいですか?」


 その言葉にミナトは苦笑いをする。


「まったくシスカは……」


「ええ、構いませんよ。団長の方にもわたしから話をしておきますぞ」


 アルフレッドはシスカの申し出に快く了承してくれた。

 シスカは礼を言うと、次はミナトが口を開く。


「また今度コウキ達の話聞かせてもらってもいいですか?」


 アルフレッドは頷く。


「今日みたいに待たせてしまうかもしれませんが、いつでも来てくださいな」


「では今度は仲間も連れてきますね!」


 ミナトの言葉にアルフレッドは「是非」と笑顔で返す。


「じゃあそろそろ帰ります。あまり長居しても執務の邪魔になってしまいますしね。今日はありがとうございました」


 ミナトとシスカは礼を言い、手を振るアルフレッドを背に、部屋を後にした。


「国王補佐って聞いてたからお固い人なのかと思ってたけど、優しいおじいちゃんみたいな感じの人だったわね」


 シスカはにこっとしながらアルフレッドの印象を話す。

 ミナトもまた同じことを思っていたのか頷きながら口を開く。


「ここに召喚されたときはあまり気に止める余裕もなかったけど、今思えば俺の身の回りの準備をしてくれたり、この世界について分かりやすく説明してくれてたよな……。面倒見がいいタイプなんだろう」


 少しこの世界に来たばかりの頃を思い出す。突然の異世界、コウキとの別れ、そして皆との出会い。

 この世界に来てからまだ半年足らず。

 だが、その短い期間が、まるで人生の全てだったかのように、ミナトの時間は充実していた。


 その後二人は城の食堂で昼食を済ませ、そのまま書庫へと向かった。


 書物を物色していると、その中でミナトはひとつ気になる情報を見つける。

 封印された魔王についてだ。


(なぜ討伐ではなく封印だったのか……)


 ページをめくると、その疑問の推測らしきものが書かれている。


 どうやら当時の勇者の聖属性魔法をもってしても、魔王の根源に干渉することができず、肉体を滅ぼすことができても、その核は残ってしまうため、やむを得ず封印するしか無かったのだと書かれている。


 そしてその封印も、当時の勇者が命を代償に発動させた大魔法であり、その結果、魔王の封印と共に勇者の消息が不明になったと推測されていた。


(もし今回も根源に干渉できないのなら……)


 ミナトの脳裏に最悪の未来が浮かんだが、彼はそれを振り払った。


(あくまで推測の書物だ。気には留めておくが、今は深く考えるべきではない)


 ミナトは静かに書物を閉じた。


 一方シスカは、自身の可能性を広げようとあらゆる魔道書を読み漁っていた。

 だが書庫での時間はあっという間に過ぎてしまった。

 時刻はもう夕刻前だ。


「シスカ、さすがにそろそろ帰ろうか」


 ミナトの声にシスカは残念そうな顔をする。


「ええ、そうね。やっぱり書物の量が多過ぎて時間が足りなかったわ。またの機会にしましょう」


 そう言い二人は書庫を後にし、門衛に声をかけ城を出た。


「なんだかんだ充実した休みになったな」


「そうね。魔道書もたくさん読めて、ミナトの意外な好物もわかったし」


 ミナトは、楽しそうに笑うシスカに呆れ半分で返す。


「俺にだって好きな食べ物くらいあるさ」


「まあそれもそうよね。ちなみに私は肉が好きよ」


「それは知ってる」


 即答するミナトに、シスカから笑みがこぼれる。

 そんなやり取りをしながらも歩き続け、宿の分岐点がくる。


「じゃあまた明日ギルドで!」


 ミナトの言葉にシスカは頷き手を振る。


「ええ、また明日」


 二人はそれぞれの宿へと向かい、明日からの依頼の日々に向けて、しっかりと体を休めるのだった。

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