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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第二章 Sランクへの道のり 前編

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065 ワイバーン討伐依頼6

一行は全てのワイバーンの魔石を回収し、村へと戻った。道中、互いの戦闘を振り返る。


「それにしてもメリアの弓は、精度と威力がすごかったな。飛び回ってる的に一発で当てるなんて、まさに弓の達人だよ」


ミナトが褒めると、メリアは少しはにかんでみせた。


「弓に関しては自信がありますので!でも、皆さんもすごかったですよ。ミナトさんとシスカさんのスピードは本当にびっくりしました!セイラさんの光魔法も、目を閉じていたのに眩しかったし、クレイグさん、私を守ってくれてありがとうございました!」


その言葉に、セイラとクレイグは照れたように顔を見合わせた。


「いえ、お気になさらず」


「怪我がなかったなら何よりです。それよりミナトさん、遠くからしか見えなかったのですが、ワイバーンに何をしたんですか?瞬きする間に決着がついて、とても目で追えなかったです……」


クレイグの問いに、シスカも興味津々で詰め寄る。


「そうよ!どんな技を使ったの!?」


シスカの迫力に、ミナトは苦笑いを浮かべながら説明を始めた。


「簡単に言うと、飛速を応用した居合いって感じかな」


「もっと詳しく教えてよ!」


「普段の飛速に必要な魔力の限界を超えて溜め込むことで、瞬間的な速度を生み出すんだ。そこに俺の剣術を加えた技だよ。ただ、限界を超えた魔力を溜めるのは動きながらじゃ難しいから、立ち止まる必要があったんだけどね」


「なるほど……。思考をそこにだけ集中させないと発動が難しいってことね。ありがとう、参考になったわ」


ミナトの説明を受け、シスカもまた何かを学ぼうとしたのだろう。


会話をしながらも、一行は村に到着する。畑の向こうから村長が手を振っているのが見えた。


「『零閃の狼煙』の皆さん!おかえりなさい!」


村長が小走りで近づいてくる。


「村長さん、ただいま戻りました!ワイバーン討伐完了です」


ミナトの言葉に、村長は心底安堵した顔を浮かべた。


「ありがとうございます!無事でなによりです。立ち話もなんですから、詳しくは家でお伺いしますのでどうぞこちらへ」


村長の家に案内されると、ミナトたちは促されるままに腰を下ろす。途端に、戦闘と移動で張り詰めていた緊張がほどけ、一気に疲れが押し寄せてきた。


「お疲れでしょう。お茶菓子を準備しますので、そのままおくつろぎください」


村長はそう言い、キッチンの方へ歩いていった。


「一段落したと思ったら、急に疲れがきたな」


ミナトがぼそりと呟くと、皆も静かに頷く。ワイバーンという強敵との戦闘は多量のアドレナリンを分泌させたのだろう。だが、その反動ともいえるこの心地よい疲労は、充実感に満たされたものであった。


「お待たせしました」


村長はそう言って、目の前にお茶菓子を並べてくれる。


「お気遣いありがとうございます」


一行は村長に礼を言い、しばしの休憩をいただく。


「この度は本当にありがとうございました。これで安心して村民たちも生活を送ることができます」


村長はミナトたちに改めて礼を伝えると、そのまま詳細について確認する。


「早速ですが、詳細についてお聞かせいただけますでしょうか?」


ミナトが代表して説明を始めた。


「はい。まずワイバーンの数ですが、事前調査の通り三体で間違いありません。いずれも成体でした。住み処が変わった理由については、森内部で何らかの異常が考えられますが、立ち入りはギルドから控えるように言われておりますので、詳しい調査は控えさせてもらいました」


ミナトの説明に、村長は難しい表情を見せる。


「三匹とも成体でしたか……。ワイバーンは群れをなす傾向がありますが、今回は三匹。数が少ないですし、いずれも成体ということで、子供を抱えているわけでもなさそうですね。やはり奥地で何か異常が発生した可能性が高そうですね……」


「はい、おそらくその可能性が高いかと」


「わかりました。ともあれ、ワイバーンがいなくなったので、ひとまずは安心です。森内部の調査に関しては、村に被害の恐れがあると判断した際に、またギルドに依頼を出させてもらおうと思います。今回は本当にありがとうございました。今夜も空き家を使ってかまいませんので、ゆっくり休んでから出発してください」


「ありがとうございます。そうさせていただきます」


ミナトたちは村長の言葉に甘えさせてもらい、村を明朝発つことにした。


「では、報告書を書いておきますので、明日の出発前にまたお立ち寄りください」


「わかりました。ではまた明日お伺いします」


ミナトはそう言い、一行は村長の部屋を後にする。戦闘の疲れもたまっていたので、村で一泊して帰れるのはありがたかった。


ミナトたちは空き家へ向かい、軽い夕食を済ませ、早々に休むことにした。


翌朝、日の光とともに目を覚ます。窓からは気持ちのいい風が抜け、小鳥がさえずる心地よい朝だ。一行は村長のもとへ向かう。


「おはようございます!」


玄関の前で挨拶をすると、村長が出てくる。


「おはようございます、皆さん。こちらが報告書になります。この度は本当にありがとうございました。また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いします。では、お気をつけてお帰りください!」


「はい、確かに受けとりました。こちらこそ何から何までありがとうございます!では、いってきます!」


一同は礼を言い、村を後にする。


村を出ると、シスカは伸びをしながら話し始めた。


「森の奥がどうなっているのか気になるけど、それはまたの機会ね。ひとまず今回の依頼の報告をしに王都まで戻りましょうか。行きと同じペースなら、明日の夕方頃には着けるでしょう」


「ああ、そうだな。いずれ何か進展があれば、そのときに対応しよう」


ミナトも気にはなるが、正式な依頼がない限り、冒険者が動くメリットはない。


一行は王都への帰路についた。

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