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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第二章 Sランクへの道のり 前編

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062 ワイバーン討伐依頼3

翌朝、軽い朝食を済ませた一行は、テントなどを手際よく収納し、リュックへと詰め込む。


「よし、準備はできたな。今日も移動がメインだけど、気を引き締めていこう!」


ミナトの掛け声に、一同が元気に返事をする。二日目は初日と同じく移動がメインとなる。川沿いにひたすら歩く。道中、たまに魔物と遭遇するが、下級の魔物ばかりであっさりと片付いた。


休憩を挟みながら進み、順調に目的地へと近づいてきた。


「結構いいペースね。これなら今日の夜には近くの村までたどり着けそうね」


地図を見ながらシスカが話すと、セイラも頷く。


「確かに順調ですね!魔物にもあまり遭遇してませんし、昨日しっかり休めたからですかね」


セイラの言葉に、クレイグはニコッとしながら答える。


「疲れをしっかりとるってのは大事ですからね。お役に立てたならよかったです」


クレイグに皆が感謝するのであった。その後も順調に進み、日が落ちる少し前に、目的の村へと到着した。


村の回りは高さ5メートルほどの杭で囲われており、簡易的だが、魔物の侵入を防ぐ防壁のような役割を果たしている。守衛もいないこじんまりとした村ではあるが、回りには畑も広がっており、村人たちも生き生きとしている。


「ここが、依頼の村ね。遅くなる前に村長さんの所へ向かいましょうか」


シスカはそう言いながら、村長の家を地図と照らし合わせながら確認する。すると、一人の男性が声をかけてきた。見た目は50歳前後だろうか。農業で培われたであろう、筋肉質な体とは裏腹に、丁寧なしゃべり方が特徴的だ。


「おや、旅人さんなんて珍しいですね。もしかして、依頼を受けてくださった冒険者さんですか?」


男性の言葉に、一行は頷いた。


「はい。ワイバーン討伐の依頼で伺いました。村長さんを探しているのですが……」


すると、男性はにこっとしながら答える。


「私がこの村の村長、ハンスと申します。この度は依頼を引き受けていただき、ありがとうございます。立ち話も何ですから、私の家に案内しますね」


ハンスと名乗った男性は、まさかの村長だった。一行は村長についていき、家まで案内される。


「こちらが我が家です。どうぞなかにお入りください」


案内された家は、周りの家とそう変わらないので、一見村長が住んでいるとはわからないほどだ。


「今お茶を持ってきますので、こちらの部屋でくつろいでいてください」


そう言われ、客間へと案内される。ミナトたちは村長の気遣いに感謝し、客間へと入った。


客間にてしばらく待っていると、お盆を持った村長が戻ってくる。


「すいません、お待たせしました。こちらどうぞよかったら」


そう言いながら、人数分のお茶とお菓子を用意してくれる。


「ありがとうございます」


礼を言い、お茶をいただく。


「では、お茶を飲みながらで構わないので、今回の依頼の件についてお話させていただきます」


村長はそう言い、説明を始める。


「ワイバーンが目撃されたのは、一月ほど前になります。最初はすぐに通りすぎるだろうと気には止めていなかったのですが、どうも住み着いてしまったらしく、毎日のように森の入り口を旋回しているという状況です。その森は、村人も薬草やキノコを取りにたまに足を踏み入れる場所なのと、村からそう離れていないため、襲来の危険もあるだろうと判断し、依頼を出させていただいたということになります」


村長の説明に、ミナトは質問をする。


「ワイバーンは今までも何度か目撃したことはあるんですか?」


「はい、森の奥の方にワイバーンの住みかがあるので、何度か見かけたことはあるのですが、今回のように住み着いてしまったのは初めてです」


村長の言葉に、ミナトは呟く。


「やはり、森の奥でなんらかの異変が起こっているのか……」


次にシスカが質問をする。


「数は三体ほどとのことですけど、正確な数は把握できていないということですか?」


「事前に村の方で調査を行ったのですが、漏れがないとも限らないので、三体ほどという記載にさせてもらっています」


事前に調査をし、数の情報や、万が一の漏れを考えた上での依頼を出すというのは、よほど気が回らないとできないであろう。


「危険な事前調査をしていただき、ありがとうございます」


シスカは村長に礼を述べる。それに対して村長は謙遜しながら答える。


「いえ、私たちでは討伐は難しいので。お役に立てたのならよかったです。それと、村に空き家もあるので、滞在の間ぜひ使ってください」


「なにからなにまで助かります。明日のワイバーン討伐は、この零閃の狼煙にお任せください!」


「頼もしいですね、よろしくお願いします。では、空き家まで案内しますね」


そう言われ、村長に空き家まで案内される。


「ここを自由に使ってください」


空き家というにはずいぶん手入れがされていて、きれいなところだった。ミナトたちは礼を言い、ここを使わせてもらうことにした。


「ではまた明日、出発の前に一度お立ち寄りをお願いします」


村長はそう言い、家を後にした。


「すごく気のきいた方でしたね」


クレイグがそう言うと、メリアも頷く。


「しゃべり方もすごく丁寧で、落ち着いた雰囲気でしたよね!」


村長はみんなに好印象だったようだ。様々な気遣いのおかげで、一行はゆっくりと休むことができた。明日のワイバーン討伐に万全の状態で挑むことができるであろう。

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