046 コロンの探索
食事を済ませ、四人はここからは別行動をすることにした。
それぞれがコロンの町で、目的のものを探すことにする。
「私たちは魔道書を探してくるわ」
シスカがそう言い、セイラと共に市場の奥へと向かっていった。
魔法使いである二人にとって、魔道書は知識と力の源だ。
「私は鍛冶に使えそうな素材を見て回りたいと思うのですが、ミナトさんはどうしますか?」
クレイグがミナトに尋ねた。
ミナトは少し考えた。自分はバルドからアダマンタイトの剣をもらったばかりだし、魔法関連の道具は役に立たないものが多い。
特にこれといった欲しいものはない。
「俺はこれといった欲しいものもないし、邪魔じゃなければクレイグについてまわるよ」
ミナトがそう言うと、クレイグは嬉しそうに目を輝かせた。
「はい! じゃあ王都のときに代わって、私がコロンの町を案内しますね」
ミナトは「じゃあよろしく頼むよ」と答え、二人は市場へと足を運んだ。
町はそこらじゅうが活気に溢れていて、いたるところにお店が並んでいる。
商人の他にも、ミナトたちのような冒険者も多く見受けられた。王都とはまた違う、活気と多様性に満ちた雰囲気だ。
ミナト達はまず、クレイグおすすめの鉱石の店に入った。
店内には、グリムロックの鉱山では見られないような、珍しい鉱石や加工品が所狭しと並べられている。
色とりどりの鉱石が放つ微かな魔力の輝きが、店内に幻想的な雰囲気を作り出している。
「この雷光石なんかは、シスカさんのブレスレットの素材としても使いました。グリムロックでは入手できない鉱石なので、ここで仕入れたんです」
クレイグが指差す先には、青白い光を放つ鉱石が陳列されている。ミナトがその値段を見て驚愕する。
シスカのブレスレットの素材が、これほど高価なものだったとは。
しかし、アダマンタイトはそれの比ではないほどに高い。
バルドが徹夜で打ってくれたアダマンタイトの剣の価値を改めて実感し、ミナトはバルドには頭があがらなかった。
(早くこの剣を使いこなせるようにしよう……!)
ミナトは心に決めた。クレイグはいくつかの鉱石を吟味し、購入すると、店を出た。
次に向かうのは雑貨屋だ。
ミナトが「どうしてここに?」と尋ねると、クレイグは笑顔で答えた。
「冒険者の依頼は移動時間が長く、どうしても野宿をする機会が多いなと感じました。そこで、食事だけでももう少しちゃんとしたものにしようと思い、調理器具を買いにきました」
「クレイグ、料理ができるのか?」
ミナトが驚いて尋ねると、クレイグは得意げに胸を張った。
「はい! 父さんには鍛冶を、母さんには料理を叩き込まれましたからね。道具さえあれば、野宿でも美味しい料理が作れますよ」
ミナトは感心した。確かに、これまでの野宿の食事といえば、パウチの袋を温めるだけだったり、保存食を食べるだけなど、味気ないものばかりではあった。
クレイグが料理できるとなれば、今後の旅も楽しみになる。
クレイグは調理器具一式と、調味料などを買い揃え、店を出た。
荷物も多くなってきたが、クレイグはまだもうひとつ寄りたいところがあるんだと言い、ミナトを促した。
次に向かったのは、ひときわ大きな魔道具屋だった。
店に入ると、そこにはすでにシスカとセイラの姿があった。どうやら二人は、望みの魔道書を探し求め、ここにたどり着いたのだろう。
「あら、ミナト、クレイグ! 二人もここに用があるの?」
シスカが尋ねると、クレイグは重たい荷物を持ち上げながら答えた。
「はい! さすがに荷物が多いので、空間魔法が施されたリュックを探しにきました」
「空間魔法が施されたリュック? そんなものがあるのか!」
ミナトは驚きに声を上げた。
そんな便利な魔道具が存在するとは知らなかった。
店主はクレイグの言葉を聞き、「そこに並んでるから、空間容量を確認して選びな」と教えてくれた。
様々な容量の空間魔法リュックが並んでいる。
クレイグは後々のことを考え、できるだけ大きい容量のリュックにしようかと思うが、少々値が張るため、少し容量を落とし、五倍容量のリュックを購入することにした。
見た目は普通のリュックだが、中身は空間魔法により、名前の通り五倍の容量になっている。
先ほど購入した調理器具や鉱石などをすべて入れても、まだまだ余裕があるほどだ。
荷物を入れ終わると、シスカとセイラも望みの魔道書が手に入ったようで、嬉しそうにしている。
シスカは雷と氷に関する魔道書を、セイラは光魔法の応用に関する魔道書を見つけたようだ。
四人は店を出ると、シスカがミナトに尋ねた。
「ミナトは何も買わなくて良かったの? せっかくの貿易都市なのに」
ミナトは首を横に振った。
「俺はバルドさんから上等な剣をもらってるし、魔道具系も俺には役に立たないものも多いから、特に必要なものはないかな」
ミナトの言葉に、クレイグが少し考え込んだ。
「それなら、ミナトさん。魔獣の使役なんか、興味ないですか?」
クレイグの言葉に、ミナトは思わず目を丸くした。
「そんなことができるのか?」
「ええ、魔獣とはいえかわいいペットみたい感じですよ。でも種類によっては魔法を発動できる種類も居たりするので、ミナトさんが使えない魔法を補ってくれるかもしれないですね」
クレイグはそう言い、魔獣を取り扱ってる店へと案内してくれる。
ミナトはもまた魔獣がどんなものか興味が湧いてきた。
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