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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第二章 Sランクへの道のり 前編

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043 盗賊との対面

 零閃の狼煙は、エドガーと共にコロンの町を目指すのであった。


 王都を出て、コロンの町へと続く街道を馬車で進む。

 ミナト、シスカ、セイラ、クレイグの四人は、馬車の荷台に乗り込み、時折揺れる車内で会話を交わしていた。


「さて、盗賊に遭遇した際の役割を再確認しておきましょう」


 シスカが真剣な表情で切り出した。


「盗賊は大人数で囲んでくる可能性が高いわ。ミナトと私は前衛として、盗賊たちを撹乱しながら確実に一人ずつ戦闘不能にさせる。リーダーは、私が対応するわ」


 ミナトは頷いた。リーダーは上級魔導師クラスだ。

 確かに近距離、中距離に対応でき、なおかつ経験も豊富なシスカが適任だろう。


「俺はまだこの剣は使いこなせてないから、体術で対応する、とはいえ対人戦闘は少しばかり心得がある。ごろつきどもは任せておけ。片付き次第そっちに合流する」


 ミナトはそう言いながら剣を擦る。

 次にセイラが口を開く。


「私は遠距離魔法で援護します。範囲魔法も有効だと思うので、クレイグさんの防御魔法と連携して対応します」


 セイラの言葉に、クレイグが頷いた。


「私は防御優先で、皆さんのサポートにまわります。馬車への攻撃は防ぐので任せてください」


 全員がそれぞれの役割を再確認した。初めての本格的なパーティー戦闘。

 しかも相手は人間だ。魔物とは違う、狡猾な戦い方をしてくるだろう。


「そういえば、コロンの町ってどんなところなんだ?」


 ミナトがふと尋ねると、クレイグが答える。


「コロンの町は、貿易都市として非常に栄えていますよ。あらゆる行商人が行き交い、様々な商品が手に入ります。私も、父の工房で仕上げた武具などを卸しに行ったり、珍しい鉱石や素材を購入したりと、よく活用させてもらっています」


 クレイグの言葉に、セイラが身を乗り出した。


「貿易都市! ということは、魔道書なんかも手に入ったりしますか?」


 セイラの問いに、クレイグは笑顔で答える。


「ええ、たくさん行商人がいますので、中には珍しい魔道書や、魔道具を取り扱っている方もいると思いますよ」


「わぁ! 楽しみです!」


 セイラは目を輝かせ、期待に胸を膨らませた。シスカもまた、少し遠い目をした。


「私も雷と氷の魔法について、もう少し知りたいことがあるから、少し楽しみだわ」


 そんな会話をしながら、四人は馬車に揺られて進んでいく。

 時折、街道沿いに現れる低級魔物たちは、彼らの圧倒的な実力の前に、あっけなく退治されていった。


 王都を出発してから二日ほどが過ぎた。

 だいたいコロンの町までの道のりの半分くらいを進んできたところだ。


 周囲の景色は、王都周辺の平野から、徐々に起伏のある地形へと変化し始めていた。

 盗賊が襲ってくる可能性のある地点も近づいている。


 四人の警戒は、一層強まっていた――。


 その頃、街道から少し離れた森の中に、盗賊団のリーダーである男が身を潜めていた。

 彼の名はガゼル。上質な革鎧を身につけ、その手には闇の魔力を帯びた杖を握っている。

 彼の目は、宝具の双眼鏡のような物を通して、街道をゆっくりと進む馬車と、その護衛の冒険者たちを遠距離から観察していた。


「おいこりゃお宝の山じゃねえか。どれ、護衛は……たったの四人か」


 ガゼルは不敵な笑みを浮かべた。レンズを調整し、冒険者たちのギルドプレートを確認する。


「一人だけBランクがいるが、女じゃねえか。他のやつらはCとDか。顔も見たこともねえようなやつらだな。こりゃ楽勝だ。ギルドも商会も、俺たちを舐めてやがる」


 ガゼルはそう呟くと、背後に控える子分たちに声をかけた。


「おい! お前ら! 今日の獲物はあいつらだ! 全員で囲んで積み荷を奪うぞ!」


「了解です兄貴!」


 ガゼルの言葉に、10人ほどの子分たちが声を上げた。

 彼らはほとんどが複合魔法も使えないやつらだが、その数は脅威だ。

 ガゼルは馬車が通りそうな場所、特に見晴らしが悪く、奇襲をかけやすい地点を慎重に選んだ。


「この先だ。準備しろ!」


 ガゼルはそう指示すると、馬車が来るのを息を潜め、静かに待ち構えた――。


 ミナト達は護衛の数やギルドランクを、宝具により覗かれたことを知らない。

 だが馬車は、盗賊が待ち伏せする地点へと、ゆっくりと近づいていく。


「皆さん、ここら辺は起伏が多いので、見晴らしも悪く、盗賊が待ち伏せしていてもおかしくありません。より一層の警戒をお願いします」


 エドガーがそう言うと、ミナト達は頷き、周囲の警戒を強める。


「確かに潜伏出来そうなところが多いな。セイラ、索敵魔法は使えないのか?」


 ミナトが訪ねると、セイラは答える。


「使えるには使えるんですけど、人間は魔物みたいに魔力を垂れ流してるわけではないので、かなり近づいてからじゃないと、反応が分からないと思います」


「そうか。あとは待ち伏せをするくらいだから、魔力を隠蔽している可能性もあるか...」


 どうやら、先手を打つのは難しそうだ。

 ならば索敵するよりも、奇襲に備え、いつでも魔法を発動できる状態の方が無難だろう。


 しばらく似たような道が続き、警戒をしていると、ついにそのときがやって来た。


 突如、街道沿いの茂みから、複数の人影が飛び出してきた。

 彼らは粗末な武器を手に、馬車を取り囲むように現れる。


「止まれ! 命が惜しければ、積み荷を置いていけ!」


 盗賊たちの怒号が響き渡る。盗賊が、ついに現れた。


「大人しく積み荷を置いてい......」


「シスカ、いくぞ!」


 盗賊たちが喋り終わるのを待たずに、ミナトとシスカは飛び出した。

 セイラとクレイグも構える。盗賊はざっと10人程。

 そのなかに一人だけ気配が違うやつがいる。おそらくリーダーだろう。


「お前ら!やっちまえ!」


 盗賊団のリーダーの声と共に戦闘が始まる。

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