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異端魔力の召喚勇者 ~魔法の使えない勇者は冒険者の道を歩む~  作者: 水辺 京
第四章 Sランクへの道のり 後編

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116 ダンジョン探索依頼1

 翌朝、零閃の狼煙一行はギルドのテーブルを囲み、次の依頼の作戦会議をしていた。

 国営依頼は掲示板に張り出されているもの以外にも分厚い冊子にまとめられたものもあるため、それを参照し話を進めていた。


「Aランクになった途端選べる国営依頼増えたな……」


 ミナトがページをぺらぺらと捲りながら呟く。


「国営依頼は報酬が渋いからSランクを目指すような人しか受けないらしいわ。それもあってこれだけ依頼がたまってるって訳じゃないかしら」


「なるほどな……」


 シスカの説明にミナトは視線を冊子に向けながらも頷く。

 じっくりと眺め、依頼内容を隅々まで読み漁っていく。

 そして一つの依頼に目が止まる。


『未開拓ダンジョン探索、踏破階層により報酬変動』


 ミナトが眺めていると、横からクレイグも覗き込む。


「ダンジョン探索ですか!報酬は変動制……踏破階層次第ですか……でもダンジョンならマッピングは任せてください!」


 クレイグの言葉にシスカは頷く。


「確かにクレイグのマッピングがあればダンジョン探索はありかもしれないわね。潜れば潜るだけ報酬が増えるというのもやる気が出るわ!」


「ならこれ受けてみるか?」


 ミナトの問いに一同は頷く。

 そして、その依頼書をリビアの元に持っていくと「少しお待ちください」と言い席をはずすと、間も無くしてグレンが顔を出した。


「おう、お前らか。Aランクに上がったと思ったら早速国営依頼だなんて、精が出るな」


「Sランクが俺たちの目標ですからね。これからばんばん国営依頼受けますよ!」


 ミナトの言葉にグレンは「がはは」と豪快に大笑いをすると、話を続ける。


「おう、期待しているぞ!それで今回の依頼なんだが、要は未開拓のダンジョンを情報収集をしながら行けるところまで探索してくれと言うことだ。5階層まではすでにダンジョン発見時に探索をしたのだが……それ以降は危険と判断し引き返したというところで止まっている。Aランク、尚且つ国営依頼だ、それに達成目標も曖昧なため長らく放置されている案件でな……」


 グレンは一度言葉を切ると、数枚に束ねられた紙を差し出した。


「これが当時Bランクパーティーが記したの五階層までの地図とその他情報だ。ダンジョンの性質上、内部構造や出現する魔物が変わるということは無いだろうが十分に留意してくれ。潜れば潜るだけ、報酬は増えるがあまり欲をかきすぎないようにな」


 ミナトはそれを受け取る。


「ありがとうございます。当時のBランクパーティーが五階層までしか進めなかったということは、六階層からはAランクに匹敵する……ということですよね?」


「ああそうだ。それもあってAランク依頼となっている」


「分かりました。では準備を整えて出発しますね!」


「おう!頼んだぞ!」


 グレンは気合いの入る大きな声に大きく頷き、一行はギルドを後にした――。


 準備を済ませた一行は馬車に乗り込み王都を出立し、すでに一週間程が経っていた。

 王都から一週間……、それなりに長旅である。


 ダンジョン探索にかける時間や復路を考慮すれば一月弱はこの依頼に費やすことになる。

 だがAランクの依頼ともなればこの程度は日常茶飯事らしい。


「Aランクの依頼は数をこなすのはかなりきつそうだな。やはり期間と報酬のバランスを取ることが大事か」


 ミナトは一人呟いた。呟いたのだがそれはパーティーメンバー全員の耳に届いていた。


「それでいうと今回の依頼はやればやるだけなので、ダンジョンの深さにもよりますがかなり割のいい依頼かもしれないですね!」


「ですね!それにダンジョン踏破して、最深部にお宝が眠ってたりなんてことも……!」


 その呟きに返すように、セイラとメリアがにこっと微笑みながら会話をしている。


「未開拓のダンジョンである以上、その可能性は高いわね。まあそれが宝かどうかは分からないけれどね」


「お宝ですか……。少しわくわくしますね!でもいずれにせよ油断は禁物ですね。Aランク依頼、要はあのゴブリンキングに匹敵する魔物が現れることを想定しているということですもんね」


 クレイグのゴブリンキングと言う言葉に一同は気を引き締め直す。

 それだけにあの戦いは記憶に残る一戦だったのであろう。

 ――その後も馬車に揺られること数時間、目的地であるダンジョンに到着する。


「ここが依頼にあったダンジョンね」


 シスカが地図を見ながら指をさす。

 そこには廃墟と化した古びた屋敷がポツンと周りの平野に紛れ込み佇んでいた。


 そう。このだだっ広い平野に屋敷が一軒あるだけだ。なんとも不気味である。

 そしてどうやらその屋敷の地下が例のダンジョンへと繋がっているみたいだ。

 ミナトは辺りを見渡す。


「周りに魔物の気配は無さそうだな……。一度休憩をしてから突入するか!」


 その言葉に一同は頷き、軽い休憩を挟みダンジョンに突入することとなる――。

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