新惑星が生まれた朝
今小学生達の間で『ビー玉遊び』が流行っている。
各々が得意とするビー玉の技を見せ合い、技の良し悪しを評価するのが実に楽しいのだ。
大小様々なビー玉での弾き具合を研究しながら、新たな技で競い合う。
日曜日の朝はビー玉日和だ。
「今日もまた、研究に研究を重ねてビー玉を弾かせるぞ!」
「僕のビー玉だって、君の技を越えた動きを見せてくれるよ!」
小学生の中でもとくにビー玉が得意なリオとフユテルは、型破りなビー玉技を磨いていた。
「いくぞ!」
「そりゃあああ‼」
〈ビイイイ……ン〉
二人が弾いたビー玉が激しい音色を響かせて跳ねた。
その時、互いのビー玉が一瞬だけ消えた、ように見えたのだ。
「「ん?」」
皆は不思議な表情を浮かべたが、また元の表情に戻った。
光の加減で消えたように見えただけ、そう考え技は続けられた。
平成生まれの小学生達がまるで大正時代の童のようにビー玉で遊ぶ、遊ぶ、遊ぶ……もうすぐお昼。
だけど、ビー玉遊びは終わらない。
「さっきのってさ、怪奇現象?」
「なわけナイナイ‼光の錯覚だろう?」
「そうかな?マジで消えたみたいだった」
「もしそれなら、ミラクルじゃん!」
〈パアアアン‼〉
『お昼の情報お届けテレビです!
先ほど珍しい映像が届いたんですが、これです。
この動画ですが、まるで流星群が跳ね回るように見えませんか?』
「そりゃあああ」
「負けるか!」
「「「「どっちも弾け‼」」」」
〈パアアアアアアア……ン‼〉