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6話-種族固有スキル

二話連続です

さて、害虫駆除には殺虫剤しか思いつかないが、この世界の畑にはどの分量だけ撒いたらいいか分からないから使えない。となれば、手っ取り早く魂消咆哮で片づけるか。

(リアパイセン、頼む)

⦅承、音響範囲目標グランドワーム五匹⦆


「魂消咆哮!」


おかしい、一向にワームたちが倒れない。


(リアパイセン、スキルは?)

⦅行使済みです、まだ生きてるのはワームたちに聴覚がないからだと思われます⦆

(それを早く言えよ!)

⦅否、聞かれなかったので申し上げませんでした⦆


お前小学生かよっ!とツッコミたいのは山々だが、ワームたちが少しずつ村に近づいて行ってる。

でも、焦ることはない、他のスキルを使うまでだ。


適当に細切れにするか、「風破刃」


ワームたちを俺の無数の風の斬撃が切り刻む、はずだった。


⦅ワームの中には魔法耐性を持つ個体がいるためだと思います⦆


もっと早く言えよパート2!


(じゃあ、毒針でも使うか)


毒は適当にリアに任せるとして、針を飛ばすのってダーツみたいな感じでいいのかな?それなら経験がある。


なんと百発百中!リアが投げた時みたいに眉間には刺さらなかったが当たってたらどうだっていい。それにAIの正確無比なコントロールに勝てるわけないし、俺がリアを作ったわけだから実質俺の力だ。じゃあなんで今回は自分でやったのかって?それは男のロマンだ、投げナイフとか子供のころ憧れてたな。



「グランドワームはどこだ?」


あれ?あれって、ライルじゃん。


「おーい、ライル~!」

「マンドラゴラ、ワームたちはどこだ」

「あいつらならもう俺が倒したぞ」

「...まぁ、お前のことだ、ありえなくもないか」

「村の人たちに被害は出てないか?」

「あぁ、魔物討伐隊-隊長として礼を言う」


ライルがすげぇ畏まってる。なにこれ、怖い。


「そんな、礼なんていらないよ。俺はこの村の住民の一人だ、仲間を、家族を守るのは当然だからな」

「そうか、、今日は俺と一緒に飲まねぇか?」


う、お酒は無理だ。あまり美味しくないし、元々弱い。確かライルは酒豪で有名だったな。そんな相手と飲んだら飲まずにはいられないだろう、俺が酒にあまり強くないってことも知らないようだし。


「あぁ、いいぜ。お前の家で飲むってことでいいか?」

「あぁ、もとからそのつもりだった」


なんで承諾したのか...さっきの空気の中断るなんて俺には無理だった。でも、前世みたいに嫌な感じはしない。




「ライル~約束通り来たぞ」

「おぉ、そこらへんに適当に座っててくれ」


ライルの家には鑑定で何度も来ているが、夕食を食べに来たのは初めてだ。


ライルが布の上に皿に乗った野菜スティック、マヨネーズ、肉、そして酒を置いていった。



「じゃあ、乾杯!」

「おう!」


ここは躊躇ったらだめだ、一気に行こう。


グビッ グビッ グビッ


「ぷはぁー」

「良い飲みっぷりだな」

「はははは....」


やばい、もう酔ってきた。とりあえず野菜スティックを...うん、やっぱりうまいな。


「ライル、肉とってくれ」

「ほらよ」

「サンキュ」


マンガ肉は毎日食べてるのでこのボリューミーな見た目には慣れてきた。


酒が進み、ワームとの戦闘の話や、俺が生まれた後のことなどを話した後、ライルが立ち上がり、家の隅まで歩いていった。そして、何かを持ってきた。


壺...なんだあれ?


「これは俺のじいちゃんが大切に保管してた酒でな。でも、じいちゃんは先月亡くなった。今まで生きてきた中であんなに泣いたのは初めてだった。今まで、当たり前のようにいた存在の温もりを感じられなくなるなんて、いざ大切な人を失くすまで想像もできなかった。」

「.....」

「俺はもう大切なものを失いたくない、その一心でこの村の討伐体-隊長にまで成りあがったんだ。当たり前の存在が突然いなくなるなんてもう嫌なんだ。だからお前が村の被害を最優先に考えワームたちを安全かつ迅速に討伐してくれた時は嬉しかった。」

「そうか。」


ここで謙虚な姿勢を見せることもできただろう、だが俺はしなかった。相手が自らを素で語ってくれてるのに俺が仮面をつけてどうする。


「この酒をお前と飲みかわしたくなったんだ。付き合ってくれるか?」

「あぁ、今夜は徹夜でも何でもしてやる」

「ありがとうな」

「なぁ、なんで最近住み始めたばっかの俺となんだ?」


討伐隊の皆と仲を深めるための場として設ければ良かっただろう。


「今更そんなこと聞くか?乾杯の前なのに」

「いいじゃねぇか」

「そうだな...なんとなく、悪いか?」

「いや?お前らしいよ」


「「乾杯」」


「お前のじいさんが大切に保管してた酒だけあって美味いな」

「あぁ」



月明かりが窓から差し込み、俺とライルの寝顔を照らす。






あー、頭痛い、二日酔いまじ死ぬ...


昨日は夜遅くまで飲んでいた、気付いたら寝ちゃってたけどな。


二日酔い耐性スキルとかないのかな〜リアパイセンどうなの?


⦅......⦆


リアパイセンの無言の圧ってまじで怖いんだよな。


さて、今日はあの畑に行ってみようと思う。俺の植物魔法、大地魔法がどの程度のものなのか確認しておきたい。


「レイス、ロイ畑の調子はどうだ?」

「あ、マンドラゴラ。おかげでばっちりだよ」

「この畑って何を育ててるんだ?」

「人参、きゅうり、じゃがいも、玉ねぎ、ぐらいだな」

「平均でどれくらいで収穫できるんだ?」

「そうだな、大体3か月ぐらいだ」


ふむ、至って普通だな。だが、食文化を発展させていく上では収穫量、そして他の野菜の栽培も増やしていきたいところだ。そこで俺が思いついたのが、固有スキルだ。

植物魔法やら大地魔法やらと大層な名前がついているのだ、野菜の栽培ぐらいなんとかなるだろ。


「なぁ、ちょっと魔法を使ってみたいんだがいいか?」

「この畑に悪影響を及ぼす可能性がないなら構わないぜ、お前さんはワームも倒してくれたしな」


許可も貰ったことだし、さっそくやってくか。



今朝、二日酔いで頭が回らない中、リアパイセンに問い合わせた所、可能だということが分かった。

ここに向かう道中で、今回作る野菜の種はリアパイセンの指導の下作ってある。


大根、芋、トウモロコシ、この三つだ。今回の実験が成功したら少しづつ増やしていこうと思う。


「レイス、この畑で新しい野菜の種を蒔きたいんだが’、どこか空いてるスペースはあるか?」

「新しい野菜か、、植えさせたいのは山々なんだがな」


どうしたもんか...あ、そうだ!



「あっちの開けた場所使ってもいいか?」

「あぁ、特に使う予定もないし構わないぜ」



うん、野菜三種を植えるだけの広さはありそうだな。


(リアパイセン、大地魔法で畑って作れる?)

⦅是、可能です⦆

(じゃあここら辺をよろしく)

⦅承、固有スキル:大地魔法起動⦆


おぉ~これはすごいな、あっという間に畑ができたぞ。


「おいおい、マンドラゴラ。これお前がやったのか!?」

「あぁ、魔法でチャチャッと」

「さすがはワームを討伐しただけあるな」



種蒔きはレイスとロイにも手伝ってもらったおかげで、ものの一時間で終わった。


最後に行うのは魔法での植物急成長だ、これが成功すれば収穫量は今までの比じゃなくなる。


急成加(プラトラクト)


突如、さっき種蒔きをしたところから野菜がわんさか実ってきた。

たかが一回の魔法でここまで成長するとは、マホウスゴイ。



レイスとロイは固まったまま動かない。


「レイス、ロイこれを試しに食べてみてくれないか?」


そう言って俺は二人に大根を渡した。


「大根か、むちゃくちゃ美味い!」

「確かにこれは瑞々しくて美味いな」


よし、成功だな。


自分はトマトが好きです

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