自由を手に入れよう!
あれから数日。
「マリーゴールド様、信用のおける者を集めました」
そこには5人の少女達
スターシャ、ルナ、コリン、サラ、イリス
「「よろしくお願いします!」」
「こちらこそよろしくね、貴女達は特命をおびているのでお給金は2倍にするから」
「「えっ!!」」
「2倍では不服かしら?」
メアリーが口をはさむ
「お嬢様、待遇の良さに驚いているだけです」
「あら、そうなの?働きによっては特別ボーナスも出す予定よ」
「とりあえず今の仕事は私を虐げてタウンハウスにおしやること」
「そのようなこと・・」
五人はどう答えていいかわからない。
メアリーが
「とりあえず仕事を押し付けたらいいのよ。そうしたらあとは私がうまくやるわ」
「メアリー、ドレスを仕立てるわ、すぐにマダムシルフィーに連絡して。採寸表ももらいたいの」
「かしこまりました」
〜~~~~~~~~~
今日も仕事を押し付けられたていで床掃除をするマリーゴールド
「あら、公爵家の娘なのに惨めなお姉様。」
そう言ってコップの水をこぼすリリーシャ
「拭いときなさい!」
子供っぽいなぁとリリーシャを見つめる
「なによ!さっさとしなさい!」
黙って拭き始めるマリーゴールド
「ほんとノロマなんだから!風呂掃除もやっときなさいよ!」
そう言って去っていくリリーシャ。
嫌がらせも稚拙なんだよなー。なんか自分より圧倒的に弱い子に言われても腹も立たないわ
リリーシャはは学校、継母リリーナはお茶会、父様は仕事、昼間はマリーゴールドの自由になる
王都1の服飾店。マダムシルフィーが公爵邸にやってきた
「お久しゅうございますマリーゴールドお嬢様!!」
マダムシルフィーは先代、お母様のドレスをよく作っていたわ。ちなみに継母と異母妹のドレスは頑として作らない
「先代様そっくりになられましたね。はりきってドレスを作りますわ!」
幼い頃、母上様が生きていて頃はマダムにドレスを作ってもらってたわ、懐かしいわ
「マダムお久しぶりね。今回のドレスはきっと継母か、異母妹がキャンセルの連絡をすると思うのだけど、キャンセル受けたふりをして作ってちょうだい。お金はもちろん前払いするわ」
そういうとクロートが進み出てお金が入ったカバンを差し出す
首をふるマダムシルフィーユ
「お嬢様。今回のドレスはお嬢様のお祝いですのでお代はいただきませんわ」
「それはいけないわ!」
マリーゴールドが言ってもマダムは聞かない
「お嬢様はこれからきっと表舞台で大活躍されると思うの。そのときに私のドレスを着ていてくれたらそれで宣伝になりますから。」
マダムは屋敷の執事やメイド達がマリーゴールドについたのを見ている。でも噂はまだ出来が悪くて屋敷から出せない令嬢と思われている。
これは先行投資だ、マダムに先見の明があると、つながりがあると貴族に知らしめるための。
売上よりも信用が上がる。この商売、信用ほど重いものはない。
「それに今の私があるのは先代公爵様のおかげなの。だからお願いします。今回はプレゼントさせて」
「わかったわ、これから先マダムのところでしかドレスは作らないから、そのつもりでいて。そうね、王妃様にお会いする予定だからそれ用のドレスもお願いするわ」
「はい!こんな嬉しいことはありませんわ」
そう言って採寸してデザインを決めてマダムは帰っていった
〜~~~~~~~~
「なんてすって!マダムシルフィーがうちに来たですって!」
「はい、マリーゴールド様の服をお作りになるそうです」
メアリーがリリーシャに報告する
「私が頼んでも作ってくれないのに!なんでよ!
お姉様のとこに行くわ!」
そう言って肩を怒らせてズンズンと歩いていく。
「誰がマダムに連絡したの!」
「新人のメイドのようです。私がしつけておきます!」
メアリーがすかさず答える
「任せるわ!、お姉様見つけた!」
「あなた!何様のつもり!使用人と変わらないくせに!ドレスなんて着ることないのに!よりによってマダムシルフィーを呼ぶなんて!」
リリーシャは怒りに震えている
「私でも作ってもらえないのに!なぜ貴方なんかに!」
「ドレス作ってくれる人マダムしか知らないから仕方ないじゃない」
「なんですって!」
リリーシャの右手が上がる!
そこにメアリーが体を入れて
「だまりなさい!」
そう言ってマリーゴールドを突き飛ばした。
「リリーシャ様、昼間はマリーゴールド様が自由にされるのでいっそ、タウンハウスに追放してはいかがですか?」
少し思案するリリーシャ
「それもいいわね」
「もちろん好きにさせないために私が一緒についていきます」
「それはいい案だわ!」
リリーシャは下品な笑顔で
「聞いた?お姉様はあの使われてないタウンハウスに行って見張りとしてメアリーがついて行くんだって!もう自由にはさせないわ!ひきこもってろ!お母様に早速話をしにいかなくては!」
そう言ってリリーシャは走り去った
メアリーは頭を下げて
「お嬢様罰を与えてください」
「何言ってるの、ぶたれそうなのを庇ってくれたじゃない。それにタウンハウスに行けるようになりそうだし、ナイスアシストよ、メアリー」
そう言ってマリーゴールドは離れに帰っていった。
部屋に入ってしばらくするとリリーナが鼻息荒くやってきた。
「ちょっと!マダムシルフィーってどうゆうことよ!私のドレス作るように言いなさい!」
「ノックもせずに入るなんてマナーどうなってるのかしらリリーナさん」
「うるさい!いいからシルフィーを紹介して!」
「マダムは客を選ぶわ、ノックもしない人では紹介しても無駄よ。」
それに
「たくさんお茶会するほど友達いるんだからそちらで頼んで見てはいかが?」
リリーナは公式には公爵夫人と認められていないのでいつも取り巻きの下位貴族とお茶会をしている。
まともな貴族たちは相手にしないのだ、だからこそマダムシルフィーのドレスを着て一目置かれたい気持ちが強い。
「本当生意気で可愛げのない!今すぐ出ていきなさい!あのボロいタウンハウスに行くのよ!」
そう叫んでリリーナは出ていった。
「本当言葉が通じないわ、同じ人間とは思えないわね」
そこにルナやスターシャ、コリン、イリスがやってきて
「奥様から言われました。荷物をまとめます!」
そしてメアリーがやってきて、
「余計なものは持ち出し禁止と奥様の仰せです!」
そう言って荷物はトランク1つにまとめた。
もっとももうあらかたの荷物はタウンハウスの隣の家を買い取ってそこに入れてある。
マリーゴールドは屋敷を出ていく。お母様が死んでからなんの思い入れもないわ
そこにリリーシャがやってきた、
「お姉様、荷物それだけで追い出されるなんていい気味だわ、それとマダムにはキャンセルの連絡入れとくから」
「さっさと出ていって!」
マリーゴールドとメアリーは馬車に乗った。
「お嬢様ゆっくり行きますので」
御者はマリーゴールドに声をかけて馬車を走らせた。