魔法のお勉強
「これは何なのだ??」
重力魔法を解くとクリエルが
「おそらく重力魔法かと。近寄るマリーゴールド様に私の氷魔法を使いましたが無理でした。」
「これをどの規模で行えるのだ?」
マリーゴールドは少し考えて
「やったことないのですけど街一つ分くらい?」
「なっ!」
マリーゴールド、今は有効的だが彼女が王位を簒奪しようと思えば容易いのでは? 彼女を野放しにして大丈夫なのか?母上は知っているのか??
混乱する王太子にシャーロットが近寄り小声で
「お兄様は王太子として、次期国王としてマリーゴールド様を受け入れる度量を示すべきですわ。今は我らを友として接してくれています、新しいお菓子。新しい産業、農業を起こしています。他領に逃げたり敵対されたらどうなさるおつもりですか?」
「うむ、わかっているシャーロット。マリーゴールドが何ももたらさなくとも、母上の笑顔を取り戻してくれたのだ。それだけで私はマリーゴールドの友になりたいと思う。」
国のためを思うのは仕方ない。王族だから、しかしそれにこだわりすぎると人の心をなくしてしまうし、暴君になるだろう。人に寄り添わない王族に未来はない。
「お前すげーな!本当に何もできなかったぞ!」
エドワードがマリーゴールドの手をとった。
「エドワード!言葉遣いと距離感!」
マリアンヌがたしなめる。
「あ!ごめっ!じゃない。失礼しました!」
「・・・あわわっ」
マリーゴールドは手を離してもらったが、真っ赤な顔をして呆然としている
前世は喪女、今世は虐げられ同世代の男の人と接したことがほぼない。悪女ムーブかますし、からかうことはあっても、グイグイ来られるとめっぽう弱い。
何あの子!めっちゃ可愛いやん!
サミュエルの心はマリーゴールドのことでいっぱいになった。そして恋心を自覚してしまった。
マリーゴールドは赤い顔をしながらコホンと咳ばらいし
「今度は皆様の魔法を見せてくださいませ。その前に、まずエドワード様、疾風の魔道士この呼び方がダメダメですわ」
「なんで!かっこいいのに!」
エドワードが悲痛な声を上げる
「疾風と聞くと、風魔法が得意なのかな?とか、素早さに自信あるのかな?と容易に想像できます。風魔法で体の素早さをあげるのでしょ?殲滅の魔道士は範囲魔法得意なのかな?くらいしか予想できないのでまだいいのですけどね。」
エドワードは図星をさされて言葉に詰まる
「それではまず、水魔法と火魔法が得意な方来てください。」
火魔法はサミュエル様とマリアンヌ様、水魔法はエドワード様とクリエル様
「まずは火魔法と水魔法の威力を格段に上げます。」
皆が驚きの顔をする。そんな事が可能なのだろうか?
「うまくできれば水で岩が切れます」
「そんなことが可能なのか??マリーゴールド、お前は火魔法も水魔法も使えないのではないか?なぜそんなことがわかるのだ?」
サミュエルが尋ねる。
「ここだけの話ですが私は違う世界の記憶があります。詳しくは王妃様も交えて話ししましょう。さて、サミュエル殿下、マリアンヌ様、クリエル様、エドワード様、水魔法で岩を切る、火魔法で岩を切る、この魔法にいかほどの価値をつけられますか?」
「クリエル、そのようなことは可能なのか?」
「聞いたこともありませんしできるとも思えません。もし出来るなら価値は計り知れませんが、その知識が広まるとその対策も考えなければ。」
「水も火も基本的に考え方は同じです。普通に火魔法を使って、糸よりも細く細くするのです。できれば見えないくらいに」
「やってみるわ。」
皆それぞれやってみる
「魔力制御が難しいわね」
マリアンヌが炎を出すがなかなかうまくいかない
「マリアンヌ様、左手を借りますね。さぁ右手から強い火魔法を」
マリアンヌが右手から出す炎を、魔力をマリーゴールドが制御する。
どんどんと炎が小さくなり、そして岩を貫通した
「おお!!」
みんなの歓声が飛ぶ
1人佇むマリーゴールド。
マリーゴールドの様子がおかしいことに気がついたサミュエルが
「どうしたのだ?マリーゴールド」
「殿下」
そう言うとマリゴールドが岩に向かって手を翳し左右、上下に振った
「これが本来の威力ですわ」
マリーゴールドは皆の顔を見ながらそう言うと
岩がきれいに切断されていた。
「なんと!」
クリエルが岩を見る。
「これはすごい!私にも教えてください!」
そう言ってマリーゴールドに近づくが、そこにサミュエルが間に入る
「殿下?」
「クリエル、お前はマリアンヌ辺境伯婦人に教えてもらえ」
そう言ってサミュエルがマリーゴールドに向かい、その手を取った
「えっ?殿下?」
顔を赤らめるマリーゴールド
「さぁ。マリーゴールド、教えてくれ」
「ふ!不埒ですわ!き、急に触れないでいただけるかしら?」
「すまない、さぁ教えてくれないか?」
「わかりましたわ。さぁ魔法を使ってくださいませ」
そうやってマリーゴールドは皆に魔法を教えていった。




