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アンネマリー・ノワゼット侯爵夫人

誤字報告いつもありがとうございます。

アンネマリーは悩んでいた。


王妃からのお茶会の誘い。

しかも早急にとのことで、なにか意図があるのかと勘繰りたくなる


ふと、そんな考えになるほど疎遠になっていたのと、罪悪感がつのる。きっとローズマリーなら無邪気によろこんで飛んでいくことだろう。



「アンネ。なにか悩み事か?」



ガウディス・ノワゼット侯爵が声をかける


奥さんを病気で亡くされた後にアンネマリーが3年アプローチし続けた結果こうして無事婚姻することができた。


「えぇ、王妃様からお茶会の誘いが」



「学生時代の友達だったか」




「疎遠にしている上に私の周りの人が対立を煽るのでなんとなく気まずくて」



「アンネは何も思うことないのだろう?」



「もちろんよ。また昔みたいに気さくに話したいと思うわ」



「なら何も気にせず会ってきなさい。何があろうと私が守ってやろう」



「ありがとう、決心がついたわ、さすがガウディス様ね」



〜~~~~~~~~~~



あっという間にお茶会の日



「お久しぶりでございます王妃様」



ステラマリーは笑みをこぼして



「堅苦しいのは挨拶だけにしてね、今日は二人きり、メイドも侍女も護衛も遠ざけたわ」



なんと答えていいのかと思案しながら席を見ると椅子が3つある。そしてテーブルの上には食器のセットも置かれている


「もう1人参加される方がいらっしゃるのかしら?」



「それは後ほど説明するわ。さぁ座って。」



アンネは怪訝な顔をしながら座る



「早速で悪いんだけどこのノート読んでくれないかしら?」



「これは?」



ますます意図が分からないがローズマリーの日記を読む。



アンネは無言で読む。途中から貪るように、昔の記憶を取り戻すかのように、一心に読む



ステラマリーが静かに話し出す


「今日はね、ローズの命日なの。だからその席はね、ローズの席。また3人でお茶会したいってローズがね、忙しいって逃げて不義理ばかりのあたしのことずっと心配してくれてたの」



ステラマリーは泣いていた。




「不義理したのは私もだわ。ローズの辛いときに何もしなかった!何が淑女の鏡よ!何が国の至宝よ!私はこんなに醜いわ!」


アンネマリーは顔を覆って泣いた




ステラマリーはアンネに話しかける



「ローズはいつも人の幸せばかり願って、いつもニコニコしていたわね」


アンネマリーも、泣きながら答える



「えぇ、自分の幸せより人の幸せを喜ぶような方だったわ、でも世間知らずで行動的で。いつも眩しくって・・」




「私は今もずっと貴女を友達だと思ってるわ、周りがなんと言おうとも、私は3人の友情を信じてるの」



「ステラ、雰囲気が昔のように優しくなったわね」


アンネは少し驚いた顔をした。


「王宮で生き抜くためにね、片意地はりすぎてたのよ。何もない自分に自信がなくて虚勢をはっていたのよ、本当に愚かだわ」


2人はしばらく昔話に花を咲かせた。



少し落ち着いた時、ステラマリーが


「アンネ!すごいお菓子があるの!絶対気にいるから食べてみて!」


そう言って自らケーキを切り分け皿に載せた



「さぁ食べて見て!」




「これは初めて見る菓子ね、ステラ、いたずらしているときの顔になってるわよ、めっちゃ辛いとかだったら怒るから」


アンネは一口食べると目を見開いた!



「なにこれ?え?」



「ふふ、すごいでしょ?ショートケーキというの。そっちはプリンって言うのよ。まだどこにも売ってないわ」




「ねぇ、アンネ、お願いがあるのこのお菓子を考案した人に会ってほしいの」



「またいたずらする時の顔になってる。何かたくらんでるわね」



「ふふふ」




「マリーゴールド入ってきて」



マリーゴールドが入ってきて挨拶をする



「マリーゴールド・エリンシュタインです。」




「ローズの娘・・。」



アンネはあまりのことに頭が回らない



「このお菓子を開発して、私達を会うように説得したのがこのマリーゴールドよ!」


ステラはドヤ顔だ。



「そうローズの娘が、娘の貴女にまで迷惑をかけてしまったのね」



「さぁマリーの席を用意しないとね」



そう言ってステラマリーが椅子を持ってくる



「ステラ様、席は自分で用意しますから!」



王妃が椅子を運ぶなんて前代未聞だ!



「ステラ様呼び??」



「ローズの娘で私の恩人だものステラ呼びは当たり前のことよ」


またドヤ顔のステラマリー。


アンネマリーは目力強くマリーゴールドを見つめて


「私のことはアンネと呼びなさい。ローズとは私のほうが付き合いが長かったもの、当然だわ」



「え?」



「さぁ、呼んでみて」



「ア、アンネ様」



アンネマリー様が震えてる。どうしたんだろう?



「いいわ!私娘いないから、すごく新鮮!ねぇうちの息子と結婚しない?」



「えっ?」



ステラマリーが慌てて


「ちょっとアンネ!なに抜け駆けしようとしてるの!うちにも息子いるんだからね!」



「えっ?」


息子って王子じゃん!さっきから驚きすぎて えっ

しか言ってない。



「王子の嫁なんてなったらめんどくさいじゃない。ねぇ、マリーもうちの方がいいわよね。」



「私は気狂い令嬢ですので結婚は諦めてます・・。あ!それよりアンネ様これをご覧になってください」



そう言ってドライヤーとヘアアイロンを取り出し説明しながら実演してみた。


アンネマリーも気に入ってくれた。


今別室でアンネマリーの侍女にメアリーが使い方を教えている



「ますます嫁に欲しくなるわ、でもローズの娘だもの、無理強いはできないのが辛いわね。マリーゴールドが表舞台に立てば争奪戦がすごいことになるわよ」



「えぇ、そうなのよ。なんとかならないかしらね。王妃になるのが嫌なら婿養子にしてもいいわけだし。」



なんか不穏な話が聞こえてくるわ



「そうだ!あの話、アンネも行きましょうよ!すごく刺激的な話なの!」



「マリー、私を除け者にして面白い話は許さないわよ」


アンネマリーの目が輝いた。

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