前世の記憶で色々しよう
話が前後します。
話は少し遡る
タウンハウスが焼けた日
昨日未明、エリンシュタイン公爵家のタウンハウスが全焼した。火事の原因は放火。そしてタウンハウスの焼跡から複数の性別不明の焼けた遺体が発見された。その中にマリーゴールド・エリンシュタインが含まれているかどうかはこれからの調査待ちとなる、と新聞の記事
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エリンシュタイン公爵邸にて
「タウンハウスが全焼したっですって!!お姉様は??無事なのよね!??」
「わかりません。焼死体は見つかったらしいのですが、損傷がはげしく誰のものかもわからないそうです」
「そんな・・。嘘よ!お姉様は死んでないわ!」
リリーシャはうろたえている。
「リリーシャ、どうしたの?貴女マリーゴールドのこと嫌ってたじゃない?」
そう、なんでだろう?私はお姉様のこと嫌いだったわ、でも性格が変わってからのお姉様は嫌いでなかった。意地悪していておかしいけど嫌いでなかった。
そう、嫌いでなかったから
こんなに胸が苦しくなるのね
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一方グリーズは自分の部屋で頭を抱えていた。
マリーゴールドは死んだのか?死んでないのか?
はっきりしないと落ち着かない。闇ギルドに依頼してのがバレたのか?バレてないのか?
くそ!考えがまとまらない。とにかくこんな結果だ。依頼料は全額払わないと話をしなくては!
その頃、マリーゴールドはというと
寝ていた。
明け方までガッツリ動いてたくさん魔力を使ったから
「本当に心配かける御方。無事で良かったわ。私も冒険者になってお嬢様についていこうかしら?足手まといにならないにはどうしたらいいかしら?」
メアリーはずっと心配そうにマリーゴールドの横につきそっていた。
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それから数日後。メイドの家族達がマリーゴールドの家にお忍びで集まっていた。
「はじめまして、私がマリーゴールド・エリンシュタインよ、皆様から送っていただいた食材を私が考案した料理の一部でおもてなしをしようと思います。」
そう!異世界といえば定番のあれ!
「まずは鳥料理です」
前世でいう唐揚げだ。何種類か作って見た。ついでにチキンカツも
一同どよめきが起こる!
「これは!初めて食べる味だ!うますぎる。どうやって調理しているのだ?」
「ギルベリー子爵、鳥の餌によって鶏肉も味が変わると思うの。試験的に餌を指示したとおりにしてもらえるかしら?そしたら定期的に鳥や卵を高値で取引するわ。」
「わかりました!」
続いて牛。
「ハンバーグという料理ですわ。これは牛と豚を使っています」
「これもうまい!これなら子供や歯の悪くなった年寄でも食べれる!」
ええ、そりゃー美味しいよね。
お次はデザート。
この国には焼き菓子はクッキーくらいしか甘味はないのよ、お茶会とかしてるなら、お菓子は開発されたそうな気がするんだけど。
「次は甘味になりますこちらはプリンです。」
一口食べて無言。一呼吸おいて
「なんだ!この滑らかさ!そこの茶色いソースとの調和も完璧ではないか!」
イリスの家の菓子職人が驚愕する。
「もう一つ甘味があるのですけど。」
そう言ってショートケーキを出した
「これは!白に赤い苺、見た目も完璧ではないか。味は??」
正直スポンジよりも生クリーム再現するの苦労したのよね。遠心分離機の試作品でなんとか食べれるレベルのものができたわ。
「か、革命だ!なんだこれは!」
素人の作ったケーキです。
「ご満足いただけましたか?ふふふ、まだまだ皆さんに紹介していない菓子や料理はありますのよ。」
「まだ未知なる食べ物があるというのか・・。」
「さて、皆さんこれらのお菓子や料理を飲食店で売りだす予定です人手をお願いしたいのだけれど」
「これらのお菓子のレシピを教えてもらえるのですか???」
「そうね、私の大切なメイドの家族ですもの。私は身内と思っていますけど」
「やります!やらせてください!領地から何人でも連れてきます!」
「ええ、王都で店を出し、ここで覚えて、領地に帰って店だすしてもいいと思うわ」
「これだけのものになると高位貴族がレシピを強請って来るかもしれません、どうしましょう?我らでは太刀打ちできません。」
「私に考えがあるわ。とりあえず1号店を出すまでは貴族たちも何もできないから、安心して。」
そうしてどの家からも料理人や菓子職人を派遣してくれることを約束して帰っていった。
「みんな、忙しくなるわよ。」