友達ができた!
「マリーゴールド・エリンシュタイン、確かタウンハウスが焼けて行方不明となっていたはず」
クロフォードがつぶやく
「ちょうどいいから火事のタイミングで姿をくらませて自由にしようかと思いまして、いずれ貴族令嬢に戻りますのでその時はよろしくお願いしますわ」
「必ず力になりますわ!貴女の強さを尊敬してます!私と友達になってください!」
セフィリアがものすごい勢いで話してくる
「とっ、友達はよろしいのですが、お願いがありますの。鎧の騎士の正体を探るものが出てくるでしょうけど、なんとかならないかしら?」
考え込むセフィリア
「お嬢様、ユーティス家の客分と言えばよろしいかと」
クロフォードが口を挟む
「いい案ね、ユーティス家の名を使いましょう!ギルドになにか言われればセフィリアを通せと言っておいてください」
「助かりますわ、セフィリア様」
「セフィリアと、呼び捨てにしてください。」
「えっ?」
「セフィリアとお呼びください」
ん?なんだろう気恥ずかしい
「セ、セフィリア、ありがとう」
満足げなセフィリアはマリーゴールドの手を取り
「もう共に戦った仲間で友達ですから親友と言っても差し支えないですわね!!」
「そ、そうなのかな?」
友達できたことないからわからないけど、
「お嬢様に友達が・・・」
涙ぐむメアリー。
そういえば、友達できる環境じゃなかったなー。
「失礼します!」
そこにパスカルが入ってきた。
「お嬢様、ギルドの職員がやってきました」
マリーゴールドは兜をかぶり
「そう、なら報告しに行きましょうか。」
そう言って立ち上がった
〜〜〜〜〜〜
「この魔獣をすべてDランクのパスカルさんのパーティーが討伐したのですか??」
セフィリアが職員に
「黒い鎧の戦士が総て討伐した」
「えっと、名前は明かせないと。では黒騎士様とお呼びしますね」
魔獣の山を見てギルドの職員達が圧倒される
「他のパーティーが狩ったと言われる魔獣の口の中を必ず確認してください。黒騎士様が討伐した魔獣の口の中にはこの紙を噛ませています」
メアリーが職員に言って取り出したのは黒騎士の絵が書かれた小さな紙。
「なるほど、黒騎士殿の後をつけていながら魔獣を触っていたのはこのためか。確かに私は倒したあとに彼女が魔獣の口を触っているのを見た。」
セフィリアがそうつぶやくと
「セフィリア様がそうおっしゃるのならそのように」
「いや、黒騎士殿の戦い方を見て黒騎士殿の敵にまわる冒険者はいないだろう」
「何と言ってもこちらの全てのオークメイジ。オークジェネラル、オークキングを討伐したのも黒騎士殿だからな」
「オークキング!!真っ二つじゃないですか!!皆の援護のすえ、トドメを黒騎士様がさしということですよね??」
「違う、全て黒騎士殿の単独討伐だ。私は力不足だった。」
セフィリアが悔しそうに顔を歪める
「それは違います。私達が訪れた時は見事な指揮で冒険者をまとめ上げ、オークメイジの奇襲に対応しておりました。セフィリア様がいらっしゃらなければ黒騎士様は間に合わず麓の街に甚大な被害が出たことでしょう」
メアリーがフォローする
「単独討伐、にわかに信じがたいのですが・・」
「黒騎士様は冒険者登録しないのですか??ギルドの損失になります!ご要望にはできるだけ答えます!話をさせてください!」
職員がグイグイ来る。
「パスカル様をSランクにして討伐依頼をかけるとかそしたら黒騎士様も無視できないのでは?」
なんか物騒なことを呟く職員もいる。
「黒騎士様が登録できるよう特例を出しましょう!」
ここはギルドの会議室かい!
「黒騎士様はユーティリス家の客分となります、登録するかしないかは黒騎士様次第ですけど、とりあえず魔獣の精算をしましょう」
職員達が冒険者達の倒した魔獣を調べるとやはりマリーゴールド達が倒したと思われる物が多数見つかった。
どの冒険者達も黒騎士が倒したものですね。黒騎士様とセフィリア様と敵対されるのですか?
と確認すると皆素直になった。
最終的に
オークキング1体、オークジェネラル4体、オークメイジ6体、オーク36体、ゴブリン136体
「精算はギルドの方でお願いしまが、どちらにしても全額は無理です。すぐに用意できるお金をお支払いし、残りは後日ということでよろしいですか?」
よし!お金ゲット!これで色々動けるー。