少女の心の本音は言うべきは今
その翌日……、一緒に学校に登校する政春達と常之。そんな常之は、昨日のこと、猫江のことについて言った。
「飯坂が、昨日あの上井という先生と一緒に帰っていた?」
「車でどうやら帰ったらしいそうで……。でも、なぜか悲しい顔をしていましたよ」
「……」
猫江は、上井という先公に何やら変だった。
(飯坂のやつ、やっぱり何かあの上井先生にされているのか?小三郎に言うには、ストーカーみたいって言ってたが、まさかな……)
そう考えていると、目の前に猫江がいた。
「若、あれは飯坂さんじゃないですか?」
「!本当だ!」
政春達は、猫江に声をかけた。
だが……。
「……」
なぜか、無視されていた。
「無視かよ……」
成三は、腕を組んで少しイラっとした。
「あいつ……、まさか……」
「春ちゃん?」
政春は、嫌な予感を覚えていた。
政春は、一人で図書室に入った。そこに、猫江の姿があった。
「飯坂」
「!だ、伊達君……」
猫江は、ビクッと驚いた。
「今日も、本を借りに来たのですか?」
「……」
政春は言った。
「飯坂、本当のこと言ってくれ」
「え……?」
「お前、何か隠しているんだろう?」
「そ、それは……」
「常之から聞いた、お前……、あの先公と何かあったんだろう?」
猫江はこれに、言い逃れはできなかった。
「……わ、私……。上井先生に脅されたのです。あの人、私の弱みを握って…、着替えているところ見られていて、これを学校中に公表したくなかったら、付き合えって言われて…」
「パワハラとセクハラか……」
「どうすればいいのか、分かんなくって……」
「どうして、こっそりと誰かに相談しなかったんだ?」
猫江は理由を言った。
「私は、内気ですし……、コミュニケーションできません。なのに、皆さんに巻き込まれたくないのです…。私は、何もできないただの操り人形です……」
「飯坂……」
これに政春は心に怒りが来た。
「あの野郎……、許さねぇ……」
猫江の涙に、上井の行動に政春は許さなかった。
しかし……。
「いいんです、伊達君…。私だけ、上井先生に従っていれば、もう……、それで……」
これに、政春は…。
「それでいいのかよ……」
「え……?」
「このままあの上井の言いなりになっていいのかよ!……いいわけないだろう!ずっと、あの先公の操り人形のままでいいのか?よくないだろう!」
「私は……、だったらどうすればいいのですか?こんなの、どうしたら……」
政春は言った。
「今なら間に合う、相談しろ」
「……!」
「お前の本音はなんだ……?」
猫江の本音、そのことに猫江は答えた。
「どうか……、助けてください……」
「……その言葉、竜解部が受け取った。飯坂、お前の操られた心……、解き放ってやる」
猫江からのお願い、政春達は小三郎たちを呼び、上井を懲らしめる作戦を始めた。さらに、猫江も協力して、上井の行動をこっそりとやっていた。
そして……、翌日に決行することになった。
つづく