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119.レジェンド大会への招待状

 それから更に時は流れ、十二月が訪れた。その頃にはもう俺の停学も明けていて、様々な大会に俺らは出場していたんだ。そこでも俺らは順調に勝ち星を上げていって、更に実力と知名度を上げることに成功し、そして遂には……


 ────


「みんな、集まってくれてありがとう。今日俺がみんなを呼んだのは……大事な大事な発表があるからなんだ」


「……」


 実家のような安心感でお馴染み、ここクランハウス。仲間のみんなは椅子や床に座って、俺の次の言葉を待っていた。そして俺は意味深に数秒間黙った後……胸ポケットに隠していた手紙を二本の指でズバッと取り出して、こう言ったんだ。


「ふふ、なんと……サイコー学園から俺達『チーム神谷』にレジェンド大会への招待状が届きました!! はい拍手!!」


 そしてそれを見て聞いた彼女らは各々喜びの声を上げつつ、拍手をしてくれたのだった……がそんな中、少し浮かない顔をしている少年が一人。


「……なぁ神谷。水を差すようで申し訳ないんだが……」


「ん、どしたの蓮? 嬉しくないの?」


「いや、そうじゃなくて……本当に今更なんだが。僕らのクランの名前って『チーム神谷』になっているのか?」


「あー……」


 痛い所を突かれたと、俺は頭を掻く……そして申し訳なさそうな顔を見せて。


「えっと……それはね。最初は仮でそうやって付けていたんだけど、いつの間にか名前の登録期限が来ちゃってて……それでこうなっちゃったんだよ! 許して!」


 俺はパンと音を鳴らし、手を合わせてみんなに謝ったんだ。


「……最悪じゃねえか」


「本当にごめんよ……でも俺だって色々カッコイイ名前考えていたから、ショックだったんだぞ! 何なら俺が一番悲しんでた説まであるぞ!」


 俺だってクランを作ったころは、どんな名前にするか寝ずに考えた夜もあったんだぞ! 漆黒のなんたらとか、混沌のうんたらとか……センスが厨二だって? うるせー!! いつまでも男は少年の心を持っているんだよ!!


 ……それで藤野ちゃんは「んー」と一言発した後に。


「まぁでも、このクランのリーダーは神谷君だし。この名前も分かりやすくていいんじゃないかな?」


「うんうん、そうだぞレンレン! 海賊だって『麦わらの一味』とか『白ひげ海賊団』とか呼ばれているじゃないか!」


「名作漫画を引き合いに出すな……それに神谷の特徴をもじって名付けるなら僕らは『女好き海賊団』を名乗ることになるぞ?」


 それを聞いた朱里ちゃんは、ゆるっと笑って。


「ふふー蓮。それよりは幾分かマシなんじゃないの?」


「…………かもな」


 何とか朱里ちゃんが蓮を説得してくれた所で、俺は話を元に戻したんだ。


「と、いうことでレジェンド大会についておさらいをするぞ! ちゃんと聞いててくれ!」


 そして俺は長らく使っていなかったホワイトボードの前に立ち、キュッキュッっとペンで文字と簡単なイラストを描いていくのだった。


「まずこの大会は招待制で、クランの年間ランキングトップ20に入ったチームだけ参加資格があるんだ。俺らも年間ランキングの上位に食い込むことが出来たから、招待状が届いたんだよ!」


「上位っつっても……僕らのクランは確か七位とか、そのくらいじゃなかったか? 果たしてそれは上位と呼ぶのか……?」


「神ちゃんって最強名乗っている割には、まだ一位取ってなかったんだね。なんだかちょっと残念かも……」


「ちくちく言葉は止めなさい!! あと俺、個人ランキングは一位取ったこと何回もあるからな!?」


「……おお~」


「煽ってるの!?」


 そこで俺の味方をしてくれるように、真白ちゃんが会話に入ってきて。


「それは仕方ないんですよ、花音さん。私達が公式大会に出始めたのはかなり後になってからのことですから、他のクランと比べて大会の出場回数が少ないんですよ」


 そして続けて朱里ちゃんも。


「それに出場した大会は全て優勝してるし。だからポテンシャルは、どこのクランよりも優れていると言えるんじゃないかなー?」


「まぁ……確かにそうだな。それにレジェンド大会に出場するチームは、二年三年を中心に固めた歴史あるクランがほとんどだ。こんな一年がノリで作ったようなクランこの大会に参加しているのが、普通に考えておかしいんだよな」


 俺は蓮を指して、同意する素振りを見せる。


「そうそう! それにこの大会で優勝が出来たら、本当に最強のクランを名乗れるって考えたらワクワクしてこないか!!」


 それを聞いた藤野ちゃんは、ちょっとだけ不安そうに。


「ワクワクというよりはガクガクだよぉ……いくら神谷君がいるとは言え、私達も大会に出なきゃいけないんだよね?」


「そうだね! ……でも心配しなくても大丈夫さ! 俺らが負けることなんて、万が一にも無いんだからさ!」


 あっけらかんと俺は言う。初期の頃ならば、この言葉は全く信じてもらえなかったかもしれないが……今は違う。俺らには実績が、そして固く結ばれた絆があるから、俺の言葉を疑う者は誰一人として存在していなかったんだ。


 そして白い歯を見せながら、透子ちゃんが俺に聞いてきたんだ。


「へへ、自信満々だなシュウイチ。それでどんなゲームが行われるんだよ?」


「うん、説明しようか! まず大会は三日間の予選があってね……それで勝ち進んだ人が決勝戦に出られるようになっているんだよ!」


「三日って……そんな長時間、何をやるんだ?」


 『その質問を待ってました』と言わんばかりに、俺はホワイトボードをペンで叩き……そしてこうやって口を開いたのだった。




「それは島全土を使った、超壮大で大規模な宝探しゲーム……『チケットトレジャー』が行われるんだっ!」

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