第53話 【#みっか組定期連絡】ベルさんと京ちゃんと私の雑な配信【しなぷす】
なんとなく、第2部スタートみたいな気持ちがあります。
よろしくお願いします。
「なんかこの3人でやるの、久しぶりな感じがするね!」
「特にかなたが忙しかったんやけどな!」
「そうですね、私達も忙しかったですけど、かなたさん程ではなかったですね」
「いやいや、そんなことないよ! 2人もコラボとかあって同じくらいの忙しさになってたでしょ!」
「それは嘘や」
「それは嘘ですね」
「息ぴったりだね!?」
なんてコントをかましつつ、配信の準備は整った。さて、配信を始めよう!
* * *
「こんふぃな! フィーナだよ〜!」
「こんべル! ベルですわ!」
「こんきょう! 京やで!」
みんなで挨拶、なんか随分と久しぶりな気もするけど、まあ、気にしない方向で!
配信始まりの挨拶をぶちかますと、相変わらずのリスナーのみんなのコメントが届く。
『始まったぜ!』
【¥5,000 これが見たかったのよ】
『来たわね』
『待ってたよ!』
『みっか組じゃー!! 祭りじゃー!!』
牛タン祭りだ祭りだ、わっしょいわっしょい! 牛タンじゃないけど、言わなきゃいけない気持ちになったんだ!
と、ここで挨拶の流れに乗ってくれたはずの京ちゃんが、あれと声を上げる。
「……いや、こんきょうってなんやねん。ついノリに乗ってしまったけど、ウチらいつにも増して挨拶適当すぎん?」
「やー、そんなことないでしょ! いつも通りだよ」
「いつも通りであってたまるかい!」
「ふふ、“いつも通り”でいいですね」
「ベルもフィーナを抑える側に回ってもらわな困るからな! 後悔するよほんまに!」
ほまーに? 後悔させませんで! 悩んでる人を助けたいじゃん! 助けたいだぁ!
『抑える必要あるか? ないよな!』
『まあ、いつものことだしw』
『いつもとは』
いつもってなんだろね! まだ新人なんでよくわかんないですね! ぬいぐるみを抱いて寝ませんか!?
「えーっと、そうしたら今回も私、フィーナ・アストライアが進行していくよ! ……って言っても、3人で話すということしか決めてないけどね!」
『ノープランいいじゃん』
『これが雑談配信よ』
【¥1,000 ひつじさん】
『構わんよ』
『ひつじさん……?』
ひつじさん……? 脳死が過ぎない……?
……まあいいけど!
「そうやね、ウチらも初配信から少し経ったわけやけど。最近のトピックスなんかあった?」
「それなら、フィーナの司会の件ではないですか?」
『それだな!』
『ちょっと前にやったもんね大仕事』
『あぁ、ライブリポートね』
『新人に任せるレベルの仕事じゃないのよ!』
『さてはフィーナくん、しなぷすと癒着した?』
「事実無根の噂やめなー! 癒着っていうと言葉が悪いから、企業戦略とか、先輩とのコネクションとか言って欲しいな!」
「赤裸々すぎるんよ。語るな語るな」
コネクションは大事なんだよ京ちゃん! 先輩とのコラボで認知してもらおうとか考えてるわけでは一切なく、先輩の好意に甘える大作戦なだけだから! ありがとうレインちゃん!
『フィーナくんさぁwwww』
『杞憂民が沸いてしまう!』
『誘ったのはレインちゃんだっけ?』
「そー! レインちゃんが私をリポーターに推薦してくれたみたいでね。なにが琴線に触れたのかさっぱりなんだけど……」
ほんとに、なんで私をご指名いただけたの? ご指名ありがとうございます〜! 今宵は僕のこと、独り占めー以下略!
「え、そらフィーナの人柄とかあるやん?」
「え、あ、京ちゃん、そんな真剣なトーンで言われると流石に照れる……!」
「……あっ、違うから、褒めたわけやなくてな?」
『バッチリ褒めてるんよね』
『褒め以外の何物でもなかったよね?』
【¥50,000 急なてぇてぇは草】
『かわいいね京ちゃん』
『5万もなかなかの草』
「リスナーッ!」
無慈悲。
でも、京ちゃん褒めてるからね? 私としては非常に嬉しい気持ちでいっぱいでね、抑え切れないよね! んんん、ごむごむのぱーんち! 痛いよ!
「まあ、今のは完全に素で褒めてましたものね……京ちゃん可愛いです」
「味方がいないんやけどっ!」
「違うよ〜みんな味方なんだよ京ちゃん!」
『ソウダヨ、ボクタチミカタ』
『コワクナイヨー』
急にカタコトになるなぁ! でもリスナーの力で京ちゃんを囲おう! 引いたら今日の配信は終わりです!
「そっ、それで、リポートしてみてどうやったん!?」
『露骨な話題逸らし……』
『わかりやす……w』
【¥153】
お賽銭かな?
ともかく、あの時のことを思い返しながら話してみよう。
「んーそうだねぇ、実際にライブの会場まで行ってやったわけなんだけど、ぬいぐるみを渡されてね、『これでリポートしてください』って感じで! ものすごいディレクションが飛んできて困惑したよね」
ほんとに、適当なのよ。もしくはこの指示だけでやってのけるという信頼のもとだったのかはわからないけど。
たまたま求められているものに合致した結果なのかなと、私個人は解釈しているけど、いかがか! あのオタクムーブが活躍したってことで!
私がぬいぐるみを動かすという離れ業をやってのけた話を聞き、驚いたのはベルさんだ。
「あっ、あれフィーナがやってたんですのね?」
「そうだよ、私がふわふわ動かしてたからね!」
『っていうか、あれスタッフが動かしてるもんだと……』
『え、あれって人力なんですか!(棒)』
『フィーナの不思議パワーだよ! 何言ってんだ!(過激派)』
スタッフさんじゃないよ、私だよ!
「でね、ライブも実際に観に行って最高だったって話は、『ウラバナシ』の方でしてたかな? うん、先輩方と話すのすごく緊張しました!」
なにせ1番後輩の私と、推しの斜向翠さんとで、まとめなきゃだったわけだしね! 私は話を転がす方向で頑張ってたけど! 翠さんの力が大きいんじゃ!
『そらみんなビッグネームやし……』
『1期生に2期生、【D'ream】に、めばえちゃんもいるんじゃなぁ』
『豪華なゲスト陣だよなマジで』
『その中で1番態度デカかったの、るうちゃんというw』
『それはそう!』
『るうちゃんは先輩ともあんな感じだから、オッケーなのよ』
「るうさんは、アンジェラさんとの絡みがおもしろいですわね。名コンビ、という感じでお似合いで」
「【天使と悪魔】の2人って、トークも歌もバランスいいから困っちゃうね!」
「めっちゃ笑顔やん」
『フィーナ困ってないww』
『笑顔でサムズアップしてるところまで、容易に想像できるわwww』
正直、司会者の立場からすれば、あの2人いると助かるのよ! アンジェラさんは真面目に答えつつもツッコミを入れてくれるし、るうちゃんは他のライバーさんに絡みに行ってくれるので話に入っていきやすいので、とてもよい!
『しなぷす』でも前線に立ってるだけあって、会話を円滑にしやすくて、いて助かる方々なのは間違いない。
「まあ、そんなフィーナは置いておいて……私達もウラバナシを見ましたけど、特に『ネコババした祈里さん』のエピソードが好きでしたね』
「裏側だと先輩方がはっちゃけてるのおもろかったな。結構裏側の話がたくさんあって、ライブの雰囲気掴めたし、バラエティーっぽいノリも好きやったしな」
待って待って、話に乗り遅れる!
温かい感情に浸りすぎたので、心を強く持って現実に引き戻す。俺はこの時のために、ポーカーフェイスを、演じてキタァ!!
「そうだね! いろんな裏話が聞けて、ライバーになってよかったなと思ったよね! ビバ特権階級!」
「そうではないんやが」
あれ、乗り間違えた? ノリノリで乗っちゃったよ。
『そこなんだw』
『違う、そうじゃないww』
『特権階級やりおるわ』
『ライバーになった理由ってそういうこと……?』
「いや、うん、それは、まあ、ね? 他にもちゃんとした理由はあるからね!」
自分本位ながら、しっかりと自分の願望に基づいた理由はある。先輩と仲良くなれるからライバーになったわけじゃない! 期待しないでもなかったけど! 燃やさないで!
「そらそうやな。で、フィーナはそんな感じで忙しかったわけやけど、ベルはどうやった?」
「そうですね、私は……ほどほどですわね。コラボもしましたし、私の話を少しずつ見てもらえていますし」
「あ、それってあれだよね。『ベル・イエリスの物語』ってやつだね! あの展開はちょっとびっくりした!」
私がてんやわんやしている間も、もちろんベルさんと京ちゃんの配信はあったわけで。
ベルさんは、彼女が紡ぐ物語をまた1ページ進めているようだ。私も見ました!
衝撃の展開だったからね!
『たしかにな』
『まさか、英雄さんが出てくるとは……』
『異世界組のストーリーでの絡みってので驚いたわ』
そう、英雄──ゼクス先輩の登場に、ストーリーを追っていた私や従者のみんなは沸いたという話である。
「私の原点と言いますか、あの出会いがなかったら……というお話ですわね。幼い頃の話ので恥ずかしいのですけれど」
「ロリベルさん可愛かったよ! 私も知らないベルさんだったから新鮮だったし」
「小さい頃はあんな感じだったんやなってなったな。あと、ロリベルってなんやねん」
「え、コメント欄でめっちゃ言われてたよ! ロリのベルさんだから『ロリベル』とか、『チビベル』とか!」
ベルさんの言の通り、今回配信されたストーリーでは、ベルさんの幼少期の姿──ロリベルさんが姿を現していた。
その幼少期のベルさんの呼び方についてはかなりの議論が今日まで交わされているわけなんだけど、まあ、私はロリベル派ですかね!
「呼びやすければいいんですけれど、言いにくくありませんか?」
『そういえば、フィーナはベルと元から知り合いだもんね』
『言いやすいし、覚えやすいZE!』
『俺からすればまだ地味すぎるZE☆』
もっと腕にシルバー巻くとかさ! じゃないんだよ! ノリがいいね君たち!
「実際言いやすいのはわかる! 私はロリベル派かなー! 京ちゃんはー?」
「ウチは特にそういうのはないな。ベルはベルやし」
「……京ちゃん、そういうのが聞きたいのではない」
『違う、そうじゃない』
『巫女殿、そうではない、そうではあらせられないんだって』
『派閥争いには一石投じないと、そういうことですね?」
『やだ!』
『聞き分けのない子供きたね』
「え、なんでウチ責められてるん?」
なんででしょうね? 本人置いてけぼりで議論するのがみんな好きなんだよきっと! あと、子育ての1番大変な時期の子が来たんだが! 私達、困っちゃうよ!
「えーっと、そうですね。私としてはどちらでも……というかお好きなようにという感じですかね」
「おっ、許可降りたぞ!!」
【¥5,000 許可助かる】
『ありがとう、許可してくれて』
『こっちで勝手に争っとくから安心して!』
【¥2,434 許可代】
「……? えっと、はい、構いませんよ?」
「反応が薄い!!」
そして判断が早い! 鱗◯さんもびっくりだよ!
そんなすったもんだがありつつ、話題は京ちゃんの最近の配信について。
「そうやね、ウチの歌も少しずつ出せてきてるな。たしか3曲やね、公開してるのは」
京ちゃんが現在公開してる『歌ってみた動画』は全部で3つ。順調な滑り出しというやつである。
『歌みた出せてえらい!』
『こう、徐々に出してきてくれてほんまにありがてぇのよ』
『公開してるのは……? それはつまり、そういうことですか?』
【¥10,000 歌みた助かる代】
「いや、ここに投げても京ちゃんには届かないよ!?」
もうすでに京ちゃんとベルさんの収益化は通ってるから、そっちに送ってもろて!
そう、私が収益化通ってから、すぐくらいには申請が通っていたので、スパチャを投げたりお祝いしたりなどしたわけです!
おめでたい!!
「ま、今回は譲ってやろう」
「そんな気楽な! ……ありがたく頂戴します!」
『考えた上で受け取ったぞww』
『がめつい、がめついよフィーナwww』
『しかたないよ、貧乏だもの……』
誰が貧乏じゃい!!
「貰えるものは貰っとかないと損でしょーが!! 後日、京ちゃんには1万円相当のお礼するから!!」
『お礼とは……?』
『お礼?』
『なにするんすかフィーナさん』
「それはわからんけど! 京ちゃん何かして欲しいことある!?」
「そんな急に聞かれてもなぁ……そうやなぁ……うーん……」
私もちょっと急だったかなって思うけど、して欲しいことがわからないのよ! 熱々おでんをハッカーと伝説のバットと共に見守るってのはどうかな!
トンチンカンなことを考えていると、救世主ベルさんが手を差し伸べてくれる。
「それなら、京ちゃんの歌にフィーナが参加するのがいいんじゃないです?」
「それだ!!」
『天才の発想』
『ベル様やりおる』
『あなたが神か』
『ベル様、貴方にお仕えさせていただけて光栄です』
『従者が混ざっておられるwww』
こっちは勝つことより他人を蹴落とすことを考えてんだ!! ということで、乗るしかないこのビッグウェーブに!!
「謹んでお受けさせていただきます」
「なんでフィーナもその口調やねんっ」
「あうー」
みっこみこにされてしまう〜!
「ふふっ、そういえば、京ちゃんが歌った歌には先輩とのコラボ曲もありましたわね」
「そうやね、アンジェラ先輩とのコラボでやらせてもらったんやけど、もう圧倒されとったわ」
そう、伊勢京とアンジェラの歌ってみたという、最強のコラボが開催されたのは少し前の話。ねぇ、私ちょっと待って、かわいいなんかコレ顔みたいで可愛いじゃんかき氷食べたい!!
そんな語彙力が行ったり来たりするくらい、最高の歌だったことをここに保証します。わぁ、急に静かになるなぁ!
「そうなんだ? 聞いてた感じだと、物怖じしてる感じはなかったけど」
「頑張ったんや! めっちゃ緊張して死ぬかと思ったわ!」
「苦労してますわね……」
京ちゃんは緊張しいだからね! しょーがないしょーがない!
『いや、アンジェラと声質は違うとしてもシンクロ率やばかったからな!』
『あれはまじで最高なのよ』
『かっこいい人同士が組んだ時の破壊力よ』
【¥5,000 ほんとに神なのよ】
「やー、ほんとにあれすごいコラボだよねぇ! かっこいいしかない!」
京ちゃんはスタンダードに上手いタイプなんだけど、アンジェラさんは表現が巧みなタイプなので、その2人がマッチすると相乗効果ぱないのよ! ジャガイモとバターみたいにな! はい、じゃがバター!
『フィーナの語彙力ないなってる』
『しょうがない、僕らも似たようなものだ』
『感極まると、人って単純になるんよな』
『つまり限界化ってやつか、わかる』
と、そんなこんなで話は進み、配信も終わりの時間である。
「というところで、いい時間なのでこれで本日はおしまいってことで! 最後に一言!」
『えーもう終わり!?』
『やだ!』
『僕が寝るまでやろ』
『やだぁ!』
駄々こねる子が増えたね! お仕置きが必要だね! こんでろーんって言ってみろよ!
「はい、もう終わりですー! またね、今後も『みっか組』で配信するとは思うんでね! 安心してもらって大丈夫だよ! また次回会おう……ということで、ベルさんどーぞ!」
「そうですわね、私達それぞれが活躍してますけど、また活動の幅も広がっていくと思いますので、楽しんでもらえると嬉しいですわ……というところで、京ちゃんにバトンタッチしますね」
「いや、この流れなに?」
『バトンタッチが雑なのよw』
『草』
『10万人いきそう?』
『バトン叩き落としたよね』
京ちゃんさぁ……(2回目)! でもそんな京ちゃんもかわいいね!
「まあ、そうやね。ウチらはウチらで、先輩のお世話になりつつ、やってこうかなってそんな感じで。フィーナもベルもウチも先輩とのコラボも控えとるから、楽しみにしてもらえるとありがたいな」
「うん、そだね! 今後コラボもしていくと思うから、よろしくね! ではでは、ここまで〜! またらいしゅー!」
「来週はやめろ!」
鋭いツッコミ! むしろありがたいって感じする。
「うそうそ、明日もあるよ! ということでおつふぃな〜!」
「おつべるですわ〜」
「おつきょうやで〜……ってだからこの流れなんやねん」
『来週は遠い!』
『おつふぃな!』
『オチまでついてよろしいww』
『なんだこの流れ、すきww』
『おつきょう!』
『あれ、フィーナもうすぐ10万人いくじゃん』
『おつべる!』
と、綺麗な流れで配信は終わりましたとさ。
え、10万人ってなんの話?
なに? ……うん?
いや、見間違えだな? でも一応声に出して言わせてほしい。
私もうすぐ登録者10万人いくやんけーっ!!!!
* * *
フィーナ・アストライア
@Fina_astlaia_
おつふぃな! やっぱりみっか組安心するんよな、実家のような安心感!
配信来てくれてありがとうー!
なんか10万人いくとかいう幻覚を見たので、耐久枠をしようかなと思います! よろしく!
#みっか組定期連絡 #10万人そろそろ
と、いうことでフィーナの10万人耐久配信決まりました。頑張ります!
次回は間話です。




