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第24話 京ちゃんともぐもぐタイム

総合評価1000pt超えてました。

ありがとうございます。

 デートの中盤。

 休憩がてらフードコートに腰を下ろし、お昼ご飯を食べている。


 私はカルボナーラを、京ちゃんはハンバーガーを注文していて、目の前にトレイが置かれている。


 ハンバーガーを一口食べ、京ちゃんはため息をつく。



「フィーナって、あれやな……センスゼロやな」


「なんですと!?」


「配信でセンスないとは言っとったけど……ほんまに壊滅的すぎるわ」


 いや、そうやけども。火の玉ストレートだな! でもバレたら仕方ない。


 なにせ、私のコーディネートは基本妹のしずくちゃんに任せてしまうので、良し悪しがあまり定かではない。黒と白を合わせるとバランス良いよってことくらいしか分からない。


 そんな感じなので、私がこうした服やアクセサリーなどを1人で買いに来るということもあまりなかった。

 しずくちゃんが一緒に来てくれて、着せ替え人形にされて、恋がしたい! ……じゃない、私のコーディネートを決めてくれるのだ。


『うーん、これは合わないね。却下』

『お姉ちゃん、なんでこんなの持ってくるの! 返してきて!』

『うわぁ、それはないよ……』

『うんうん、お姉ちゃんは美人さんなんだから、こういうのの方が似合うんだって』

『え、これも欲しいの? うーん、家でだけだよ? 他の人に見せたらダメだからね?』


 あい。

 うちのアドバイザーは厳しいでございます。


 いやね、私もそういうのに興味がないわけじゃないんだよ? でも仕事優先だったって言うか、妹優先って言うか……そんな感じだったからね? ファッションする必要がなかっただけであってね? うん、私は悪くない、社会が悪い。


 そんな誤魔化しの言葉を心の中で吐きながら、ちゅるりらスパゲッティをすする。だっだっだ!


「でも、それ買ったんやろ? 似合うっちゃ似合うと思うけど、フィーナがそれ着るん違和感すごいんやけど」


 京ちゃんが指さしたのは、お洋服の入った袋。上下セットで可愛かったので買った。後悔はしていない!


「違和感ないでしょ! 女の子みんな着るでしょ、こういうの! 私のクローゼットこんなんばっかりだよ?」


「ええ……? こんなモコモコの着るん? まじぃ?」


「マジです」


 これはパジャマ用のやつです!

 最近まで着てたパジャマがほつれてきたから、買って来いとしずくに言われてたのです! お姉ちゃんできる子だよ!


 ちなみにしずくちゃんも似たようなパジャマを装備するので、姉妹揃って可愛い。ほんまにしずくちゃん天使だからね。テンテン・テンシちゃんだから!


「……なるほど、ありやな」


「そりゃそうでしょ! 私女の子よ!」


 男の子じゃないんやぞ! モコモコだって着るわい!


「うん、そういうことやないんやけど。まあええわ」


 なんか、釈然としないけど。なによぉ、迷うな! はい、ロン!


「んでな、あと回りたいところある?」


「んー、そうだねぇ。本屋さんにお洋服屋さん、アクセサリーショップなんかはもう見たから、違うところに行きたいね」


 午前は回って、午後から巡る計画を立てていく。午前中にお洋服を中心に回っちゃったので、時間はいくらあっても足りないんですよね! もう見てるだけで楽しいよね。


「そうやね。そしたらCDショップとか行かん? ウチ、気になる曲があるんよ」


「ほう? いいけど……もぐもぐ」


 卵と絡めると、カルボナーラって美味しいよなぁ。今度しずくちゃんに作ってあげよ!


 それにしても京ちゃんが気になる曲とは?


「助かるわ。やっぱり本家を買っておかんとって思うしな」


「まじめかい!」


 気になる曲って『三月さんは天然すぎる!』のオープニングのこと!? 公式チャンネルさんで公開されてるからそこで聴いたら!?


 なんて聞いてみるんだけど。


「や、それはアーティストとして気に入らんから。良い物は買うことで、生産者の方に届くからな」


「……生産者て」


 思わずツッコんでしまったけど、言わんとすることはわかる。


 コンテンツを世に出すにも、出し続けていくにもお金は必要になるから。

 生活していくためにはお金がいるし、曲を作るにも動画を作るにも配信するにも、時間も手間もお金も必要になる。


 ライバーになってから特に実感したことではあるけど。


 マネージャーの石宮さんと打ち合わせをすることもあるけど、その時にも「この企画にはこのぐらいの人員とお金が必要で〜」みたいな話があるし、夢だけ見るわけにもいかないんだなぁってすごく思う。


 その分、好きなことをするために努力できるから楽しくはあるけどね。そのために企画も進行させてるし!


 みんなおたのしみに!


 京ちゃんがハンバーガーを口元に寄せてパクりと一口。

 キリッとしたクール系の女子な京ちゃんだけど、食事をしてる姿って微笑ましくなるっていうか、かわいいんだよ。語彙力下がるわぁ。


 ん?


「あ、京ちゃん、ちょっとストップ」


「ん?」


 もぐもぐしてた京ちゃんのほっぺたに、ハンバーグソースが付着している。それを人差し指で拭く。


 それをパクリ。うん、美味しい!


「……んなっ!?」


 照れてる、かわいい。

 にしてもこれ美味しいね。


「うん、めっちゃ美味しい。ちょっともらっても良い?」


「そういうとこやぞほんまに!? いい加減にせえよ!」


「なんで怒られた!?」


 うわーん、京ちゃんがいじめるぅ!


 そんな京ちゃんもハンバーガーをそっと差し出してくれたので、ガブリンチョと食べておきました。ソースが効いててめっちゃいい。


 久々に食べたからバンズもいいもんだなって思った。お家で作ろっかな!




 そうこうして、もぐもぐたーいむも終わり、次の場所に向かうことになった。


 次はCDショップ行くぞ!

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― 新着の感想 ―
[一言] やっと追い抜いた! サラリとてぇてぇしてくれる、そんなフィーナちゃんか好きです
[一言] とりあえずその着せ替え人形は恋をするは大変面白い。最新刊はよ。
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