第21話 【メイクラ配信】フィーナ、森の主になる【樹海降臨】【しなぷす】
総合評価800ptいってました。ありがとうございます!
今回はフィーナの配信回です。
今日始めたのは、建築配信でございます。
さぁ、気合入れていくよ!
「はーい、どーもこんふぃな! フィーナ・アストライアです! 今日もメインクラフトやってくよ〜ん」
『キタキタ』
『こんふぃな』
『初見です!』
『車検です!』
『受験です!』
「初見と似た言葉で遊び始めるのなに! 私も入れてよ!」
ずるいじゃん、なにそれ楽しそう!
〇〇けんの言葉なら無限に続くじゃん!
『ライバーが入り出したら止まらないじゃんww』
『止まるんじゃねぇぞ……』
希望の花〜!!
と、いうことなんだけど、今日の趣旨はとてもシンプル!
「今日はね、リースちゃんに案内をしてもらった影響でね、建築意欲がグングン湧いてるから、そろそろ我が家を建てようかと!」
『お、ついにか』
『どこに建てるんです?』
『ドキドキで壊れそう』
そう、ついに。
これまではしなぷすサーバーを探検していたり、簡単な物を作ってみたりしていて、チュートリアルのように精霊のみんなに教えてもらいながらメイクラをプレイしていた。
でもそれもここまで。
ようやく建築を行うことができるというわけで1000%楽しみだ!
そして、コメントにあった質問の"建築予定"についてなのだけども。
「そう簡単には壊れない場所がいいから〜、内見は必須として、どこがいいかは目星がついてるんだよね! 早速、そちらに向かいたいと思います!」
というわけで、しゅっぱーつ!
てーくてくとーことこ。
着いた場所は、本当に何もない原っぱである。山もなく、川もなく、海も近くない。
「はい、着いた! 空き地!」
『うぉ、何もない』
『草しか生えてないw』
「そう、お誂え向きでしょ? これから私がすることを考えれば、ね! タイトル見た人はもう察しがついてるかもしれんけども!」
本日の配信タイトルを見てしまえば、もう内容わかっちゃうんだけども。こういうわかりやすさ大事!
『植林』
『木を植えるんですか?』
『森を生成する予定?』
「そそ、『フィーナの森』をね、作っていくことを目標にするんだけど。木の苗はね、先輩方に分けてもらったり、自分で取ったりした物があるから、それで成長を待ちつつ、家を建てて行こうかなと思ってます!」
私の森だから『フィーナの森』という安直な名前だけども、私は嫌いじゃないわ!!
木を植えて、家も建てるし、景観も整えるということを考えれば長期戦になる模様……私、頑張るよ!
『気の長い話だぜ……木だけにw』
『木ってどんなもんで生えてくるの?』
『おーい、誰だエアコンの温度下げたの!』
『私だ』
『お前だったのか……』
誰だ寒いこと言ったの! 懺悔しろ!
「はーい、じゃあやってくよー!」
まずは、木を植えるために、測量から始めていくことにしよう。
だいたいの距離感を測っておいて、ぐるりと予定地を見ておく。
「うん、これぐらいかな?」
では、植林を始めよう! あっしぇんて!
地面に、そのまま木の苗を1ブロックずつ植えていく。手作業、こだわり、木植え職人の力が試されてるね……! 前世は木こりだったんで! 余裕っすね!
いや、めっちゃ時間かかるぅ!
ぐるりと木を植え終えると、ぴょこぴょこ芽が出ているのが見える。これは、水とかを与えるまでもなく放置で、時間経過ですくすくと育つので、待つが吉!
『なんか……』
『これ、かなり広いけど、どうするつもりなんだ?』
『ちょいちょい隙間を空けてるのはどういうあれ?』
この木々の間には大きな空間を持たせている。これの理由は、景観のためである。
木を植えるだけだと、自然じゃない。森だけだと、生きないなぁと思う。
「木植えたんだけど、ここらへんはね、植えたくない! ので、掘っていきます!」
『掘る?』
『なんで?』
『掘ってどうするっていうんだ……?』
『レッツ、ディグ!!』
掘って掘って掘るんだよ!!
たくさん掘りまくって、大きな路を作り出す。スコップは、奮発して『スーパースコップ』である。名前の通り、効率よく掘れる上に耐久性も高い優れものである。
これでたくさん掘れるぜ!
はい、かなりの時間がかかりますね。
でも、家を作り終えるまで配信をやめない! 諦めない!
「あい、これでよしっと。さてさて、ここに用意しますは、このガラス板! こいつを、ここに、貼り付けていくぅ!」
私の自キャラが持ったのは、透明なガラス板。これを掘った場所にペタペタと貼っていく。所謂、受け皿を作ろうという作戦ですな。
『お、これって?』
『わざわざ森予定地を囲むように、そして途中にも道のように凹みを作る意味とは……なんぞや?』
「お、なんとなく分かった人もいるかな?」
察しがいい人も多いみたい。まあ、私単純だし、想像もしやすいのかもしれんけどな!
ま、それはまだ内緒にしてもろて。
ぺたぺた、ぺたぺた、貼り付けていく。
これが中々に根気のいる作業である。
まぁ、こういうのは喋りながらでやっていればいつの間にか終わってるものだ。私のサイドエフェクトがそう言ってる!
「私ってあんまりセンスないんだけどさぁ、景観損なわれてないか、それだけが不安なんだよね」
『森さんがご成長されんとわからんね』
『何作ってるかわからへんもん!』
『今北産業』
『フィーナが木を植える、掘る、ガラス板を貼っている、の3点セットだな』
『あざす』
今来てくれた人への説明までしてくれる精霊さん、さんきゅー!
私からも、あざすと言わせてほしい。
なんて考えたり話したりしていると、作業はようやく終わる。私は、かいてもない汗を拭う仕草で、頑張ったアピールに余念がない。
「ふぃー、これでとりあえずはおっけーっと。さてさて、じゃあやりますか!」
こういうの、なんて言うんだろ?
まあ、とりあえず。
お水を注いで行きたいと思います!
「いっぱい流れて大きくなるんだよー!」
心を込めて、丹精込めて、ストレージから取り出したバケツから水を放出する。気分は稚魚を放流する時の感じ。また帰ってくるんだよぉ〜!
『どういうww』
『これが、何にでも水を流すフィーナ……』
『これは川を造ろうとしている?』
いぐざっくとりぃ! その通りだよ!
これは『水路』なのである。
川、水の流れと言い換えても良い。むしろ推奨。
「ピンポンパンポン! 正解!」
『それデパートとかで呼び出す時になるやつじゃん』
あ、間違えた!
いや、ここは誤魔化しの一手! 俺はインポスターじゃない!!!!
「いや、こういう、正解の音も、あるでしょ? 世界には!」
『世界は広いですからなぁw』
『だとしても、その音は正解の音じゃないけどもw』
『日本じゃ、それを放送の音と呼ぶんだぜww』
あーあー聞こえなーい!
次のバケツを取り出しまして、水が足りなそうな所に流していくよ!
「えー、では僭越ながら、お水を流していきたいと思います……! 潜水式? 進水式? 流水式? まあ、呼び方はなんでもいいや! 流れろ、水!」
じょろーっとバケツから水を流していく。
バケツ1回分で、水を相当な量流すことができるので、この森を囲う分には……まあ少し足りない。でも水を入れる回数は非常に少なくて済む。
『呼び方適当www』
『格式ばらないスタイル、大事にしていこうぜw』
大事にしていくよ!
そんなこんなを何回か繰り返すと、掘り返した水路に水が満ちる。
全体を見てみると、水が太陽光に反射してキラキラしてて非常に良き! 影MODがいい仕事をしている!
「ふむ、だいたいこんなもんかな? ではでは、今日は仮のお家ということで、いわゆるログハウスを作ろうかなと思います!」
森に映えていい感じになるのではないかなーと、そんな風景を予想している。
水路と森に囲まれた、人知れず建てられたログハウス。
うん、よさそうじゃない?
『自然と調和する感じよな』
『ログハウス、ほう?』
『カントリースタイル憧れあるわぁ』
「へへ、いいでしょー! やっぱりこういうのは雰囲気が大事だからさ! では、まずは土台から」
四辺に大きな木材を置いていく。
どんどん重ねていこうねぇ! しまっちゃうよぉ〜!
「そして、さらに木材積み上げていく!」
丸太のような木材を積み上げていくと、なるほど。よくキャンプなどで使われてそうなお家を建てられるという寸法。
『脳筋仕様なんだよな……』
『作業が雑なんじゃw』
誰が脳筋じゃい! 雑なのは認めるけども! でもこのお家が楽だし、仮住まいとしてはいいでしょうよ!
「さてさて、こんなもんかなぁ。壁はできたから……あとは屋根か……では梯子を出していきまして……っと!」
今度はストレージから梯子を取り出す。これは壁にかけても良し、その場に立てても良しという便利さんである。
こいつを用いて、屋根をクラフトしていくわけだけども。
『頑張って積んだなぁ』
『初期の家としては上等じゃん?』
『中には野ざらしで寝る人いるからな……』
いるよね、その方が作業はできるからなぁ。
あ、夜になった?
メインクラフトは時間経過が早いので、割と早くに昼と夜が入れ替わる。昼にしかできないことをしている人であれば、ベッドで寝ることで朝を迎えるというシステムである。
夜は夜で大変だけれど、そこらへんの対処は既に終えてるので、もうまんたい!
「寝る……には早い、残業だ! サービス残業行くぞ!」
『世知辛いのじゃ……』
『やめろ……残業はやめるンだ!』
『うっ、頭が……!』
ポッキー二刀流で振り回すしかねぇなあ!
ぽっきぃぃぃぃげぇぇぇぇえええむ!!!!
「夜も働くのは、社会人の勤め……」
『フィーナの闇が見えるw』
「いや、みんなもそうでしょ!? いや、私はもうニートなんであれなんですけど……」
『どこがニートじゃいww』
『ライバーやろがいwwww』
いや、そうだけどね! そうなんだけどね!
「まだ収益化通ってないから! 実質ニートじゃん!? しなぷすは歩合制なんだからね!?」
『歩合制知ってるww』
『収益化いつ通るんすか!』
「いつ通るもんなんだろうね! 私も知りたい! ニート脱したいよ!」
収益化とは、私のチャンネルが認められて、お金を投げること──スパチャ機能が解禁されること、と認識してもらえればいいかと思う。
これができることで、配信者でありながら、精霊さんからの投げ銭で生活ができるようになる。つまり、収益となりお金になるのである。
これがねぇ、またできるようになる時が楽しみだけど、私は投げられるような配信はしてないから……うーん、まあ、多少恵んでくれれば生活は潤うよ!
『ニート兼精霊師』
『ばっかおめぇ、ベル様からお小遣いもらえるに決まってんだろ!』
「もらってないわ! ……よし、できた!」
なんでベルさんからお小遣いもらうねん! あんな可愛い子からもらえへん!
そして完成したのが三角屋根。
ちょっと大雑把だけども、ひとまずは屋根の外見にはなるかな? という感じ。
デザインには自信がないんだよなぁ。
ひとまずのマイホームはこれで完成っと。
ぐぐーっと背を伸ばす。
「んー、結構やったから、今日はここまでにしようかな! えと、何時間だ? 4時間くらい? うわ、なっが!」
『ほんと、フィーナにしては珍しいくらい長い』
『ここまで長なるとは思わなんだ』
たしかに。
私の普通の雑談配信で2時間程度。ゲーム配信では3時間程度が目安でやっていたので、ここまで長時間やることになるとは想定してなかった。
まあ、これから配信していけば否応にも増えていくのだろうけども!
「だねぇ、ちょっと私にしては頑張ったんじゃない? じゃあ、ここまでということで! 来てくれてありがとう! またねぇ!」
『おつふぃな』
『おつかれさまでした!』
『おつかれ!』
『おつふぃな!』
「はーい、おつふぃな!」
こうして、私の建築配信はひとまずの終わりを見せた。さーて、来週のフィーナちゃんはぁ?
じゃん、けん、ぽん! ウフフフ!
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フィーナ・アストライア
@Fina_astlaia_
今日の配信来てくれてありがとうでした!
結構な長時間になっちゃったけど、思った通りの建築ができたので満足でやんす!
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伊勢京
@ISE_KYO
@Fina_astlaia_
おつふぃなやで。
どんなお家になったのか、視察に行かせてもらうなぁ!
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フィーナ・アストライア
@Fina_astlaia_
@ISE_KYO
ええ!? あ、まだちゃんと完成じゃないから、できたら呼ぶね!! 未来で待ってて!!




