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第18話 【アス雪コラボ】フィーナちゃんをしなぷすサーバーにご案内〜【しなぷす】 ◯後半

ブックマーク200件、総合評価700pt超えてました。

ありがとうございます!


リース先輩とのコラボ配信、後半です。

「ふぇぇ」

「はぁぁ」

「うわぁ」


 リースちゃんにお家を案内してもらっている最中。


 ほとんど言葉にならない感嘆の声をあげているのが私です! いや、ほんと凄すぎた……!


 氷、雪というモチーフを存分に活かして、他の部屋も作られている。

 そして、大抵そのモチーフにプラスで"何か"要素が加わっているのがわかった。


 『冬の花畑』もその例に漏れず花モチーフをプラスしてあるし、中央の『雪解け水の噴水』なども水モチーフが足されている。


 他にも炎モチーフとか、幻想モチーフとか色々あったんだけど、割愛させていただく。

 私、声にならない声しか出してないし! そんな恥ずかしい記憶は抹消するんだよ! 暴飲、暴食!


 そんなこんなで、リースちゃんのお家を見せてもらった感想は──


「素晴らしいものを見ました……ごちそうさまでした……」


「そう言ってもらえるとぉ、案内した甲斐がありますねぇ」


『何度見ても素晴らしい建築』

『かけた時間が時間だからなぁ……』

『始めたての頃からコツコツやって、すげぇもん作ったよなぁ』


 おおっと、古参さんが多いですね!


「なんとかここまで形にはなったけどぉ、まだ発展途上なんですよねぇ」


「え、これで!?」


 こんなに完成度高いのに?

 私の疑問は、リスナーさんからのコメントにて、すぐに解消される。


『リースちゃんも人気者だから……』


 なるほど、そういうことか! 閃いた!


「そっかぁ、リースちゃん忙しいですもんね……」


 リースちゃん達、1期生が活動を始めてから2年と少し。


 リースちゃんの配信のメインとなるのは、雑談配信とメインクラフトを始めとするゲーム配信で、どの配信でも癒しを届けてくれるので、ハードワークしている人にはほんとにおすすめ! 私は癒されておりましたよ!


 さて、そんな配信スケジュールの中でも、コラボや企画、単発ゲーム実況、ボイス収録、ラジオ収録、イベントなど忙しく駆け回っているリース先輩なので、そりゃあメイクラ配信も進捗ダメになりそうなところ。


 それでもこれだけの建築を作れたのは、ひとえに彼女の努力の賜物ということなのだろう。


「いやぁ、そんなこともないよ〜? ちゃんと休みはあるしぃ、スケジュールはマネージャーさんにしっかり組み立ててもらってるからねぇ」


「それはそうかもですけど……」


「楽しいことばっかりしてるからぁ、むしろありがたいなって思うけどぉ」


『いい考え方やねぇ』

『しなぷすのライバーはみんな楽しそうなのよ』

『それぞれがやりたいことやってるよな』

『山登ったりとかなww』

『あれは苦行だろ……w』


「フィーナちゃんも、楽しいでしょ?」


 リースちゃんが聞いてくる。

 答えなんて、決まってる。


「はい! それはもちろん! まだまだ始めたてですけど、幸せだなぁって常に思いますよ」


「ふふーん、だよねぇ」


 嬉しそうなリースちゃんの声がする。やや、当然というようなニュアンスが含まれているのは、リースちゃんが活動を楽しんでいるからなのだろう。


「じゃあ、次の場所に向かいますよぉ」


「はーい」


 バーチャルなのに、手を上げてしまうよねこれは! みんな電話の時にお辞儀とかしない? 私はする。


 こうして、リースちゃんのお家を後にしました。



 テクテク、テコテコ。

 続いてやってきたのは?


「えと、ここは?」


「ここは爆心地で〜す!」


『なんちゅー場所を案内してるんだwww』

『これはひどいww』

『なんで凄惨な跡地なんだ……wwww』


 広範囲に破壊の跡を感じ取れる。

 元はなんだったのか、その残滓すら全くわからないくらいの壊滅状態。どうしたらこんなになるんですかねぇ!


「爆発……あれはひどい事件でしたねぇ……」


「えぇ……?」


 一体なにがあったって言うんだまじで!?

 その真相を探るために、私は秘境の地へと向かった。


 爆心地の周りには柵が張り巡らされており、うっかり落ちないように配慮がされている。その大きな穴の底にはグツグツと煮えたぎるマグマと岩と、まぁ、落ちたら助かりはしまいというのは分かる。フィーナでも分かるよ!


「あれ、これは……?」


「看板、ですねぇ。誰でしょうこんなの立てるのはぁ」


『あっ……』

『それは……』


 目立つ場所に、立てられている看板を目にする。ええっと、なになに?



 [小坂綾女(おさかあやめ)、ここに眠る]



 いや、何があったっていうんだまじで!?


 小坂綾女(おさかあやめ)先輩、1期生の悪戯っ子、サブカル大好き女子、きゅるるんとしたメガネがよくお似合いになる先輩である。


 日乃ヒカリ先輩とも仲が良く、2人で騒動を起こしては、他のライバーさんに押さえつけられるという問題児なのだけれど。あの2人が組むと手がつけられないというのは、地球が自転していることよりも常識……! 混ぜるな危険!


 つまり、この目の前の大惨事もその天罰が降った結果なのだろうということが推測され、私のこれまで見てきたしなぷすアーカイブから、1つの答えが導き出される。実におもしろぉい。


「この爆心地って、もしかして……『超爆弾(ENT)』の時のやつですか……?」


「ぴんぽん〜! 正解だよぉ〜」


 リースちゃんが拍手を送ってくれる。

 いやぁ、照れちゃうなぁ。


『あれは悲しい事件だったな……w』

『誰が悪いかって、大戦犯は生徒会長だよなぁ』

『無断でもらってきちゃう綾女さんも悪いんだよなぁw』


 有識者の方々が語ってくれた通り、悲しい事件ではあった。


 発端は、ウィズ先輩が興味本位で作ったアイテム『超爆弾(ENT)』を、小坂綾女先輩が盗み出したところから始まった。


 『超爆弾(ENT)』は、通常の爆発の数百倍の威力を持つ、特製の爆弾である。街1つや2つは余裕で消し飛ばすことができるし、組み合わせ次第ではサーバーの10分の1を壊滅させられるというとんでも兵器。どこかの地球を破壊する爆弾くらいやばい。


 それを作ってしまったウィズ先輩もどうかと思うけど、それでもゴミ箱に放り込んで、厳重に封印したことは良識がある。けれど、その封印を、ヒカリ先輩と綾女先輩で解いてしまったのだ。


 ウィズ先輩の作る封印だから、ちょっとやそっとでは解けないはずのそれを、持ち前のバイタリティと知識で解いてしまった2人は、興味津々、意気揚々とその禁断のアイテムを持ち出してしまった。


 そして、どう使おうかなぁと2人で話し合っている際に。間違えて引火。


 ドカン!!


 という顛末であった。


 爆発オチなんてさいてー!


 ちなみに、ヒカリ先輩は別の場所にいたので難を逃れたそうだ。運がいいな! 幸運A+じゃん。


 その爆発の顛末が、目の前に。

 でも少しおかしい。あれれー?


「あれ、でももう少し原型残ってませんでしたっけ?」


 私の記憶が正しければ、えーっと、たしか、多少の地面は残っていたし、マグマまで見えるようなことはなかったはずだけど。


「あ〜、それは、あれですねぇ。たぶん2人が爆笑して、もっと爆発させた結果じゃないかとぉ」


「たちが悪いな!!」


『やりそう、というかやってたわ』

『あんな高笑い久々に聞いたぜ……』

『あれが魔王ってやつなんだよな……』

『震えがとまんねぇぜ……』


 ほんとにやってそうすぎて、コメントに反論できない。えぇ、私の見てない間に何があったのよ! どうして面白いところを見せてくれないんですか!? 切り抜き見るしかないやん! 見ます!


「せめて弔いの花を送ります……」


 私は、夜景に花束を放り投げるように、アイテムの中から自分で採取したありふれた花をその爆心地へと投げ入れる。ゴールに向かってシュート! 超・エキサイティン!


『やめいwww』

『鎮魂すなww』

『墓標であり故郷やめろwww』

 ◇日乃ヒカリ:『あやりんも喜んでるよ、後輩に弔ってもらって……』


 いや、元凶その1ぃ!!

 おまわりさん、ここです!!


『生徒会長!?』

『ヒカリパイセンじゃん!?』

 ◇小坂綾女:『こんな可愛い子に弔われるなんて、あやめ照れちゃうなぁ♪』


 いや、元凶その2ぃ!!

 喜んでるんじゃないよ!! 弔われてるんだよ!?


 しかし可愛い子、って……! えへへ。

 この先輩分かってる、仲良くなれそう! おい誰だ、今ちょろいって言ったの! 聞こえてるんですけどぉ?


「あら〜、ヒカリちゃんに綾女ちゃんいる? 何しにきたの〜」


 リースちゃんが尋ねると、それに応えるようにコメントが流れる。


 ◇日乃ヒカリ:『我々の芸術作品を見にきたとあっちゃあ、様子を見にくるしか!』

 ◇小坂綾女:『あるまいて!』

『ほんと仲良いなwww』

『草』

『示し合わせたようにコメントが揃う揃うw』


 声揃いすぎなんだよね!? 戦隊モノ!?


 ◇小坂綾女:『そう、我々がッ!』

 ◇日乃ヒカリ:『世の安寧を守る!』

『いや、なになに?』

『何が始まった?』

『恒例のあれ? 揃う?』


 恒例のアレとはなんぞ?

 2人で同じチーム名を言う、声がシンクロするかっこいいやつだろうか? さあ、ばっちこい!


 そして、2人のコメントが流れてくる。



 ◇日乃ヒカリ:『戯◯(ランゴ◯タ・)軍翅(ミグラトリ◯)!』

 ◇小坂綾女:『祭典(フェスティバル・)姉妹(シスターズ)!』



「揃ってないじゃん! いい加減にしろ!」


 私にツッコませるたぁ、ふてぇやろうだ!

 あと、ヒカリ先輩、それ著作権怖いからやめな!? 子供っぽいところとかぴったりだけど!! 悪霊すぎんよ! 誰が分かるんだよこのネタを!


 ◇日乃ヒカリ:『いやぁ///』

 ◇小坂綾女:『それほどでもぉ///』

『いや、褒めてないからね』

『どこに照れてるんだよ』


 シンクロして謙虚な姿勢を見せるんじゃない!!

 これ絶対打ち合わせしてるよねぇ!?


「2人は本当に仲良しさんですねぇ〜」


 仲良しなんてレベルじゃないんですけど! 生き別れの双子とか、心で会話してるとかそういうレベルじゃないこれ?


 なにそれすごい、見習いたい。

 みっか組の2人ともそんな関係になれたら……素敵やん!


『リア凸でもしてるんかぁ?』

『裏で連絡取り合ってるに1票』

『2人とも現実世界の人間だからな……』


 流石に魔法とかとは無縁のはずだもんなぁ。設定的にも。

 でもこの2人ならわんちゃんありそうって思っちゃうのは、アニメの見過ぎかなぁ。だよなぁ。でもやめられない止まらないんだ!


 そうこうして、爆心地を一通り見回ることができた。


「まあ、爆心地はこれくらいかなぁ〜。それじゃあ次のスポット行ってみよ〜」


「リースちゃんりょうかいです! 案内お願いします!」


「はいは〜い、お任せくださいねぇ」



 その後も、リースちゃんに案内してもらって、大まかな地理を理解できたので、これからのメイクラもうまくいきそうな気がしてくる。


 ただ、それ以上の収穫はやはり。


 先輩方とようやく絡めるということだろうなぁと、そんなふうに考えているのだった。


 配信おーわり!



 * * *



 リース・ピュア・スノウ

 @Ray's_snow


 アス雪コラボ来てくれてありがと〜。

 今回で、フィーナちゃんとだいぶ仲良くなれたから、お姉さんとしては目標達成ですぅ!


 また遊ぼうね、フィーナちゃん。


 #アス雪 #雪降る夜


 ─────


 フィーナ・アストライア

 @Fina_astlaia_


 @Ray's_snow


 コラボありがとうございました!

 すごく楽しかったです、今度は私の配信にぜひ!

 いろんなお話してみたいです!


 ─────


 リース・ピュア・スノウ

 @Ray's_snow


 @Fina_astlaia_


 わぁ、誘われちゃったぁ!

 楽しみにしてるねぇ〜

配信お付き合いありがとうございました。

次回は配信後です。

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