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僕の中に住む人  作者: はるはる02
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自分は自分


ハヤタはショーターが語るユーリルについて、ひどく驚いた。


ショーターは続ける。


「人の持つ直感を利用するんだ。AとBで迷う時、直感でAが良いようにおもったとしよう。すると彼女がすぐに『Aにしなさい』と言う。

恋人に欠点がある事をわかっていて、でも好きで付き合っている。ユーリルは欠点を拾い上げて報告する。恋人が自分に有益なら、今度はそれを拾い上げてくる。

良い事悪い事を、心の奥底で知らぬ間に判断し、決着がついている事を突きつけている、それだけのことなんだよ」


「でも、誰もそんな事…」


「言わないよね。私も広めようとは思わない。だってユーリルが結局は自分の判断で話しているって事だろ」


ショーターは俯いた。


「ずっとね、何処かへ行ってしまいたいと思っていたんだ。

そしてユーリルを何処かへやってしまう事にした。これは私の器の小ささかもしれない」


「なぜです」


「ユーリルは精神体だ。人の心の中で姿を作り出す。でも分離されたら、そのユーリルは何処へ行くのだろう?

消えるのかな?別の誰かにつくのかな?」


「わかりません…」


「分離する時、ユーリルの説得に時間はかからなかった。私は既に決心していたから。ユーリルはその決心を拾い上げて、共に決断した事になっている」


「……」


「彼女はおそらく消えてしまった。それは私の罪だ。彼女を消してしまったのだから」


彼は顔を上げた。


空を見ている。


「でも今になってもユーリルと一緒にいたいとは思わないんだ。あれはね…」


ショーターはハヤタの顔をじっと見つめて言った。


「必要ないんだよ」


その言葉にハヤタの瞳から涙が溢れて止まらない。大粒の涙が後から後から溢れてくる。


不適合者と宣告されてから、初めて感じた安堵感。


ショーターはそっとハヤタの肩に手を置いた。


陽の暖かさと彼の手の温もりに、ハヤタは涙が止まらなかった。


お読みいただきありがとうございました。


目に留めて頂いてとても嬉しいです。


機会がありましたらまたご覧下さい。

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