第1話
※この作品はフィクションであり、実在のコテハンと同名の人物が出てきても偶然の一致です。
昭和38年、高度経済成長の中、市民は暴力団に非難の目を向けていた。
その頃、コテ雑暴力団の二大勢力であったさすらい組としりか組は、コテ雑7人斬りの件で抗争が激しくなっていた。
コテ雑7人斬りとは、しりか組幹部・こそぼが引き起こした大事件である。
そんな状況の中、しりか組組員・ジオウは夜の繁華街を一人歩いていた。
その時、背後から突然殴られたのだ。
「誰や今殴ったのは」
「ワイやが文句あるか」
殴った人物は、当時最大勢力のさすらい組幹部・ダイナモだった。
ダイナモはその後もジオウを殴り続け、満足したのか去っていった。
ボロボロになったジオウは、同じくしりか組組員である単発君の自宅に駆け込んだ。
見るも無残な程怪我しているジオウに、単発君は驚きを隠せなかった。
「だ、誰や!殴りよった奴は」
ジオウは泣きながら答えた。
「へい、さすらい組のダイナモです」
「クソッ、さすらい組の野郎め!」
単発君は怒り狂い、ダイナモに報復する事を決意した。
この事は事務所で闘病しているしりか組組長・しりかにも伝わった。
偶然話を聞いていた、しりか組組員のどらちんが組長に伝えたのだ。
「おのれェ、ダイナモの野郎調子乗りおって!」
カンカンに切れたしりかは布団から立ち上がり、さすらい組に乗り込もうとした。
しかし病気の所為で何もすることが出来ず、しりかは悔しがりながら再び布団に横になった。
一方、単発君はどらちんからピストルを受け取り、ダイナモへの報復の準備をしていた。
「ダイナモはどこにおるんやろか」
キャバクラからダイナモが出てきた。
ダイナモはさすらい組組員・ヨーグルガイジと何かを話していた。
「ダイナモォ!!覚悟しろお!」
単発君はそう叫びピストルを発射した。
しかし撃つ方向を間違え、ヨーグルガイジに当たってしまった。
ヨーグルガイジはそのまま死亡した。
さすらい組はヨーグルガイジを殺した単発君およびしりか組を恨み、両者の抗争はさらに激しくなるのであった。
第2話に続く