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―よし、そうとなれば明日からすることはもう決まった。
しかしもう今日は疲れたのでやる気がない。
何せ王太子の相手をしていたから無駄に精神をやられたからな。
メイドさんにドレスを脱がしてもらって風呂入って早いところ寝よう。
―――
はい、どうもこんにちは。
貴方のかわいこちゃん、ミッシェル・フォン・グランツェです。
…嘘です。
―さぁ、今日することは昨日宣言していたとおり魔法の勉強である。
さっきメイドさんに書斎のようなものはないかと尋ねたら、なんでと質問されたので魔法の勉強をしたいと言った。そしたら、そのまま待っててくれと言われてしまった私である。
本当にミッシェルは人望がない。
このまま兄貴の方が跡取りになったらいいのにと思うがこの魔力のせいでそうもいかなかったのがゲームの流れであった。
ホントにめんどくさいな。
しかし魔力を持たせてくれた神様には感謝だな、ありがたやありがたや。
「お嬢様、失礼いたします」
っと、どうやらメイドさんが持ってきてくれたようだ。
メイドさんは私が声を返すとともにドアを開けて部屋の中に入ってきた。
魔法の本と思わしきそれは紫色で年季が入っているのが見て取れる。
親切にも机の上に置いてくれて、すぐに撤退してくれた。
なんで撤退してくれたかというと、私のためであり、メイドさんのためである。
私はこうなる以前はメイドさんたちにとって恐怖の対象であったのだ。
そんな奴と一緒の空間に居るだけで禿げになる勢いでストレスがかかるだろう。
私としてもなるべく魔法のことを知られてくないし、WIN-WINなのである。
親たちは私がこんなことやっても興味もクソもないだろうからな。
因みに字は読めた。
この世界は、この世界の文字で、漢字、カタカナ、ひらがながある。
自頭の良いミッシェルが文字は覚えていた。イエーイって感じだよね。
―さて、さっそく取り掛かろうか。
私は紫色の本を開いた。
一ページ目にはこう書かれている。
『まず初めに、魔法というものは、主に生活魔法、攻撃魔法、防御魔法、回復魔法、補助魔法、召喚魔法、空間魔法、無属性魔法、精霊魔法などがある』
ほうほう、魔法にもいろいろ種類があるのね。
『そして魔法を発動させる詠唱がある』
ふむふむ
『まず、詠唱とは魔法を発動させるために声を発することである。しかし世には無詠唱というものがある。魔法に長けた熟練者が使える技である。詠唱には――――――――――』
私は本を読みに読んだ。
―大体分かったことは魔法にはいろいろな種類があるということだった。
いろいろ要約すると、
魔法は生活、攻撃、防御、回復、補助、召喚、空間、無属性、精霊魔法があるらしい。
それらを発動させるには詠唱が必要で。それをしない無詠唱というものがあるらしいが魔法に長けている熟練者がやるようだった、私もいつかは無詠唱にしたいものだ。
魔法を発動させるスイッチとして詠唱が必要でありその詠唱は、魔法の規模に応じて文章が異なるらしい。これは頑張って覚えるしかないのでミッシェルの脳みそを頼りにしようと思う。
そしてこの世界には魔法適性があり皆様々な魔法を使っている。
魔力が多いものや少ない者まで。
少ないといっても生活魔法程度は全人類使えるという。
種類は、前、思い出した通り、火、水、風、土、雷、闇、光の7つ。
火、水、風、土は一般で、雷はちょいレア、光と闇はレアらしい。
余談だが、主人公ちゃんは光属性の持ち主であった。そしてそこからお偉いさんたちからの株が上がり、アイネルートではそれが決定打で結婚に至ったという。
世の中やっぱり力だよね。
寄り道をしてしまったが、ラノベとかでよくある、火を得意とする魔法使いなら髪の毛が赤!!みたいなのはこの世界には無いようであった、それはゲームならではの仕様だろう、と勝手に推測。現に王太子殿下も火を得意とするのに髪、赤じゃないし。見た目重視だったのだろう。
そうそう、話が飛んでしまうが本の中身で最も興味を持った内容があった。
それは無属性魔法の技法で、アイテムボックス、とか、テレポート、とか、ゲート、なるものがあった。日本人生の時、イメージとして持っているものがそのままあった感じ、内容を見ると、
アイテムボックスは、亜空間に物やアイテムを収納する魔法であり、数や重量には限りがある、とのこと。魔力の多い者は大幅に空間があるが習得できているものは極わずか、とのこと。
…いや、面白すぎない?
――おらわーくわっくすんぞ~!!
――あぁ、こんなに胸が高まったのはいつぶりだろうか。
この高揚感、たまらん。。
そしてそして、テレポートとは、行きたいところをイメージして瞬時にそこへワープできるという優れものであった。
ゲートは、亜空間を開き、その開いた場所を通ってイメージしていた場所に行く、というもの。
テレポートとゲートの違いは前者がお一人様用で後者がみんなで仲良く行こうよ的な使い道だった。
―この本ではこれくらいしか分からなかったけど、一応魔法の発動の仕方もご丁寧に書かれてある。
集中していたから分からなかったけど、もうすっかり日の光がオレンジに染まっている。
…風呂にでも入ってくるか。
――――
風呂から上がり体のほてりが収まってきた頃、夕食の時間がやってきた。
とはいってもみんなで仲良く、とかそんなのではない。
基本皆、自分の部屋で食事をとる。
食べ終わったのでメイドさんに食器をお願いする。
食事をするときだけはメイドさんはそばに控えている、何かあったときようでそれだけは譲れないらしい。
まぁ、何かあったときというのは前のミッシェルを覚えているので納得。
味が気に食わなかったら、食事ぶっ飛ばすわ、挙句の果てに踏みつけるわで。
私だったらそんなガキに引き摺りマワす。
っと、イライラが顔に出ていたのかメイドさんに何かございましたかと恐る恐る聞かれてしまった。
それにしても、この飯うまかったな。おかわりってできるのか?
そのことを伝えると、メイドさんの顔が、言葉では何とも言い表せない表情に変わった。
思わず笑ってしまう。
お願いといったら、勝機を取り戻したように動き、しかし、顔は変わっていない。
次に料理を作っている人に、おいしかったですって伝えてください、といったらこれまた面白い反応をした。
この人ウケる、カノンさん。
――そうして私は二杯目のご飯を平らげ、歯を磨き、ベッドの中で明日は何の魔法の練習をしようかと考えながら眠りにつくのであった。




