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そうなんだよ!!!私なんだよ!!なんだYO!!!
ミッシェル・フォン・グランツェとは、主人公をいじめに虐めたおす、まさに絶対的お嬢様なのだ。
そしてそれが今の私。
私は小説を読んでいた。異世界系のやつを。
恐らくでいえば私はいわゆる転生というものをしたのだろう。
その中でも悪役令嬢物はあったが、まさか自分がなるなんて思いもしないだろう…!
もうほんと何やっちゃってくれてんの、神様。
…だが、いつまでもこうやってうじうじするのはこれで終わりだ。
確かにここはゲームの世界、ゲームを基本とした世界なのだろう。しかしここはあくまでリアルなのだ、わたしは少なくともここにあるし、メイドの皆さんは感情を持っているようである。
ということは、何らかの事件や事故、あるいは予期せぬことがあれば物事は違う展開にいくのではないだろうか。
私はそこに賭けたい。
ここの世界の私の設定は。
大きなイベントでは、6歳の時に小学校へ入学することになっている。
この時の私は少しお嬢様気質があったものの問題を起こすことなく卒業、そこから王妃となるための勉強が本格的に始まっていったのだ。
しかし、それが我が儘娘へとなっていく引き金となった。
12歳の時、ミッシェルの叔父にあたる人の子供が弟として養子で来る。
ミッシェルはその弟をいびり倒しながらの生活が始まり、15歳で高校入学を果たした。
ポイントはここである。
ミッシェル・フォン・グランツェは15歳の時に入学してそしてその一年後、あの主人公ちゃんがやってくるのだ。
ミッシェルはその主人公ちゃんもいじめた。手も出した。
っと、ここでいきなりではあるが、攻略キャラの振り返りもしておこうと思う。
アイネ・クリーフッド・ラウ・ホスカ。王族の一人でありミッシェルの婚約者でもある。
アイネが名前でクリーフッドが名字のようなもの、そしてラウが王という意味でホスカが高貴なる者、という意味らしい。
目と髪はきなり色。
性格はやさ男で顔もやさ男のようなもの。そして名前の通り、気高く慈悲深い男である。
しかし惚れ込んだら、とことん手中に収めるタイプだった。
次はギルメス・フォン・グランツェ。名前を見てわかる通りミッシェル・フォン・グランツェ、今の私の兄である。兄といっても4か月ほどしか歳は離れていない。
しかし作品の中では、腹違いの兄妹ということで描かれていた気がする。
ここの私の父には正室と側室の妻さんがいる。
私は正室の方の奥さんから生まれた子供。ギルメスは側室の方の奥さんから生まれた子供だった。
結構これが複雑なので後で詳しく思い出すことにしよう。
そうしてギルメスは、幼いながらも私のことを嫌悪している。
とんだとばっちりである。
そして内面がすごい腹黒だ。
記憶を取り戻す前の私は、結構なお嬢様をしていたので、相当見下されていた。しかし顔には決して出さないので、世間の間では紳士な男の子として通っている。
主人公ちゃんとは他愛もない話をしているうちに徐々に惚れていくストーリーだった。
次はネルミス・フリードリヒ。
21歳という若さで大出世し、騎士団長という名を持った青年だ。
王様をお守りするという役目を担っていることだから位は高い。ネルミスの家柄もまぁまぁなところだった気がする。
好感度が上がると愛称で呼んで欲しがるところがあった。愛称はネミー。
髪は黒色のオールバックで目は赤色、どこの吸血鬼だよ、と過去の私は突っ込みを入れていた。肌は褐色じみている。
あと私事ではあるが黒髪黒目のオールバックだったら結構好みだったということも。
その次はソイック・フォン・グランツェ。さっき言っていた私の弟君(になる予定の子)である。
なんとソイックはケモノビトという種族の子である。髪は猫っ毛で亜麻色、顔はくるるんっとかわいい方路線の顔だ。目も髪の毛の色に伴っている。
この世界には魔物というものが存在する。
ソイック君は人間と獣人のハーフということで人間の顔にケモ耳が生えている、というなんともゲーム会社のご都合主義の存在だ。
それと乙女ゲームなのに魔物が出るのか、という話なのだが、あいつらは当て馬役として活躍していただけで。
ある時は主人公ちゃんを恐怖のどん底に陥れ、ある時はエロシーンに役立たされたりと。結構苦労人…いや、苦労魔物たちなのである。
お次はルーザミック・ハソフ。
この攻略対象者は、何事にも興味を示さずただひたすらに魔法と機械の研究をしていた人物だ。
ただ、研究を楽しんで、進んでしていたのではなく、あくまで「これが一番自分にはできるから」という考えでやっていることである。
そしてそのことを主人公ちゃんに褒め称えられ、そのことに心が脈打ち、徐々に心身ともに奪われていくということだ。髪の毛は、真ん中分けのさらさらヘアーの山藍摺で毛先にかけて色が抜けていっている。目も同じ色である。
恋に覚醒したら、独占欲が強く、あんなに何にも興味がなさそうだったルーザミックが自分(主人公)に興味を示し、嫉妬してくれるのがうれしい、と好評なキャラだった。
さぁ、お次はカルデラ・トミッキー。主人公ちゃんが行く、学校の先生だ。
歳は31と、結構歳上であり、テクニシャンである。
なんというか大人の色気と余裕を兼ね備えており、この人のルートではなかなかにお色気シーン、エロシーンが多かった。
一番のエロシーンは、っと、話が長くなりそうなのでこの話はあとでしようと思う。
髪の色は、毛元は茶色、それから飴色となっている。
目の色は金糸雀色だ。くせ毛で少しうねっている。
そして最後に、マーシャ・グリフッド。
簡単にまとめると重度のヤンデレである。
しかしこいつは全攻略者制覇と、それをすることによって起こる『逆ハーエンド』をクリアすることで出てくるシークレットキャラなのだ。
今まで出てきた攻略対象者の比にならないぐらい攻略が難しかった覚えがある。
私は全てのものを埋めないと気が収まらないタイプなので、根気強く頑張った。それは、もう本当に。
こいつのルートは二回選択肢を間違っただけで『背後からグチャリ』。つまり短剣で刺される。
こいつがやったとは文章中には書いてないが明らかにぼかしのきいたスチルの絵がこいつの髪色なので間違いない。
髪の色は小紫。目の色も同じである。
正直、この攻略キャラを最後に出すのはゲーム会社の悪意を感じた。
―さて、なぜこのような説明を長々としたのかというと。
先ほどのことに戻るが、主人公ちゃんが高校に入学し攻略キャラたちをどんどん落としていくときに生じるのは周りの嫉妬である。
その中でも私は取り巻きを周りに蔓延らせて、手を出した。
階段から突き落としたり、コケさせたりと。
嫌がらせの種類は様々だが、あるときその嫌がらせは王子様たちの目についてしまう。
攻略キャラのエンドによって終わりは様々だが、大体死ぬ。
――――――ああ、なんだかいろいろ考えすぎて、また、熱が上がってきた気がする…。




