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来週あげれないので今日あげときます。
―朝早くに起きた私は腹ごしらえを済ませ、ささっと着替えを済ませていた。
昨日はあまり寝れなかったのである。
…あの感覚…今でも鮮明に覚えている。
体の内から温かいものが溢れ出した時のことを。一晩経った今でもなおあの出来事は忘れていない。
―ということで、さっそく、本題に入ろうと思いまーす。
ふふふっ、やっとここまで来た。
魔法を使いたい一心でようやくここまで来た。
さっそく試そうではないか!!
ということで、前と同じベランダにやってきました。今日もラフな格好でようござんす。
そして、何故かというと、このべランダから見える景色は丘のようなものがあって、余計な木々もなく、大変見晴らしもいいんです。
というか、見晴らしがよすぎるもなにも、今見ている丘には、ど真ん中にデカい木が一本だけ。
でも大きくてとっても立派だから、こんな遠くに居ても生き生きとしているのが見てとれる。
そして、考えた結果!
この屋敷からも近いし、一本の木があるということで、その木を、まず目印にテレポートしたらいいのではないかと考えたしだいである。
まぁ長々と説明していてもつまらない。
物は試し!いってみよう、やってみよう!
魔法を使うときにはもちろん、テレポートを使うときにも『詠唱』というものがある。
その詠唱の分は大きく6つに分かれていて、文字が長ければ長いほど安全に魔法を使用できるらしい。
何故かというと、詠唱をすることで魔法の類が決められ、長い詠唱をするとその言葉にのっとり制限がかかるそうだ。そして魔力の放出が安定かつ軸がブレないらしい。
詠唱の種類は、簡単に言うと、めっちゃ短いやつと短いやつ、さらに一般人向けの普通の長さの文とすこしハードルを落とした少し長いやつ。そして中学生ぐらいの子を対象にした長い分のやつと、小学生が対象で魔法の訓練に安全に取り組める超長い文、だ。
めっちゃ短いやつと短いやつは上級者向けらしい。その上に無詠唱という枠があるのだがそれはまだ考えないようにしておこう。後々なってやってみたいものであるな、ふへっ。
よし、理論的には、詠唱を行って(おこなって)、行きたい場所を強くイメージすればいいのか。
そして私は、目の前に広がる丘の木に目をやる。
もちろん私がする詠唱は一番長いやつ、逆に言えば今はこれしかないだろう。
―いざ詠唱。
スッと息を吸い込み、胸の高鳴りを抑えながら、はっきりと一文字一文字発音した。
「森羅万象の貴神よ、無は零なれど、そこにある間は壱にあり。我がミッシェルの名において、現の夢を過ごさんと誓おう、いつかの子らが泡沫を手にすることを願って。」
―気合を入れて。
「無属性、第28魔法、『テレポート』!!」
―すると、
『ポスンっ』と、気の抜ける音がベランダに響いただけだった。
―――あ――?
―ふ、不発…??