11
はい皆さん、こんにちは。
時間的にはこんばんは。
私は今、魔力とはどういうものなのか、習っているところです。
先ほど、カノンさんが大仕事を任されたみたいに態度が大げさだったので、疑問に思ったのですが、なんと、この行為は親や信用できる友人などにしてもらうのが一般常識らしいです。でないと体に毒とか悪いものを魔力と共に流されて最悪死に至ることがあるとかなんとか。
―え~、何それ、こっっわ。
普通にやったらやっぱりこの世界でもしょっ引かれるらしいけど、異世界ってやっぱすごいね。
日本の常識が当てはまらん、でも、やっぱ異世界に来たんだなって現実味がわく。
あと、異世界の学校とかも見てみたいよね。
教会とかも。
そうそう、私はこの体になってからまだ小学校に行ってない。
なんだか今は春休みだそうで。
こっちにもあるんだやっぱり、設定として、と思った。
だから『私』としていくのは小学二年からということだ。
「お嬢様、準備はよろしいですか?」
とここで声がかけられる。
心の準備は出来ている、オーケーオーケーいつでもいいよ。
私は頷いて肯定の合図を表した。
異世界のものを始めて肌で感じるということだけあって緊張する。
カノンさんが手に意識を集中させて、何かをつぶやいていた。
…もしかして詠唱かな?
すると右手をカノンさんの手と繋ぎほんのりと暖かい体温が伝わってきた。
そしてそれは少し時間が立つとゆらゆらとしてきてむず痒いものとなっていく。
―ん?これがもしかして魔力?
「お分かりになられましたでしょうか?これが体内にある魔力というものです、今はわたくしめの魔力に慣れてもらうために微量の魔力を流しています」
うーん、これが魔力。
とりあえず温かいのかな?体内にある温かいものを掴めればいいんだろうけど、いまいち分かんないな。自分の中に流れる血液のようなものなのか?
でも、血液が体をめぐってるって感覚もつかめないからどうしようもないのが現実だ。
「もう少し、流してみますね」とカノンさんから声がかかった。
ヘイ、おなしゃす。
―すると何か自分の内側からすごい、なんかこう『ぶわっ』、『ふわっ』みたいな感じのものが感じられた。
するとカノンさんが私の手を慌てて離す。
どうしたのか、と尋ねると、私の魔力の量が多いかったせいか自分の魔力が押されたらしい。
それに驚いて手を放してしまったようだ。
―――――――――――――――――
――うーんでも結果オーライ。
多分だけど、魔力の感覚分かった気がする。
最後らへんにぶわふわときたのが多分、自分の魔力だろうと予想。根拠は、何故だかその魔力のイメージが体と脳みそがインプットしているから。
これなら気分的にだが魔法使える気がしてきた。
するとカノンさんは、涙目になりながら謝罪してくる。
どうやら手を許可なく離してしまって申し訳なく思ったらしい。
―そんなことより、私、飯食いたい。
あと、カノンさんを見ているとそんなことどうでもいいと思ってしまうからこれまた不思議である。
私はカノンさんの頭を撫でて、許したと言った後、一緒に食卓を囲んだのであった。