4、今いる世界、前の世界
~交代~
「そういえばさっき俺の心を読んでいたみたいだけど、どのくらいの深さまでなら対象の心を読むことが出来るんだ?」
ギルドに向かっている中、こんな感じでこの世界のことや、
異能力について質問しているのだが…
「…………」
アリスさんのことで気にくわなかったのか、バレットは特に答えてくれない。心狭くない?
そうして歩いていると…
「!ッ…異能力ガ出現シダシタ頃ハ断片的ニシカ聞コエマセンデシタガ、時間ガ経ツニツレテ考エテイルコトホボ全テガ読ミ取レルヨウニナリマシタネ。」
バレットが突然話し始めた。
「お前凄えじゃん。」
「シカシ、ソレデハアナタノ考エテイル様ナクダラナイ余計ナコトモ読ンデシマウノデ、普段ハ効果ヲ弱メテイマス。思考ノ邪魔ナノデ。」
途中何か言っていたが無視しておく。
「何で突然話し出したんだ?」
「"ストロ"カラ連絡ガ今届キマシタ…異世界人ガ流レタノデ保護セヨト。アナタヲ見ツケタ海岸ノ辺リヘ流レタトノ情報デ、オソラクアナタノ事ダト思イマシタ。ソシテ、コノ世界ニツイテ話スベキダト判断シマシタ。」
異世界人は保護する決まりがあるらしい。
話を聞くと、近ごろ海底に新しく遺跡が発見され、冒険者が調査をしているらしいが、謎の原因でいなくなりどこかの海岸に流れ着くことが多いそうだ。
最初は、俺の事も海に流されてしまったせいで記憶を失った冒険者だと思っていたらしく、ギルドに行けば登録してある経歴や特徴、自画像などから身元が分かり家族に会わせられるだろうと考えていたらしい。
「シカシアナタハ冒険者ニシテハ服ヤ通貨ガコノ世界デハアマリ見タコトノナイ物デ作ラレテオリ、サラニコノ世界ニ存在シナイ事柄ノ記憶ガアリ、連絡モチョウド良ク来タタメ、異世界人ト確信シマシタ。ダカラ話ヲシタノデス。」
ってことは俺は異世界から来たことになるのか…。ええ…何このRPGげありそうなパターン。 ん?パターンって何の事だ?何考えてんだろ…俺。
アリスさんのいない世界でどんな風に俺は過ごしていたのだろうか。
…こんなことを考えていても埒が明かない。今はこの世界で俺の居場所を探すことを優先しよう。
前の生活がどうであれ、俺は前に進まなくてはならないのだ。
こんにちは。SK2の鯳です。投稿が果てしなく遅れました。申し訳ないです。最近リアルが忙しいので、このように遅れることが多くなります。完結はさせるつもりです。
今更ですが、SK2は鰹、鯳、辛子明太子の三人で使っているグループです。今後もしかしたら一人だけで短編を書くかもしれないので、その時はよろしくお願いします。