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7.食堂


訓練しているうちにすっかり仲良くなったリディアとリアムの2人は最近は一緒に行動していることが多い。

城ではすっかりセットで扱われており、2人とも低身長で童顔であることなどから周りから、特にお姉様方から可愛がられており、お菓子を大量に貰う日々を送っていた。


そんな2人が訓練を終えて向かったのは黒薔薇宮の職員が使える専用の食堂である。

2人がたどり着いた時、食堂には誰もいなかった。それもそのはず、2人が魔法訓練をしている間に昼休憩が終わってしまっているからだ。


それでも、食堂には美味しそうな匂いが未だ充満していた。彼らがこの時間にやってくるのは分かっているので、料理人達は残ってくれているだ。

食堂は自分で席まで料理を運ぶ仕組みとなっているため、2人は料理の置いてある厨房のほうに向かった。


「おーじちゃーん、今日の昼ごはんはなにー?」


「おじちゃんじゃなくて、ブルーノ様と言えと言っているだろう、リアム。というか、俺お前と歳そんな変わらないからな!?」


「細かいことは気にしない気にしない。」


料理人らしく白の帽子を被った男が料理室からにこやかに歳を誤魔化そうとしているリアムに叫んでいた。



ブルーノはこの黒薔薇宮の料理長である。


黒薔薇宮の料理長ということは王付きの料理人ということであり、その腕は一流。作る料理は絶品揃いであり、彼の料理を食べたいが為に黒薔薇宮の配属になることを目指す人もいるという噂があるようなないような。


「料理長様、今日のお昼はなんですか。」

「おー、リディアちゃん。今日はいい鶏が入ったから鶏のグリルだぞ。」


ブルーノはそう尋ねたリディアに対してにこやかに応対する。


一方で。


「鶏?僕、鶏好きー。」

「お前の好みなんぞ知らん。」


いかつい見た目であるので、ブルーノは年齢より上に見られ、怖がられることが多々あるのだが、ぶつくさ言いながら、リアムの皿に少し多目に鶏を盛り付けているあたり、彼は基本的には優しいのである。


そうして料理を受け取った2人は食堂にいくつか並べられたテーブルの1つに適当に座ると一緒にご飯を食べ始める。


「美味しい...」


メイン料理を一口ぱくりと食べたリディアがそう呟くと「リディアちゃんにそう言ってもらえると作りがいがあるというものだ。」という声が隣から聞こえる。

ブルーノがトレイを持って、ちゃっかりリディアの隣を陣取っていた。


「うわー、料理長ずるい。」

「俺も妖精ちゃんの隣座りてぇ。」

「うるせーぞ、お前ら。」

ブルーノがトレイを持ってぞろぞろと出てきた他の料理人達に一喝をする。


この時間は料理人達のお昼の時間でもあるのである。まかない飯を持った彼らも混ざってガヤガヤと賑やかな昼食が始まる。リディアも料理人達と何気ない会話をしながら、ご飯を食べ終えた。


そして食後のお茶を飲みながら、リディアは今から何をしようと悩むのである。


午前中の講義、訓練でリディアの毎日の義務は終了であり、午後から終業時間までは何をしてもいいことになっている。

大体図書館に行って本を読むか、魔法士宮に行って資料読んだり訓練を手伝わされたりするか、キースに出された課題をするかなどなどなのだが。


今日はやることがないなぁ...と思うリディアであった。しかし、何もしないというのも性に合わないので、消去法で図書館で魔法の勉強をすることを決めた時だった。


「リディア。」

リアムが彼女を呼んだ。


「あとで、シオンに呼ばれてるからおやつの時間に執務室に来て。」

「はい、わかりました。」


執務室にリディアが呼ばれるのは珍しくない。大抵その内容はお茶を飲むだけというものなのだが、今日もそんなことだろうとリディアは疑問もなく頷いた。


「じゃあ、よろしくね。またあとでねー。」

リディアが頷いたのを確認したリアムは席を立つと、風のように食堂から出て行った。



「今日、団長なにかあるのでしょうか...。」


いつもはもう少しゆっくりしているはずなのにというリディアの疑問に答えたのは、ブルーノだった。


「あぁ。今日は陛下がお見合いやってるんだよ。その護衛に駆り出されたんだろうな。」

「お見合いですか?」

初めて聞く話題にリディアは首を傾げた。


シオンは今年で20歳になり、結婚適齢期ではあるのだが、シオン自身に結婚する気は全くないようにリディアは感じていた。そのため、お見合いという言葉シオンに似合わないなぁと思ったのである。


「そうそう。裏庭でな。朝からレイのやつも忙しそうだったしな。」

「あ、俺も聞きました。なんでもどこかの侯爵家のご令嬢らしいって。」


料理人たちから次々ともたらされる情報。特に黒薔薇宮内の情報ともなれば彼らはとても詳しい人たちなのだ。


「どこの侯爵家かは知らんが、なんでも城内で力を持っているところらしくて陛下も断れなかったらしいぞ。」

「あ、俺、ミラさんが『お願い!このお見合いだけはやって!やりなさい!』って陛下に言っているところ見ました。」


色々と情報が筒抜けだが、大丈夫か黒薔薇宮。とリディアは本気で心配しているのだが、一般職員がアポなしでシオンの執務室に突入できるのが黒薔薇宮のまた良いところなのでもあった。


料理人達に料理と情報に対してお礼を言うと、食後のお茶を飲み干したリディアも図書館に行こうと席を立った。


「今日は裏庭に近づかないようにしろよー。」

「わかりました。」

親切なアドバイスにそう返事をして、リディアも食堂を後にしたのである。


そして、図書館に向かう予定だったのだが、予定というのはうまくいかないのが世の定め。



「リディア嬢、今手が空いてますか?空いてますね。手伝ってください!」

と、廊下を通りがかったキースに華麗に拉致されるリディアであった。




前回、第2章は夜会編になります!と宣言したのですが、なりそうにないです。

第2章 遠征編 (正式決定)で書かせていただきます。

もう変わりません、変更なしです、多分。

よろしくお願いします。

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